『時の旅人』合唱曲【歌い方のコツ徹底解説!】未来への覚悟を歌え!

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 元合唱部のあんがお送りする合唱曲シリーズ記事です。今回は小学校や中学校の合唱コンクールの合唱曲として人気の高い『時の旅人』の1曲のみを徹底解説していきます!

  • 『時の旅人』とはどんな合唱曲なの?
  • 『時の旅人』を合唱コンクールで歌うんだけど、合唱のコツやポイントは?
  • 合唱コンクールで『時の旅人』を歌って優勝したい!
  • 合唱曲『時の旅人』の合唱指導のコツやポイントは?

 などの疑問やお悩みをおもちの方に向けて記事をまとめました。『時の旅人』という合唱曲は、中学校の合唱コンクールでよく歌われる人気の高い合唱曲です。

 難しい合唱曲なのでしっかりとマスターすれば優勝・金賞を狙えますよ!今回の記事を合唱コンクールに向けての練習の参考にしてもらえると嬉しいです。

    それでは、よろしくお願いします!

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合唱曲『時の旅人』の概要

  • 作詞:深田じゅんこ
  • 作曲:橋本祥路
  • 転調が多く曲展開も目まぐるしく変わる
  • 主旋律の担当パートも入れ替えが多い
  • 難易度は、はっきり言って高いです!
  • 合唱形式:混声三部

 合唱曲『時の旅人』は中学校の校内合唱コンクールなどでよく歌われる合唱曲です。作曲者の橋本祥路さんの代表曲は他に『夢の世界を』があります。『夢の世界を』も大変有名な合唱曲ですので、聴いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 転調が非常に多く、曲展開も目まぐるしく変わるため、まずはその変化に対応していくのが練習の第一の課題となるでしょう。ちなみに調は最初はヘ長調で始まり、途中でニ短調、その後ニ長調に転調し、最後はト長調で終わるという転調の鬼のような合唱曲です。転調直後は音取りが難しいですから旋律をきっちり叩き込んでおく必要があります。また、テンポもよく変わります。

 全く別の曲を組み合わせて一つの曲にしたような合唱曲です。その難易度の高さから、完璧に仕上げれば校内合唱コンクールでは「金賞間違いなし」とも言われている名曲です。

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合唱曲『時の旅人』歌い方のコツとポイント

  合唱曲『時の旅人』は繰り返しがほとんどない曲構成になっていますので、Aメロ、Bメロ、サビなどの呼び方が適切かどうか難しいところですが、説明の便宜上Aメロなどの用語を使わせていただきます。ご了承ください。

 

Aメロのコツとポイント

 「めぐる めぐる 風」の部分からAメロが始まります。強弱記号はフォルテです。最初から強めの音量で歌ってください。インパクト勝負の部分ですので声量不足にならないようにしましょう。

 次のポイントとしては、「めぐる めぐる」と歌った後に、ためを入れて「風」と続けて歌うことです。このための部分でソプラノとアルト、男声パートの全パートがしっかりタイミングが合うように練習してください。タイミングをそろえるためには、指揮者の役割も重要になってきます。ための部分は音符的には16分休符ですが、16分休符よりは気持ち長めにためを作った方がカッコいいですよ。

 「懐かしい あの日に」の部分には軽く掛け合いが入ります。女声パートから少々遅れて男声パートが入りますが「日に」の部分で合流しますので、合流の時に各パートぴったりそろうように気を付けましょう。

 「会いに行こう」の部分の「会いに」はやや弱く、声量を抑えて入りますが「行こう」の部分で声量を上げて伸びやかに歌うようにしてください。

 繰り返しの「めぐる めぐる 風」の後、「ぼくらは 時の旅人」で掛け合いが入ります。ソプラノ主旋律でアルトと男声パートが追いかける形になりますが、この部分はタイミングは取りやすいと思います。

 

Bメロのコツとポイント

 「忘れかけていた日々」の部分からグッと曲調が暗転します。最初はアルトからの歌い出しです。声量はぐっと抑えて、悲しい雰囲気を演出してください。「すべてのものが」から全パートそろいます。この部分で声量を上げていき、クレッシェンドで力強さを出しましょう。「友達だった頃」の「友達」で最大声量になります。

 その後「だった」の「た」から弱くし始めて、「頃」の「ろ」を伸ばしながらデクレッシェンドし、余韻を残すように消えていく感じで歌ってください。

 短い部分ですが、声量コントロールでメリハリを付けて表現したい重要な部分です。

 

Cメロのコツとポイント

 「汗をぬぐって歩いた道」の部分からです。ここからはテンポが遅くなりますが、譜割りは16分音符主体になります。アルトが歌い出しを担当し、主旋律を取ります。強弱記号はピアノと弱く歌うことになっていますが、発音をはっきりさせないと、16分音符主体の細かい旋律ですので、何を言っているのか分からなくなってしまいます。声量は弱くしますが、口はしっかり開いて滑舌よく発声して歌うようにしてください。

 2回目の「汗をぬぐって歩いた道」からは男声パートがユニゾンで、ソプラノがハミングで合流してきます。ソプラノのハミングは雰囲気を作る感じにとどめ、主旋律を邪魔しない程度に声量を抑えましょう。

 この部分は次のDメロに向けて少しずつクレッシェンドしていくといいでしょう。Dメロからかなり盛り上がっていきますから、その布石を打っておきたいです。

 

Dメロのコツとポイント

  「やさしい雨にうたれ」の部分からです。ゆったりとした曲調に変化します。ブレスをしっかりとって伸びやかに歌いたいましょう。旋律もスタンダードですし、凝った掛け合いもないので割と歌いやすい部分だと思います。Cメロよりボリュームを上げて盛り上げていきましょう。

 ただし、この後にサビが控えています。サビの部分で最大声量としたいので、声量を大きくしすぎないように気を付けてください。

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サビのコツとポイント

  「今君と 未来への扉 開こう」からの部分です。出だしは男声パートの主旋律からです。ブレスをしっかりと取って準備を整え、最大声量で歌い出しましょう。

 途中からソプラノとアルトが「君と一緒に」と掛け合いに入ってきます。そのときの男声パートは「未来への扉開こう」と歌っているのですが、この部分はソプラノとアルトの「未来への扉開こう」に男声パートがつられやすくなります。気を付けましょう。ソプラノとアルトがゆったりと歌っているのに対して、男声パートがハキハキ歌っている感じになりますので、しっかりと歌い方の区別が出るようにしてください。

 

大サビのコツとポイント

  「めぐる風 めぐる想いにのって」からの部分になります。『時の旅人』はどこがサビかよく分からないくらい、様々な旋律が入り混じった合唱曲ですが、この部分が一番サビっぽい感じがすると思います。各パートとも、ブレスをしっかりとって最大声量で盛り上げましょう。

 最初はソプラノとアルトがユニゾンで主旋律を歌います。16分音符が多い旋律ですから、口をしっかり開けて発音を明瞭にハキハキと歌いましょう。早口言葉みたいになりますから、旋律の速さに発音がしっかりついていくようにしてください。

 その後男声パートが「今君と 未来への扉 開こう」とサビのところ同じ旋律で掛け合いに入ってきます。この部分のソプラノとアルトと男声パートの掛け合いは結構難しいです。タイミングが全然違いますので他のパートにつられてしまわないように気を付けてください。

 この部分はかなり合唱に慣れていないと間違いなくつられると思います。練習を重ねたけれども、どうしてもつられるようでしたら、他のパートよりもピアノ伴奏を聴いて歌うようにするとつられが解消すると思います。本当は、合唱では他のパートをしっかり聞くのも大事ですので、この方法は最終手段にしてください。

  最後の「うたおう」の部分は全パートタイミングをそろえて、伸ばす4拍はきっちり伸ばし切りましょう。直前のブレスが大事です。また、この部分だけアルトが2つに分かれて4部合唱になります。音がとても近いので音が取りにくいです。どうしても難しければアルトを分けないという選択肢もあります。でも、4部合唱にした方が鳥肌感は倍増ですから、最初からあきらめないでアルトを2つに分けて練習をスタートしてほしいです。そして、どうしても上手くいかなければトップノートの「ラ」の方だけ歌う方法に切り替えるというのがよいと思います。

 伸ばす「う」は後半の1拍ほどをデクレッシェンドさせて、少しずつ声量を下げていき、次のやわらかなハミングへスムーズにつながるようにしましょう。

 

エンディングのコツとポイント

  「ぼくらは 旅人」の部分からがエンディングです。歌い出しは男声パートが担当します。ここは柔らかい雰囲気を出すために、発声に気を付けて歌ってください。男声パートは地声になりやすいですが、しっかり裏声での発生をキープしましょう。

 声量も全体的にぐっと抑えて歌うようにしてください。ハーモニーも掛け合いもそれほど難しい部分ではありませんので、声量コントロールに意識を集中させましょう。

 終わりの3小節では更にボリュームを絞って、儚く消えるようにエンディングを決めると感動的にまとめることができますよ。

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合唱曲『時の旅人』ピアノ伴奏のコツとポイント

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 カッコいい前奏ですから、まずは前奏をきっちり決めてください。前奏の合唱が入る直前にテンポが一定でない部分があります。ここを毎回同じように弾けるようにしましょう。そうしないと合唱が入りどころで迷うことになりますから気を付けて。

 技術的には全体的に難易度はそれほど高くありません。8分音符のアルペジオとコード弾きが主体で構成された伴奏になっています。伴奏を弾くこと自体はそれほど難しくありませんので、曲の展開に合わせて表情を変えられるよう、ボリュームコントロールと表現力に力を注ぎたい合唱曲です。

 技術的に苦労するとすれば手数が増えてくるのが「今君と 未来への扉 開こう」からの部分です。テンポもアップしますのでもたつかないように、この部分を重点的に練習するといいでしょう。

  また、左手にオクターブが多い編曲になっています。オクターブが苦手な人はきっちり練習しておきましょう。

 

 さて、今回は中学校で人気の高い合唱曲『時の旅人』について徹底解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

 はっきりいってとっても難しい合唱曲ですが、歌いこなせれば校内合唱コンクールでは敵なし!だと思います。ぜひ練習に打ち込んで金賞を目指してくださいね。いえ、金賞を取っちゃいましょう!

 それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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