こんにちは。元合唱部のあんがお送りする、合唱曲シリーズです。今回は中学校の卒業式におすすめの合唱曲・歌をご紹介していきます。
中学校の卒業式と言えば、卒業生である3年生の合唱と、1、2年生までの在校生の合唱、全校生徒で歌う全校合唱などがあると思いますが、今回は卒業生が歌う卒業生合唱におすすめの曲・歌をご紹介していきます。
素敵な合唱曲を見つけて練習し、卒業式が最高の思い出になるように頑張ってくださいね。
それでは早速始めていきます。よろしくお願いします。
スポンサーリンク
Nコン課題曲から選ぶ中学校の卒業式の歌・合唱曲
「友~旅立ちの時~」ゆず 作詞・作曲:北川悠仁
第80回(平成25年度)Nコン中学校の部の課題曲です。全体的にしっとりとした印象の曲です。掛け合いよりもハーモニー重視の曲になっていて、難易度もそれほど高くないと思います。ハーモニー重視の曲ですから、音取りがとても大事になってきます。きっちりと音が取れるようにパート練習重視で練習してください。
題名からも想像できるように、卒業式にぴったりの歌です。歌詞で私が1番好きな部分は、1番の「確かな答えなんて 何一つ無い旅さ 心揺れて迷う時も」部分です。歌詞は全体的にストレートな表現が多いので、卒業への気持ちを込めやすい歌になっています。
2番が終わった後のCメロ部分が聴かせどころになります。Cメロ直前の「未来へ 歩いていくよ」からクレッシェンドで盛り上げていき、「Wow 遠く 遠く」からは声量最大で力を出し切りましょう。
難易度的に考えて、卒業式の在校生合唱としてもいいでしょう。ピアノ伴奏も4分打ちを基本としているので、伴奏の難易度もそれほど高くないのが嬉しいですね。

コーラスピースCP26 友 ~旅立ちの時~ / ゆず (混声三部合唱&ピアノ伴奏譜)~「第80回NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)」中学校の部課題曲 (CHORUS PIECE SERIES)
- 作者: 北川悠仁
- 出版社/メーカー: フェアリー
- 発売日: 2017/12/29
- メディア: 楽譜
- この商品を含むブログを見る
スポンサーリンク
「証」 flumpool 作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
第78回(平成23年度)のNコン中学校の部の課題曲です。 歌詞で一番好きな部分はサビの「傷つけ合っては何度も 許し合えたこと 代わりなき僕らの 証になるだろう」の部分です。今までの中学校生活を思わず思い出してしまうような、卒業式にぴったりの合唱曲だと思います。
前半はソプラノとアルトのみの女声パートのみで曲は進みますが、1番のBメロから男声パートも入ってきます。この部分からボリュームを上げて盛り上げていきます。曲調の変化があまりない曲です。単調にならないようにボリューム変化で曲調を豊かにできるよう、クレッシェンド、デクレッシェンドをしっかり意識して歌いましょう。
また、休符の意識も大事になってきます。短い部分はきっちりと短く、伸ばすところはしっかりと伸ばすメリハリが大切です。また、主旋律と副旋律のパートを微妙にずらしてハモる部分が多いですから、そのズレが効果的になるように、リズムをしっかりとれるように練習してください。
サビの部分はソプラノは副旋律に徹する珍しいパターンの合唱曲になっています。ソプラノが上でハモりますので、主旋律を埋もれさせてしまわないように、各パートの声量バランスに気をつけて練習をしてください。
ピアノ伴奏は難易度がやや高めです。特にサビ部分の伴奏がリズムを取りにくく手数が多くなっています。手数が多いと走りやすくなりますので気を付けてください。

コーラスピースCP42 証 <混声三部合唱> / flumpool (混声三部合唱&ピアノ伴奏譜) (CHORUS PIECE SERIES)
- 作者: 阪井一生,山村隆太
- 出版社/メーカー: フェアリー
- 発売日: 2018/08/03
- メディア: 楽譜
- この商品を含むブログを見る

- アーティスト: コンクール,NHK東京児童合唱団,NHK東京児童合唱団ユースシンガーズ,早稲田大学コールフリューゲル,早稲田大学高等学院グリークラブ
- 出版社/メーカー: フォンテック
- 発売日: 2011/04/21
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログを見る
ちなみに、合唱曲『証』については、歌い方のコツの徹底解説記事もありますので、よかったらご覧ください。
「手紙~拝啓 十五の君へ」 作詞・作曲:アンジェラ・アキ
第75回(平成20年度)のNコン中学校の部の課題曲です。新垣結衣さん主演の2015年2月28日公開の映画『くちびるに歌を』のテーマ曲としても採用されましたので、知名度もかなり高い曲になっています。
私が歌詞で1番好きな部分は、1番のサビの「ひとつしかないこの胸が何度もばらばらに割れて 苦しい中で今を生きている」の部分です。自分の存在価値、卒業までの苦しかった道のりを思い出して思わず涙が出る部分なのではないでしょうか。
その後、2番のサビで「荒れた青春の海は厳しいけれど 明日の岸辺へと 夢の舟よ進め」としっかりと前を向く形で歌が終わるのも卒業式にふさわしい歌になっていると思います。
ハーモニーはそれほど難しくありません。適度に掛け合いも入っていて、非常にバランスの取れた合唱曲です。しかし、後半になるにつれて難しくなっていきます。副旋律のパートは繰り返しがあまりありませんのでしっかり旋律を覚えましょう。
Cメロ部分は曲調が一転して力強さを出したいところです。ここで曲のメリハリをきっちり付けましょう。
ピアノ伴奏は前半部分はそれほど難易度は高くありませんが、伴奏もCメロがポイントになります。裏拍の入ったスタッカートを弾くことになります。この部分のリズムにしっかり乗れるよう、重点的に練習をしてくださいね。

ピアノ伴奏CD付 混声三部合唱で/「遥か」「手紙~拝啓 十五の君へ~」 ―ベストヒットソング特集―
- 作者: 野呂芳文
- 出版社/メーカー: ドレミ楽譜出版社
- 発売日: 2009/11/11
- メディア: 楽譜
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る

第75回(平成20年度)NHK全国学校音楽コンクール 中学校の部
- アーティスト: コンクール,湯沢市立湯沢南中学校,丸亀市立東中学校,札幌市立真栄中学校,神戸大学発達科学部附属住吉中学校,出雲市立第一中学校,福井大学教育地域科学部附属中学校,札幌市立平岡緑中学校,栄東中学校,郡山市立郡山第二中学校,松戸市立第一中学校
- 出版社/メーカー: フォンテック
- 発売日: 2008/12/21
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログを見る
スポンサーリンク
定番の中学校の卒業式の歌・合唱曲
「この地球のどこかで」 作詞:三浦恵子 作曲:若松歓
ゆったりとした速さの曲です。音量もメゾピアノと優しくはじまります。曲調も卒業式の雰囲気にぴったりです。
私が歌詞で1番好きな部分は。サビの「歩いて行く道は きっと違うけれど 同じ空見上げているから この地球のどこかで」の部分です。別れの予感を感じさせると共に卒業学年の一体感も盛り上げます。また、夢の広がりを感じさせるような広大な世界観も卒業式にぴったりですね。
ポイントとなるところはサビの出だし部分です。高音パートが「高いミ」と非常に高い音になっています。声の勢いに力がないと、出だしの音程が低くなってしまいます。一気に「高いミ」の音を出せるようにブレスをたっぷり取り、最初から最大声量で歌ってください。
また、サビ出だしのハモリは高音部と低音部が別の音でいきなり割れますので、音取りが難しいです。この部分を重点的に練習し、感動的な卒業生合唱に仕上げましょう!
ピアノ伴奏についてですが、この曲はピアノ伴奏が重要度が特に高い曲です。Aメロでは斉唱のメロディーとピアノ伴奏が掛け合いをします。この掛け合いピアノの高音部分を丁寧に弾いてください。また、サビ前に16分音符で駆け上がっていく部分があります。ここをしっかりと決めて、合唱のサビへの盛り上げをサポートしてください。
『この地球のどこかで』も歌い方の徹底解説記事がありますので、よかったらどうぞ。
「COSMOS」 作詞・作曲:ミマス
ミマスさんの詞の創り出す世界観は、大変スケールが広大です。秋に咲くコスモスの花をイメージする歌詞から曲は始まり、曲が進むにしたがってCOSMO、いわゆる宇宙へと世界観が広がっていきます。
私が歌詞で好きな部分は1番のサビの「光の声が空高くきこえる 君も星だよ みんなみんな」と2番のBメロ「みんな生命(いのち)を燃やすんだ 星のように 蛍のように」の部分です。卒業に関する言葉はこの曲には出てきませんが、卒業後も全力で生きていくという決意が読み取れるのではないでしょうか。いかにも卒業式の歌ですという合唱曲は避けたいという時にもいい歌だと思います。
非常に美しいハーモニーが感動を呼ぶ曲ですので、パートごとの音取りをしっかりとして、綺麗にハモれるようにしましょう。2分音符でハモりながら伸ばすところが多いので、ブレスをしっかり取って音を十分に伸ばし、綺麗なハーモニーを作り出してください。
また、編曲者である富澤さんの編曲の特徴に、主旋律と副旋律のタイミングを微妙にずらして重ねてくるというのがあります。このズラしのタイミングをきっちり取ると、音の残響感を表現できて、声も大きく広がるように響き、歌詞のもつ広大なイメージを表現することができますよ。
合唱曲『COSMOS」の歌い方の徹底解説記事をご覧になりたい方はこちらから。
スポンサーリンク
山崎朋子さんの卒業式の歌・合唱曲
「大切なもの」 作詞・作曲:山崎朋子
山崎朋子さんの合唱曲の中では卒業式で一番歌われている曲だと思います。山崎朋子さんの曲の中で、一番有名な曲なのではないでしょうか。
私が歌詞で一番好きな部分は2番のBメロの「がんばれ 負けないで そんな声が聞こえてくる」の部分です。卒業後、辛いことなどがあったときにこの部分を思わず思い出して涙する人もいるかもしれまんせん。また、「あの想いを ずっと忘れることはない」「遠く離れてる君に 頑張るぼくがいると」など、卒業式にぴったりの言葉もたくさん散りばめられています。
さらにおすすめなのが曲の最後に出てくる「ひとりきりじゃないこと 君が教えてくれた 大切なものを」の部分です。「ひとりきりじゃないこと」なんて、これまた恋愛感情に思いを込められそうな歌ですね。中学生の卒業式にぴったりだと思います。
合唱曲としての難易度もそれほど高くないので、練習期間が短くならざるを得ない場合でも素敵に仕上がりますよ。主旋律と副旋律の掛け合いも適度にあり、ハモリもスタンダードでバランスのよい曲です。また、曲の最後には先ほど書いた「大切なものを」というこの曲のキーワードが出てきます。この部分のハモリの音程をしっかりとって感動的に仕上げましょう。
ピアノ伴奏は四分音符のコード弾きが基本になっていますからそれほど難しくありません。プレッシャーのかかる卒業式ですから、伴奏者にとっては嬉しいですね。
『大切なもの』の上手な合唱の仕方、歌い方の徹底解説記事はこちらです。
希望という名の花を 作詞・作曲:山崎朋子
歌詞は1番のBメロ「追いかけてる夢が 終わることをおそれ 前を見れずにいた あの日 あの時」やサビの「未来探しながら 小さな花を咲かそう 希望という名の花を」などのように卒業式にぴったりの言葉が散りばめられています。卒業する生徒たちを花にたとえた歌詞になっているのもいいですね。
歌うポイントとしては、Aメロに掛け合い部分が入ります。サビ前に主旋律と副旋律でしっかりハモる部分があります。Aメロの掛け合いで助走をつけて、サビ前のハモりで盛り上げていき、サビで一気に気持ちを開放しましょう。サビの部分は高音部は伸びやかに、低音部が支えとなるようなイメージで歌うといいと思います。
エンディングの部分でハミングになってハモる部分があります。そこが見せ場になるでしょう。
ピアノ伴奏は八分音符のアルペジオが中心で、難易度は高くありません。山崎朋子さんの合唱曲は全体的に伴奏者に負担をかけない編曲になっているもの嬉しいところだったりします。
上記で紹介した2曲は全て下記の楽譜とCDに収録されています。ほかにもいい曲がたくさんありますので、よかったらどうぞ。

山崎朋子 Original Songs 混声編(KGO-1076)
- アーティスト: 山崎朋子
- 出版社/メーカー: 教育芸術社
- 発売日: 2010/08/02
- メディア: CD
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
さて、今回は中学校の卒業式にぴったりの合唱曲をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。やっぱり卒業式に合う曲って感動的でいいですね!曲を聴きながら記事を書きましたが、鳥肌立ちっぱなしでした!練習を頑張って曲を仕上げて、ぜひ感動的な卒業式にしてください!
それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
合唱曲関連人気記事