通信費の仕訳【簿記3級】勘定科目と取引例の解説~現金からクレジットカード払いまで

簿記3級/通信費の仕訳勘定科目と取引例の解説/現金からクレジットカード払いまで

 当ブログにお越しいただきありがとうございます。会計的お仕事女子のあんがお送りする簿記3級シリーズ記事です。今回は簿記3級でよく出題される、通信費の仕訳について練習問題を解きながら解説していきます。

  • 通信費とは何?どんな勘定科目なの?
  • 電話代やインターネット接続料金、切手代金を支払ったときの仕訳は?
  • 通信費をクレジットカードで支払ったときの仕訳はどうするの?
  • 通信費に関する仕訳の練習問題や解説はないのかな?

 などの疑問やご要望にお応えしていきます。通信費の仕訳をマスターして、簿記3級合格の階段を確実に登っていきましょう!

    それでは、よろしくお願いします。

スポンサーリンク

 

通信費とは何?どんな勘定科目?

  • 通信費とは、電話料金やインターネット接続代、郵便切手などに関する支出を計上するときに使う勘定科目。
  • 通信費は費用の勘定科目。
  • 通信費に入れていいものは、あくまでも売上を得る企業経営のために使ったものだけ。
  • 自宅兼オフィスなどの場合、通信費は自宅分とオフィス分に分け、オフィスでの使用分しか費用として計上できない。

 企業は経営活動をするために、電話やインターネット、郵便などを使用します。その店舗や事務所で使用した電話料金やインターネット接続料などを経費として計上するときに用いるのが通信費(費用)の勘定科目です。

 注意していただきたいのは、個人事業主の方で自宅兼オフィスとなっている場合です。この場合は自宅用として使われた分の通信費は確定申告などの際に経費として計上できません。

 仕事用として使用している使用時間や日数などから、通信費の営業活動分の割合を計算して費用として計上することになります。このことを按分といいます。

 どの程度按分すればいいのかは、自分で安易に判断せず、お近くの税務署や税理士の方に相談することをおすすめします。

 今回は簿記検定の解説記事として進めていきますので、按分については取り扱いませんのでご了承ください。

 

通信費の仕訳~現金払いや口座引き落としの取引例と解説

 では、通信費の仕訳について、取引例を解説しながら見ていきましょう。

通信費を現金で支払ったときの取引例と仕訳

取引の例:事務所の電話料金¥40,000とインターネット接続料金¥10,000、従業員に営業用として支給している携帯電話料金¥20,000を現金で支払った。

仕訳の手順①:現金で支払っていますので、現金(資産)の減少です。資産の減少ですから、現金(資産)を貸方に仕訳します。このとき、電話料金¥40,000、インターネット接続料金¥18,000、携帯電話料金¥20,000は合計しましょう。

(     )       (現   金)70,000

仕訳の手順②:電話料金、インターネット接続料金、携帯電話料金はすべて通信費(費用)です。費用の発生ですから、通信費(費用)を借方に仕訳します。

(通 信 費)70,000 (現   金)70,000

 仕訳は自分が分かりやすいほうから切るのがポイントです。最初に現金(資産)の減少で貸方に仕訳するより、先に通信費(費用)の発生で借方に仕訳する方が分かりやすいときは、通信費(費用)の方から仕訳しましょう。

 どっちが借方でどっちが貸方か確認したいかたはこちらの記事で分かりやすく解説していますので、どうぞご覧ください。

www.music-an.com

通信費を銀行口座引き落としで支払ったときの仕訳

 次に、 通信費を普通預金口座からの引き落としで支払った場合の取引例で仕訳を見てみましょう。

取引の例:事務所の電話料金¥40,000とインターネット接続料金¥10,000、従業員に営業用として支給している携帯電話料金¥20,000が普通預金口座から引き落とされた。

仕訳の手順①:普通預金口座からの引き落としになっていますので、普通預金(資産)の減少です。資産の減少ですから、普通預金(資産)を貸方に仕訳します。このとき、電話料金¥40,000とインターネット接続料金¥10,000、携帯電話料金¥20,000は合計します。

(     )    (普通 預金)70,000

仕訳の手順②:電話料金、インターネット接続料金、営業用携帯電話料金はすべて通信費(費用)です。費用の発生ですから、通信費(費用)を借方に仕訳します。

(通 信 費)70,000 (普通 預金)70,000

 

 大切なことなので繰り返し言いますが、仕訳は自分が分かりやすいほうから切るのがポイントです。最初に普通預金(資産)の減少で貸方に仕訳するより、先に通信費(費用)の発生で借方に仕訳する方が分かりやすいときは、通信費(費用)の方から仕訳してください。

 

通信費の仕訳~クレジットカード支払の取引例と解説

 最近は、電話料金やインターネット接続料金などの通信費を、クレジットカードによる支払いにする方も増えてきたと思います。事業用のクレジットカードをお持ちの方もきっといらっしゃるでしょう。

 そこで、クレジットカード支払による通信費の仕訳について解説していきます。

  • 通信費をクレジットカードで支払ったときは、相手勘定を未払金勘定で計上。
  • 未払金勘定は後日支払いを行う義務なので負債の勘定科目
  • 通信費が後日、銀行口座から引き落とされたときに、未払金(負債)を打ち消す仕訳をする。

 要点をまとめると上記の3点になります。クレジットカード支払いのときには、実際の支払いは後日となります。クレジットカード払いをしたときには、現金はまだ動きませんので、現金(資産)や普通預金(資産)などの勘定科目は使わずに、未払金勘定(負債)を用いて仕訳をします。

 

通信費をクレジットカードで支払ったときの仕訳

 では、通信費(費用)をクレジットカードで支払ったときの仕訳を取引例を解説しながら見ていきましょう。

取引の例:事務所の電話料金¥40,000とインターネット接続料金¥10,000、従業員に営業用として支給している携帯電話料金¥20,000をクレジットカード払いで支払った。

仕訳の手順①:クレジットカードで支払ですから、まだ実際に代金を支払ったわけではありません。そこで未払金勘定(負債)の増加として仕訳します。負債の増加ですから、未払金(負債)を貸方に仕訳します。このとき、電話料金¥40,000とインターネット接続料金¥10,000、従業員に営業用として支給している携帯電話料金¥20,000は合算してください。

(     )    (未 払 金)70,000

仕訳の手順②:電話料金、インターネット接続料金、携帯電話料金はすべて通信費(費用)です。費用の発生ですから、通信費(費用)を借方に仕訳します。

(通 信 費)70,000 (未 払 金)70,000

 この場合でも通信費(費用)の方から仕訳を切った方が分かりやすいときは、未払金(負債)から仕訳をせず、通信費(費用)の方から仕訳をしましょう。特に未払金(負債)を使うことをすぐに思いつかないときは、通信費(費用)の方から仕訳をした方がいいでしょう。

 注意する点は、仕訳を切る日付はクレジットカード払いの請求書が届いた日ではなく、請求書に記載されているそれぞれの通信費の決済日で仕訳をしなければならないということです。

 ですから、電話料金やインターネット接続料金、携帯電話料金の決済日が違うときには分けて仕訳をしなければなりませんのでご注意ください。

 

クレジットカードで支払った通信費が銀行口座から引き落とされたときの仕訳

取引の例:上記のクレジットカードで支払った電話料金¥40,000とインターネット接続料金¥10,000、従業員に営業用として支給している携帯電話料金¥20,000が普通預金口座から引き落とされた。

仕訳の手順①:まずは、普通預金口座からの引き落としですから、普通預金(資産)の減少です。資産の減少ですから、普通預金(資産)を貸方に仕訳します。

(     )    (普通 預金)70,000

仕訳の手順②:電話料金、インターネット接続料金、携帯電話料金などの通信費(費用)はすでに計上済みです。通信費(費用)は未払金(負債)を相手勘定で仕訳していますから、普通預金口座から支払われることで、未払金(負債)が減少します。負債の減少ですから、未払金(負債)を借方に仕訳します。

(未 払 金)70,000 (普通 預金)70,000

 普通預金(資産)で支払いをすることで、未払となっていた通信費が実際に支払われて、未払金(負債)が消えると考えると分かりやすいですよ。未払金(負債)を使わずに間違って通信費(費用)を二重計上しないように気を付けてください。

 使用しているクレジットカードが1枚の場合は引き落とし日がすべて同じ日になりますから、未払金の減少の仕訳は1回で済みますが、数種類のクレジットカードを使用している場合で引き落とし日が異なる場合は、引き落とされた日ごとに仕訳をすることになりますのでご注意ください。

 資産や負債、費用、収益の増減で借方になるか、貸方になるのかを再確認したい方はこちらの記事をどうぞご覧ください。仕訳の基本なので重要です!

www.music-an.com

 

通信費の仕訳や勘定科目のまとめ

  • 通信費とは、電話料金やインターネット接続代、郵便切手などに関する支出を計上するときに使う勘定科目。
  • 通信費は費用の勘定科目なので発生したときは借方に仕訳。
  • 通信費をクレジットカードで支払ったときは相手勘定を未払金勘定で計上。
  • 未払金勘定は後日支払いを行う義務なので負債の勘定科目
  • クレジットカード払いの時、通信費が後日銀行口座から引き落とされたら、未払金(負債)を打ち消す仕訳をする。

 さて、今回は簿記でよく出題される通信費の取引と仕訳についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 ところで、簿記資格を生かして会計や経理の仕事に正社員として就職するには、簿記2級以上の取得が必須です。簿記2級の難易度を考えると、独学ではなく簿記3級から通信講座でしっかりと基礎固めをしましょう。

また確実に簿記3級を取得したい方も、通信講座を利用をおすすめします。

 私も通信講座で簿記3級と2級を取得しました。メールで質問ができたりスマホやパソコン、DVDなどで講義の動画を見れます。講義の動画は繰り返し何度も見れるので、通学講座より通信講座の方がおすすめです。

 簿記通信講座の徹底比較記事もありますので、どうぞご覧ください。

www.music-an.com

 それでは、簿記検定の試験勉強頑張ってください!無事に簿記3級の試験を突破されることを祈っております。そして、ぜひ簿記2級まで取得して経理としてのキャリアアップを果たして下さいね。

 それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

簿記関連人気記事

www.music-an.com

www.music-an.com

www.music-an.com