当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。フィギュアスケートシーズンとなり、グランプリシリーズ観戦に夢中のあんです。観戦歴15年のフィギュアおたくのあんが、グランプリシリーズ2017フランス大会の三原舞依選手の結果と分析をお送りいたします。先日のグランプリシリーズ2017中国大会でも4位と大健闘でした。
今回のフランス大会の結果はどうだったのでしょうか。1位になれれば、GPファイナル進出の可能性も出てきます。ものすごく楽しみです。それでは、早速始めていきますね。今回もよろしくお願いします。
三原舞依選手のプロフィール
結果分析の前に三原舞依選手のプロフィールを簡単におさらいしておきましょう。
- 生年月日: 1998年8月22日
- 身長:154㎝
- 2014~2015年シーズン戦績:全日本選手権9位
- 2015~2016年シーズン戦績:ジュニアグランプリファイナル6位
- 2016~2017年シーズン戦績:四大陸選手権1位 世界選手権5位
- 2017~2018年シーズン戦績:GPシリーズ中国大会4位
ご覧の通り、急成長著しい選手です。2015~2016シーズンに若年性特発性関節炎(若年性リウマチ)という難病で2週間ほど入院し、全日本選手権も欠場となってしまいました。しかし翌シーズンの四大陸選手権で見事に復活を果たします。シンデレラのプログラムで四大陸選手権、見事優勝を獲得し復帰を果たしたことから「氷上のシンデレラ」と呼ばれることがあります。世界選手権5位、全日本選手権も3位に入るなど大健闘しました。復帰後のパーソナルベストは218.27とかなりの力を秘めた選手だと思います。
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ショートプログラム結果
- 中 国 大会 技術点:34.66 演技構成点:32.24 合計:66.90
- フランス大会 技術点:31.93 演技構成点:32.64 合計:64.57
前回の中国大会に比べると、やや点数が低くなってしまいました。ジャンプでの失敗が少々ありましたので、そのあたりが響いているように思います。しかし、演技構成点は伸びが見られますので、磨いてきた表現力が少しずつ上がってきているのではないでしょうか。
もともとスケーティングは大変上手でスピードもしっかり出せる選手ですので、全体の底上げはこれからさらに期待できると思います。
技術点について
技術点とはジャンプやスピン、ステップなどそれぞれの技に付く点数です。難易度により基礎点があります。その基礎点に出来栄えで加点や減点がされます。
三原舞依選手のSPの技術点は31.93でした。
冒頭の3回転ルッツ→3回転トウループは滑走距離を見誤ったのか、3回転トウループを跳ぶスペースが無くなり、2回転トウループになってしまいました。ジャンプ直前にステップもいれるなど、加点を狙う感じでしたが、ステップ後の構えの時間がいつもよりやや長かった気がします。着地の距離を測って迷っていたのかもしれません。その分滑走しすぎたのではないでしょうか。
しかし、その後のダブルアクセルは見事でした。カウンター的にステップも入り、難しい跳び方で加点ももらえていると思います。
最後のジャンプ、3回転フリップはやや右足の蹴りが浅いように見えましたが、しっかりと跳ぶことが出来ました。最初のジャンプの失敗を後に引きずらないのは、精神的に強い選手だなと思います。
ステップも上手ですが、個人的に特にお気に入りなのは三原舞依選手のビールマンバスピンです。身体が柔らかく、スケート靴をほぼ回転軸の頂点までもっていくので軸もぶれません。回転スピードも速く見ごたえがあります。本ページの一番最後の写真に載せておきましたので、どうぞご覧ください。
こうして見てみると、最初のジャンプの失敗が悔やまれますね。また、個人的にはジャンプのトウの蹴りがやや浅く見えるのが少々気になります。
演技構成点について
演技構成点は演技全体に付けられる点数です。大まかに言うと表現力を評価します。審判5人がそれぞれジャッジし、点数が決まります。一人10点満点で係数がかけられて点数が決まります。女子SPの係数は0.8ですので、40点満点です。
三原舞依選手のSPの演技構成点は32.64でした。強豪ロシア勢を上回る点数で、演技構成点だけを見ると全体で2位という好成績です。この若さでこの点数が出せるのは、ものすごく頑張ったと思います。やはりスケーティングスピードが速いというのはいいですね。審判全員から8点以上もらえないと32点は越えませんので、素晴らしい点数だったと思います。
少々欲を言うのであれば、ジャンプとジャンプやステップなどへのつなぎの部分でもう少し手数を増やして全体の流れをスムーズにできそうな気はします。
フリースケーティング結果分析
- 中 国 大会 技術点:74.45 演技構成点:64.72 合計:139.17
- フランス大会 技術点:73.45 演技構成点:64.10 合計:137.55
三原選手の武器はフリーの点数の高さですね。フリーは演技に詰め込める要素や時間の関係で、ショートの2倍弱になることが多いです。三原舞依選手はその2倍弱を越えています。
逆を言えばショートが課題ということになりますね。フリーでこれだけの点数を取れるのですから、ショートは70点台を狙える選手とも言えるでしょう。
技術点について
ジャンプやスピンなどの技一つ一つにつく点数が技術点です。今回の三原舞依選手のFSの技術点は73.45でした。前回の中国大会とほぼ変わらず力を出し切ったと言えるのではないでしょうか。技術点だけ見ても全体で3位につける好成績です。
冒頭の3回転ルッツ→3回転トウループはSPの失敗を引きずらず見事に成功させましたね。精神力の強さを感じます。
次に跳んだダブルアクセルもカウンター気味のステップから入り、難しい跳び方で成功しています。加点をもらえているのではないでしょうか。
スピンやステップも上手な選手ではありますが、こちらは少々物足りなさを感じました。スピンの軸足変えがあまり見られなかったり、回転しながらのステップはすべて同じ方向の回転だったはずです。スピンの軸足変えやステップの逆回転なども入れていくと、されに点数を伸ばせそうです。
3回転フリップの後に跳んだダブルアクセルは単独になってしまいましたが、本当はコンビネーションの予定だったようです。
しかしその後の3回転ループをコンビネーションに変更してリカバリーしたのは見事です。ループってトウの蹴りがなく、片足で踏み切るのでコンビネーションにするのが難しいはずなんですけれども、「よくここで入れてきましたね!」と思いました。
リカバリーのしやすさを考えると3回転フリップとダブルアクセルからのコンビネーションは順番が逆でもいいかもしれません。ループよりはフリップの方がコンビネーションにしやすいと思いますから。
2回目の3回転ルッツ→3回転トウループもきれいに決めました。基礎点の高い3回転ルッツからのコンビネーションを2つ入れられるのは大きいです。
個人的に1番いいなと思ったのは、最後のジャンプである3回転サルコウです。回転しながらのステップから間髪入れずに跳ぶことが出来ました。非常に加点のもらえる難易度の高い跳び方をしていると思います。
演技構成点について
演技構成点は審判団5人が1人10点満点で演技全体の表現力を評価します。女子のFSでは審判団5人の合計点数に係数1.6がかけられます。満点は80点ですね。
三原舞依選手の今回のFSの演技構成点は64.10でした。こちらも審判団5人全員から8点以上で64点となりますので、それを越える点数を出せたというのは、好成績と考えていいでしょう。
ちなみに審判団全員から9点を取れる代表的な選手は、世界女王のメドベージェワ、我らが羽生結弦選手、宇野昌磨選手などです。宇野昌磨選手はそのときの調子に寄りますけどね。9点取れるのは世界でトップ争いをする人たちですから、8点以上とれれば合格と言っていいでしょう。
ただし、三原舞依選手はスケーティングが非常にうまいので、先ほどSPでもお話したように、技と技のつなぎの部分をもっと意識して是非、審判一人当たり9点、演技構成点72点を取れる選手になってほしいと思っています。
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オリンピック代表の可能性は?
- フランス大会 ショートプログラム:64.57 フリースケーティング:137.55
- 総合202.12 第4位
フリーのみだけで見ると健闘と思います。今回1位になればGPファイナル進出の可能性がありましたが、残念ながらGP進出はなりませんでした。
フリーでこれだけの点数を取れるのですから、ショートは70点欲しいですね。今後の課題はショートの完成度アップになるでしょう。ショートで70点取れれば総合210点台が視野に入ります。
今後は平昌オリンピック代表選考に最も影響のある全日本選手権を目指して調整することになると思います。宮原知子選手の復調がどの程度かまだ分かりませんし、樋口新葉選手のGPファイナル進出の可能性が五分五分ぐらいになってきましたので、平昌オリンピック代表選考は本当に激戦化する可能性が高いです。
各選手の戦績
ちなみにこれまでの各選手のGPシリーズでのハイスコアです。もちろんGPシリーズのスコアもオリンピック代表選考に影響してきます。
- 樋口新葉選手(中国大会)SP:70.53 FS:141.99 総合:212.52
- 三原舞依選手(中国大会)SP:66.90 FS:139.17 総合:206.07
- 本田真凜選手(中国大会)SP:66.90 FS:131.42 総合:198.32
- 坂本花織選手(ロシア大会)SP:68.88 FS:125.12 総合:194.00
- 宮原知子選手(NHK 杯)SP:65.05 FS:126.75 総合:191.80
- 本郷理華選手(NHK杯)SP:65.83 FS:122.00 総合:187.83
現時点では樋口新葉選手が一歩リードですね。三原舞依選手はその次です。宮原知子選手がどこまで復調してくるかで代表争いの結果がかなり変わりそうです。
激戦ですが三原舞依選手にもチャンスは絶対ありますので、12月末の全日本選手権までに頑張ってプログラムの完成度を上げていってほしいと思います。
さて、今回は実力急上昇中の三原舞依選手のグランプリシリーズフランス大会の結果分析をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。残念ながら表彰台には立てませんでしたが、全日本選手権までにさらに調整を重ねてくることでしょう。
難病との戦いから見事に戦列復帰した昨シーズンのことを考えると、まだまだこれから先が楽しみな選手の一人です。女子高生トリオの一角として、また、次世代のエース候補の一人として期待大です!舞依ちゃん頑張ってね!
でも、舞依ちゃんは十分頑張っていると思います!昨シーズン病気から復帰したばかりの舞依ちゃんなので、あまり「頑張ってね」と言い過ぎないように気を付けなくては…(;^_^A
それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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