元合唱部のあんがお送りする合唱曲シリーズ記事です。今回は小学校や中学校の合唱コンクール、卒業式の合唱曲として人気の高い『大切なもの』の1曲のみを徹底解説していきます!
- 合唱コンクールで『大切なもの』を歌うんだけど、合唱のコツやポイントは?
- 『大切なもの』を合唱コンクールで歌って優勝したい!
- 卒業式で『大切なもの』を合唱するんだけど、完璧に仕上げていい卒業式にしたい!
- 合唱曲『大切なもの』の合唱指導のコツやポイントを知りたい!
などとお考えの方のお役に立てるよう、合唱曲『大切なもの』の概要や歌い方のポイント、コツなどについて詳しくご紹介していきますね。
合唱コンクールや卒業式に向けての練習の参考にしてもらえると嬉しいです。合唱曲『大切なもの』を完璧に仕上げて、素晴らしい卒業式や合唱コンクールにしてください!
それでは、よろしくお願いします!
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- 合唱曲『大切なもの』の概要
- 合唱曲『大切なもの』歌い方のコツとポイント【同声二部合唱編】小学生向け
- 合唱曲『大切なもの』同声二部編の楽譜とCD
- 合唱曲『大切なもの』歌い方のコツとポイント【混声三部合唱編】中学生向け
- 合唱曲『大切なもの』混声三部編の楽譜とCD
- 合唱曲『大切なもの』ピアノ伴奏のコツとポイント
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合唱曲『大切なもの』の概要
- 作詞・作曲:山崎朋子
- 山崎朋子さんは中学校の先生
- メロディーも歌詞も分かりやすく歌いやすい合唱曲
- 合唱形式:混声3部版と同声二部版が存在します。
合唱曲『大切なもの』は、中学校の教員である山崎朋子さんが作詞・作曲した中学校向けの合唱曲(混声三部合唱)です。混声三部版が中学生向けに作られたのち、小学生向けに同声二部版も作られました。合唱コンクールや卒業式などで良く歌われる合唱曲となっています。特に卒業式で歌われることが多いようです。
山崎朋子さんは、よい意味で歌いやすいメロディーと歌詞で合唱曲を作られます。この『大切なもの』という合唱曲も小学校高学年の子どもたちや中学生が気持ちを載せやすい分かりやすい歌詞になっていて、大変魅力的な合唱曲です。
合唱曲『大切なもの』の歌詞で私が好きな部分は、2番のBメロ「がんばれ 負けないで そんな声が聞こえてくる」の部分です。これから旅立っていく卒業生の決意を後押しするようで好きなんですよね。またラストサビの「ひとりきりじゃないこと 君が教えてくれた」の部分も大好きです。ちょっと恋愛の歌詞にも聞こえるので、中学生が素直に心を込めやすいのではないでしょうか。
特筆すべきは「卒業」という言葉が全く使われていないのにも関わらず、「卒業」を意識させる世界観の合唱曲になっているところだと思います。ですから、「卒業式だけどあまりベタベタな歌詞の合唱曲はちょっと…」と思っている方にもしっくりと心に届く合唱曲ではないでしょうか。
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合唱曲『大切なもの』歌い方のコツとポイント【同声二部合唱編】小学生向け
まずは、同声二部合唱編の『大切なもの』の歌い方の解説から始めていきますね。同声二部は小学生向けか、小人数の女声合唱団などに適した編曲です。初心者合唱団の入門用としてもいいと思います。混声三部合唱編については、記事の後半で解説していきます。
それでは、本題の合唱曲『大切なもの』の歌い方のコツ・ポイントを解説していきますね。
1番:Aメロのコツとポイント
穏やかな伴奏で曲が始まります。合唱の出だしはメゾピアノです。やや弱く優しい声での歌い出しになりますから、まずはこの伴奏をしっかり聴いて気持ちを落ち着けましょう。
合唱曲の雰囲気に合わせて気持ちを切り替えていくのはとても大事です。前奏の雰囲気から『大切なもの』の合唱曲の雰囲気を感じ取って気持ちの準備をしてください。
「空に光る星を」からがAメロになります。先ずはソプラノもアルトもユニゾンです。出だしで声量を上げすぎると後半の盛り上がりを表現しにくくなりますから、優しい声を意識してボリュームを抑えて歌いましょう。
1番:Bメロのコツとポイント
「あれから いくつもの」の部分からBメロが始まります。ここからソプラノパートとアルトパートによる掛け合いが始まります。声量もメゾフォルテとやや強めに歌っても仕上げていきたい部分です。
アルトの掛け合いの出だしは1回目が四部休符と八分休符後、2回目が八分休符後と、拍の頭を外すタイミングになっていますから、少々タイミング合わせが難しいと思います。
一緒に歌う部分はほぼ斉唱ですから、まずはここのタイミング合わせに合唱練習の重点を置きましょう。パート練習でアルトパートが自分の旋律をしっかり覚えておくことが大切になってきます。全体練習でもここのタイミング合わせには時間をとって練習してください。
「ずっと忘れることはない」からはハモリが始まりますが、出だしはソプラノもアルトも同じ音なので、ハモリはそれほど難しくないと思います。クレッシェンドを効かせて声量をだんだんと大きくしていき、サビへつなげていきます。特に「い」で伸ばす部分は息切れしないで2拍きっちり伸ばせるように、直前の八分休符でしっかりとブレスをとっておいてくださいね。
1番:サビのコツとポイント
「大切なものに」からがこの合唱曲のサビになります。最初の「た」は同じ音で歌い出し、その後ハモリに突入していきます。主旋律も副旋律も最初が同じ音だと割と音程は取りやすくなりますので、ここのハモリもそれほど難しくないでしょう。声量はフォルテと最大になりますから、ここもブレスをしっかり意識して声量を確保して歌ってください。
「あたたかいこの気持ち」の部分から斉唱に戻ります。ここはほんの少しだけ声量を抑えてメリハリを付けたいところです。最後の「ち」を2拍半きっちり伸ばし切りましょう。伸ばし切りますが優しい歌声で歌ってくださいね。伸ばすことだけに気を取られて声が荒くならないように気を付けてください。
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2番:Aメロのコツとポイント
間奏の後に2番に突入です。1番のサビで盛り上がった気持ちをメゾピアノの優しいピアノの間奏を聴きながら落ち着けて、2番の準備をしてください。
2番のAメロは1番とほぼ同じですが、出だしのユニゾン部分を1番よりはやや強く歌いましょう。
2番のAメロの出だしの歌詞は「くじけそうな時は 涙をこらえて」となります。歌詞に合わせてやや緊迫感を出したいところですから、合唱の声量を少しだけ上げて緊張感を表現してください。
この『大切なもの』という合唱曲で一番メッセージ性強いの2番のBメロやサビにつないでいくとても大切な部分です。気を抜かずに歌ってほしいと思います。
2番:Bメロのコツとポイント
「がんばれ 負けないで そんな声が聞こえてくる」の部分からが2番のBメロになります。こちらも1番のBメロとほぼ同じですが、歌詞の内容に合わせて力強さが欲しいところになります。この部分を力強く感動的に歌えると思わず涙ものです。
こちらも先ほどのAメロと同じように1番のBメロより少しだけ声量を上げて力強さを表現しましょう。
2番:サビのコツとポイント
「いつか会えたなら ありがとうって言いたい」からが2番のサビになります。ここも1番のサビと旋律は変わりませんので声量をやや上げて後半の盛り上がりを表現してください。旋律が変わりませんので、声量コントロールによる表現の工夫が必要になってきます。
また、2番のサビは2回繰り返されます。「大切なものに」と2回目のサビが出てきます。ここが一番ボリュームが大きくなるように頑張ってください。
こちらも旋律がこれまでのサビと変わらないので声量コントロールで表現していくしかありません。『大切なもの』という合唱曲は、ハーモニーがそれほど難しくない合唱曲なので、ボリュームコントロールでメリハリをつけることが大切になってきます。
最後の「大切なものを」の部分は音量はピアノからデクレッシェンド(だんだん小さく)していってピアニッシモで終了となります。全音符と2分音符にフェルマータが付きますので8拍~10拍ほど「を」を伸ばすことになります。
声量が小さい部分ですが、デクレッシェンドしながら伸ばし切るには、やはりブレスが大切になります。音程は斉唱ですからボリュームコントロールだけに集中して儚げに合唱を締めくくられるよう、しっかりと10拍伸ばし切って終わりましょう。
合唱曲『大切なもの』同声二部編の楽譜とCD
合唱曲『大切なもの』同声二部編ののおすすめの楽譜はこちらになります。作曲者の山崎朋子さんの合唱曲楽譜集です。同声二部編は小学生や女性のみの合唱団などにちょうどいい音域になっています。『大切なもの』の以外にも卒業式などにおすすめの合唱曲がたくさん入っていてお得ですよ。
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楽譜集と全く同じ曲目で発売されているCDもあります。合唱の範唱の他に、ピアノ伴奏のみの曲も入っているので、とても使いやすいです。
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合唱曲『大切なもの』歌い方のコツとポイント【混声三部合唱編】中学生向け
1番:Aメロのコツとポイント
先ずはしっとりとした前奏をじっくりと聴いて、心を落ち着かせましょう。同声二部版のところでも書きましたが、合唱曲の雰囲気に気持ちをのめり込ませていくことはとても大事です。前奏を聴いて合唱曲の世界に入り、歌う心の準備を整えてください。
前奏が終わると「空に光る星を 君とかぞえた夜」とAメロが始まります。ここはソプラノ、アルト、男声パートのユニゾンです。ボリュームはメゾピアノですから、声量を抑えて優しく歌ってください。抑える部分も作らないと、盛り上げる部分でメリハリが曲につきません。
1番:Bメロのコツとポイント
「あれから いくつもの 季節越えて」の部分からBメロが始まります。強弱記号はメゾフォルテですから、声量を上げて曲を盛り上げていきましょう。
また、この部分から掛け合いが始まります。ソプラノとアルトはほぼユニゾンです。掛け合いを担当するのは男声パートになります。男声パートの掛け合いの出だしが拍の頭を外しているので、ちょっとタイミングが取りにくいです。
また、「越えて」の部分で全パートのタイミングがいきなり一緒になりますので男声パートがもたつきやすくなっています。ここのリズム取りは重点的に練習したいところです。男声パートはこの部分の練習に力を入れましょう。
「時を過ごし」の部分ではハモリの男性パートが音量を上げて、ハモり感を表現してください。そうすることで、合唱曲に緊迫感が生まれて鳥肌ものになります。Bメロは男声パートが合唱曲の成否のポイントを握りますよ!
「忘れることはない」の部分はクレッシェンドです。声量をだんだん大きくしながら盛り上げていき、サビへの布石としましょう。アルトが裏でハモっていますが、ここは出すぎないように気を付けてください。ソプラノと男声パートで盛り上げていきたいところです。
1番:サビのコツとポイント
「大切なものに」からがサビになります。題名と同じ歌詞の部分で、この『大切なもの』という合唱曲の一番の聴かせどころです。最大声量で見せ場を作ってください。ハモリも綺麗に響かせたい部分です。音取りの練習をしっかりとしておきましょう。同じ音から別の音に各パートが別れていくので、それほど音取りは難しくない部分ですが、その分きっちり決めたいところです。
特に「も」のハモりが美しいので、この部分をしっかり響かせましょう。また、男声パートは一瞬だけ音程がすごく下がる部分があります。音取りも重要ですが、地声になってしまわないように気を付けてください。
「大切なものに 気づかないぼくがいた」で盛り上げた後は、少しずつボリュームを絞っていって、柔らかい歌声で最後の「あたたかい この気持ち」を歌うようにしましょう。
合唱曲『大切なもの』はハーモニーや掛け合いがそれほど凝っている合唱曲ではありませんから、声量のコントロールで曲にメリハリをつけていく必要があります。最後に伸ばす「ち」は2拍半きっちり伸ばせるように直前のブレスも意識してくださいね。
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2番:Aメロのコツとポイント
しっとりとした間奏部分を聴いて、ここでも心を落ち着けてください。声量はまたメゾピアノに戻りますから、一度盛り上がった気持ちをちょっと抑えて2番のAメロからはまた優しく歌い出しましょう。
「くじけそうな時は 涙をこらえて」からが2番のAメロになります。基本的には1番のAメロの繰り返しですが、1番の時よりはややボリュームを上げ、「くじけそうな時は」という歌詞にシンクロする形で合唱曲に緊迫感を出しましょう。
2番:Bメロのコツとポイント
「がんばれ 負けないで そんな声が聞こえてくる」の部分からが2番のBメロになります。歌詞に力強さが出てきます。旋律は1番と同じなのでコツやポイントはほぼ同じですが、1番のBメロよりややボリュームを上げて歌詞の内容に合わせて力強さを表現してください。
先ほども書きましたが、『大切なもの』はハーモニーや掛け合いがそれほど難しい合唱曲ではありませんので、ボリュームコントロールによる表現の工夫が重要な合唱曲となっています。
2番:サビのコツとポイント
「いつか会えたなら」の部分からが2番のサビになります。1番と同じくここがこの合唱曲『大切なもの』の一番の聴かせどころになりますので、最大声量で盛り上げてくださいね。声量を確保するには直前でブレスをしっかりとるのが大事です。ここでも1番のサビよりやや声量を上げて、盛り上がりを表現したいところです。
また、2番のサビは2回繰り返されます。2回目の「大切なものに」がこの合唱曲で一番盛り上がる部分です。ここが最大声量になるように頑張ってください。
特に「も」の高い部分はソプラノの技量が試されます。裏声できれいな高音を最大声量で出すことになりますので、しっかりとブレスをとって発声の準備をしておいてくださいね。ブレスが足りないと声のかすれにつながりますから気を付けてください。
最後の「大切なものを」はぐっとテンポも落とし、デクレッシェンドでボリュームも少しずつ小さくしながらしっとりと終わりましょう。特に最後に伸ばす「を」は全音符と2分音符の合計8拍です。これにフェルマータがつきますから10拍ほどは伸ばさなければなりません。ボリュームはピアニッシモと一番小さい部分です。
小さい声量で伸ばし続けるのは最大声量で伸ばし続けるより難しいです。ここでもブレスをしっかりと取っておいて、声が切れてしまわないようにしっかり10拍伸ばし切ってください。
最後を優しく小さい声量で歌うことで合唱曲にメリハリがつき、感動的に曲を締めくくることができますよ。
合唱曲『大切なもの』混声三部編の楽譜とCD
合唱曲『大切なもの』混声三部編ののおすすめの楽譜はこちらになります。こちらも作曲者の山崎朋子さんの合唱曲楽譜集になっています。混声三部編は中学生にちょうどいい音域になっています。こちらの合唱曲集の楽譜も『大切なもの』の以外にも卒業式などにおすすめの合唱曲がたくさん入っています。ちなみに曲目は同声二部編と一緒です。
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混声三部編にも楽譜集と全く同じ曲目で発売されているCDがあります。合唱の範唱の他に、ピアノ伴奏のみの曲も入っているのが嬉しいですね。
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合唱曲『大切なもの』ピアノ伴奏のコツとポイント
合唱曲『大切なもの』の伴奏は基本的には四分音符によるコード弾きがメインですので、それほど難しくないと思います。中学生のピアノ経験者であれば、ほぼ問題なく弾くことができる合唱曲だと思います。小学生でも高学年であれば練習期間をきっちり1か月以上取れば大丈夫でしょう。
その分、前奏や感想など、旋律部分を弾くところをしっかり押さえておきたいです。また、『大切なもの』という合唱曲は、声量コントロールで表現を工夫していくという特徴を持っていますから、ピアノ伴奏もそれにあわえてボリュームコントロールできるようにしたいです。
難易度があまり高くない分、表現力の方に力を入れて練習してほしいと思います。
さて、今回は小学校や中学校で人気の高い合唱曲『大切なもの』について徹底解説してきましたがいかがでしたでしょうか。山崎朋子さんの合唱曲は歌いやすいですが、ハーモニーが美しい名曲ばかりです。
校内合唱コンクールにもいいですし、歌詞の内容から考えて、卒業式にもぴったりの合唱曲だと思います。ぜひ練習を頑張って、感動的な歌声を披露してくださいね。
それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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