当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。元合唱部のあんがお送りする合唱曲シリーズ記事です。今回は中学校の合唱曲として人気の高い「ヒカリ」の1曲のみを徹底解説していきます!
- 合唱曲の「ヒカリ」ってどんな合唱曲?
- 合唱コンクールで「ヒカリ」を歌うことになったんだけど、上手に合唱して優勝をねらいたい!
- 合唱曲「ヒカリ」の歌い方のコツは?
- 「ヒカリ」の合唱指導をすることになったんだけど、指導のポイントは?
などとお考えの方に向けて記事をまとめました。合唱曲「ヒカリ」の概要や歌い方のポイント、コツなどについて詳しく解説していきますね。
合唱コンクールに向けての練習の参考にしてもらえると嬉しいです。是非完全マスターして金賞を勝ち取り、最高の合唱コンクールを実現させてください!
それでは、よろしくお願いします!
スポンサーリンク
合唱曲「ヒカリ」の概要
- 作詞:瀬戸沙織
- 作曲:松下耕
- 暗い雰囲気がとにかくカッコいい!けど難しい!
- 中学生の詩をもとにした歌詞になっています
- 4分の4拍子で始まり、途中から8分の6拍子に変拍子する
- 合唱形式:混声三部版と混声四部版が存在
「ヒカリ」は、中学校の合唱コンクールで歌われることが多い合唱曲です。明るい感じやしっとりとした雰囲気の合唱曲が多い中、ちょっと異彩を放つ暗めの雰囲気をもった合唱曲になっています。周りとちょっと違うカッコいい合唱曲を探している方にはぴったりだと思います。ただし、とっても難しい合唱曲です。繰り返し部分がほとんどありません。歌うにはたっぷり練習する覚悟が必要ですよ!
拍子もちょっと変わっていて、最初は4分の4拍子で始まりますが、Aメロが終わる「満たされない心に」の部分から8分の6拍子になります。曲の約3分の2は8分の6拍子という編曲の合唱曲になっています。
歌詞のもとになっているのが中学生の詩というのがすごいですね。あんはこんなすごい詩は書けません。8分の6拍子に変わる部分の「満たされない 心に 何もかも積み込めば 光はともるのか」の歌詞…凄味がありますね。ここまで自分を見つめることができる中学生って中々いないと思います。
スポンサーリンク
合唱曲「ヒカリ」の歌い方のコツとポイント
それでは、いよいよ合唱曲「ヒカリ」の歌い方のポイントについて解説していきます!先ほど書いたように繰り返し部分がほとんどないので、Aメロ、Bメロとしていいのか迷いますが、曲の解説の都合上使わせていただきますね。ご了承ください。
前奏~Aメロ部分のポイント
ピアノが出だしで一つ鳴った後、いきなり「枯れた大地に 独り」とハーモニーで始まります。テンポは速くはないですが、ここのタイミングと音程を外すと、せっかくのカッコいい雰囲気が台無しになってしまいます。まずは出だしの音取りとタイミング合わせをしっかりと行いましょう。指揮者の指示もはっきりと分かりやすく出す必要があります。
その後の「大地も空も 闇に 覆われた孤独」の最後の部分をハーモニーを効かせながらしっかりと伸ばしましょう。「大地も空も」はやや声量を抑え、「闇に覆われた孤独」はクレッシェンドで声量を上げ変化を付けます。そうすることで「孤独」の部分が際立ってカッコいいですよ。ソプラノは音程が高いファが出てきます。結構高いですよ!ブレス(息継ぎ)をしっかりしておかないと声がかすれますので、「闇に」と歌った後に意識して深いブレスを取っておきましょう。
「孤独~」と伸ばしていった後は少しずつボリュームを小さくしていくデクレッシェンドです。ちょっと曲調が変わる「星々はなくあるのは」の部分へスムーズにつなげてください。この部分は女声パートだけになります。グッとボリュームを抑えて曲にメリハリを付けましょう。
Bメロ部分のポイント
「満たされない心に」のBメロに入る直前に、ピアノの和音がまた前奏と同じように「ポン!」と1つ入ります。このピアノの音をきっかけとするように、曲調がまた変わります。
まず、拍子が8分の6拍子になります。かなり簡単に言うと4拍子系から3拍子系に変わると思ってください。ピアノ伴奏も流れるようなアルペジオに変わります。
ボリュームは少し抑えて歌い出すようにしましょう。ここは強すぎてはいけません。また、女声パートと男声パートで交互に主旋律を入れ替えたり、掛け合いが多くなる部分でもあります。パート練習で音取りをしっかりしておくことも大事ですが、この部分は全体練習で掛け合いのタイミングをばっちり合わせるようにしましょう。
また、自分のパートが主旋律でないときに出すぎないように、ボリュームコントロールにも気を遣ってください。
ただし、「光はともるのか 光はともるのか」の2回目の「光はともるのか」は主旋律は女声パートですが、ここは男声パートが声量をあげて、ハモリの鳥肌感を出しましょう。緊迫感のある曲調を演出できます!
その後「身体に触れる乾いた風が胸にしみた」を男性パートのみで歌った後に女声パートのみで歌う部分があります。ここも鳥肌ポイントです!「左胸の小さな灯」からの部分です。ここは声量を少し上げて、発音も一言一言を明瞭にして「小さな灯」の繊細だけれども確かに感じる力強さを表現してください。この繊細だけれど強いという感じを出せるのは女声だけです。女声パートのみなさんは出所だと自覚して気合い入れてください!
続く「絶やさぬように手をかざす」に向かってクレッシェンドで声量を上げていき、一気に盛り上げます!
サビ部分のポイント
「もしも 花々が咲き乱れ」からの部分です。ここからは曲調も少し明るくなってきます。ここははっきり言って難関です。特に男声パートが難しいでしょう。主旋律である女声パートとは完全に違う旋律を「鳥達は歌う」まで歌い続けます。
ここの男声パートは独立性が非常に高いにもかかわらず、時々ちょっとだけ主旋律と同じタイミングになったりします。パート練習で旋律をしっかり暗記して体に叩き込んでからでないと全体練習をしても合わせられないでしょう。男声パートはこの部分を重点的に練習してください。
「そんな世界が かえってきたら」からは同じタイミングになりほっと一息ですが、続く「喜びの叫びを あげよう」でクレッシェンドを効かせて盛り上げ、最後にしっかり音を伸ばさなければなりません。ブレスを深くとって、高音を出し切ってください。ソプラノパートは「叫びを」には高いソが出てきますし、最後に伸ばす「あげよう」の「う」は高いファです。かなり高いですよ。高い音は力を入れ過ぎると裏声が崩壊します。高音で声量を確保するには、適度に力を抜きつつブレスを深くしておくことがコツになります。
ラストサビのポイント
ラストサビとなる「ラララ」からの部分は女声パートと男声パートのタイミングもほぼ同じですから、今までの部分と比べればそれほど難しくないと思います。これまでの難しさを乗り越えられれば何とかなるはずです。
「ぬくもりと」の部分で少し声量を抑えてメリハリを付けた後、またクレッシェンドを効かせて盛り上げていきます。最後の「そのために」で最大声量を開放してください。しかし、この「そのために」の部分がとってもくせ者で、タイミングを合わせるのがすご~く難しいです。特に「そのために」の「め」を早めに歌い出してしまうことが多いです。「た」を伸ばす意識を忘れないでください。
ここのタイミングを合わせるには指揮者が迷いなく指示を出し、それに合唱隊がばっちり合わせる必要があります。この部分だけ繰り返し練習してもいいでしょう。指揮者もリズム感が問われますよ!しっかりと旋律のリズムを覚えてくださいね。
スポンサーリンク
合唱曲「ヒカリ」ピアノ伴奏のポイント
合唱はとっても難しい曲ですが、ピアノ伴奏は合唱ほど難易度は高くありません。8分の6拍子に変わった直後のアルペジオが手数が多く、多少テンポも速いのでこの部分の練習をしっかりしておきましょう。
また、曲調が変わる部分の「ポン!」という一発入れる和音はインパクトが必要ですから、タッチも強めに、指揮者ともしっかり合うように意識してください。
伴奏の難易度があまり高くない分、心に余裕をもって合唱をしっかり聴きながら弾き、前半のランダムっぽい部分や、合唱と掛け合いになる部分で合唱とばっちりタイミングを合わせられるようにしてください。後半はほとんどコード弾きなのでそれほど心配ないと思います。
また、合唱が声量を抑えたり上げたりと忙しいので、そのボリュームコントロールにもしっかり合わせられるよう、タッチにも気を遣いましょう。
合わせることがメインになりますので、個人練習に精を出すよりは合唱と早めに合流するか、CDなどの範唱との練習を中心にすることをおすすめします。
さて、今回は人気が高く異彩を放つ合唱曲「ヒカリ」について徹底解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
校外の本格的な合唱コンクールでも通用するような難しい合唱曲ですが、しっかりと練習すれば校内の合唱コンクールではダントツで金賞を奪取できる仕上がりになりますよ!是非完全マスターして合唱コンクール完全燃焼しちゃってください!
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
混声四部合唱編の「ヒカリ」の楽譜のご購入はこちらから。
合唱の歌い方のコツをもっと知りたい方はこちらの本がおすすめです。漫画があったり図解も豊富でとっても読みやすいですよ。
合唱指導をされることになった先生方にはこちらをおすすめします。
中学校の合唱コンクールの合唱指導に的を絞った本ならこちらです。合唱指導の基礎知識から合唱コンクールのねらい、困ったときのQ&Aまで揃っていて役に立ちます。
中学生を本気にさせる! 学級担任のための合唱コンクール指導 (中学校音楽サポートBOOKS)
- 作者: 小村聡
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2018/09/13
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
合唱関連人気記事