会計的お仕事女子のあんがお送りする簿記資格シリーズ記事です。簿記資格取得を目指す方は、お仕事、就職や転職に生かそうと考えている方がほとんどですよね。そんな場合…
- 日商簿記3級は就職や転職に本当に役立つの?
- 日商簿記2級や1級をもっていればどんな仕事に就職できるのかな?
- 日商簿記の何級をもっていれば就職活動は有利になる?
- 日商簿記の資格をもっていれば正社員に就職できる?
- 日商簿記1級、2級、3級を生かせる仕事や就職先は?
などのようなことが大変気になるかと思います。そこで今回は私の簿記資格受験の経験や転職経験などをもとにして、詳しく解説していきます。私は日商簿記3級と2級をとって他の職種から経理の正社員へ転職しましたので、信頼性の高いお話ができるかと思います。
簿記の資格をどのように生かして就職や転職活動をすればいいのか、分かりやすいように級別にまとめました。今回の記事を参考にして、簿記資格を取得し、キャリアアップや就職、転職、再就職などを果たしてください!
それでは、よろしくお願いいたします。
- 簿記で就職や転職活動が有利になるのは日商簿記だけ
- 簿記が就職や転職で有利になる仕事や業種
- 就職に生かすため簿記は何級まで取るべきか?
- 就職や転職のとき簿記資格のアピールの仕方
- 簿記検定が想定している企業規模から有利になる就職・転職先を考える
- 日商簿記3級で就職・転職できる仕事
- 日商簿記2級で就職・転職できる仕事
- 日商簿記1級で就職・転職できる仕事
- 簿記で就職・転職できる仕事のまとめ
- 簿記関連人気記事
簿記で就職や転職活動が有利になるのは日商簿記だけ
簿記検定の種類
詳しい解説の前にいくつか注意事項です。簿記資格の種類は実は1種類ではありません。試験の主催団体によって簿記資格は以下の3種類があります。
- 日商簿記…日本商工会議所が主催
- 全商簿記…公益財団法人全国商業高等学校協会が主催
- 全経簿記…公益社団法人全国経理教育協会が主催
簿記検定の種類による受験者と就職求人の実態
- 日商簿記…社会人や大学生
- 全商簿記…商業高校の生徒
- 全経簿記…専門学校の生徒
以上のように簿記検定の種類によって受験する主な受験者が違います。日商簿記は知名度も高く、受験者も社会人や大学生となっています。つまり、日商簿記検定は就職活動を有利にするために受験する方が多いのです。
全商簿記や全経簿記は、学生の方が簿記の勉強の定着度を確認するために利用される簿記検定です。就職活動のための簿記ではないと考えてください。
そのため、簿記資格を必要とする経理や会計職の就職求人も、日商簿記検定保持者を指名してくる場合がほとんどです。全商簿記や全経簿記が就職の条件に指定されることは全くと言っていいほどありません。
簿記検定の種類による合格率と難易度
- 日商簿記検定2級の合格率:15~20%前後
- 全経簿記検定2級の合格率:60~90%
- 全商簿記検定2級の合格率:60%前後
また、日商簿記検定が就職に有利とされるのはその難しさも要因の一つです。ご覧のように同じ2級でも合格率が全然違います。
日商簿記検定は難易度が高い分、「合格者には相応の実力がある」と信頼されるということです。就職や転職に生かすために簿記資格取得を考えている方は絶対に日商簿記にしましょう。注意してくださいね。
簿記が就職や転職で有利になる仕事や業種
次に簿記の資格が就職や転職の際に有利になる仕事や業種をざっとですが見てみましょう。
- 一般事務
- 企業の経理部門
- 会計事務所
- 税理士事務所
- 営業職
- 製造業
- 金融
- 商社
- コンサルティング会社
どうでしょう?予想より多いのではないでしょうか。簿記と聞くと、会計関係の仕事への就職が真っ先に浮かぶかと思いますが、簿記の資格を持っていると企業の財政状況が数値で分かるようになるため、簿記の資格が就職や転職に役に立つ仕事は意外と幅広くなります。
簿記の資格をもっていると、「取引先の財務諸表を読むことができる」「自分の会社がどのような状態か把握できる」など、簿記の知識は業種・業界に関係なく、あらゆるビジネスシーンで役立ちます。
取引先の財務諸表を読むことができれば、それを材料に取引先に合わせて営業をかけることができます。金融関係の仕事であれば融資をするかどうかの判断にも生かせます。財務状況を読めますのでコンサルティング的な業務も可能です。
また、簿記2級では工業製品の原価を計算する工業簿記も学びますので、製造業に就職して原価計算などを行う仕事に就くこともできるでしょう。
このように幅広く就職や転職に役立つ簿記の資格ですが、簿記の資格を取って就職や転職を目指す方は、経理などの会計関係への就職や転職を目指す方が多いのではないでしょうか。もちろん、大学生の就職活動でも、簿記資格を取得しておくと就職後に経理などの管理部門へ配属される可能性は高くなります。
就職に生かすため簿記は何級まで取るべきか?
- 一般事務や営業職なら日商簿記3級まで
- 経理や会計事務所などへの就職を目指すなら日商簿記2級まで
- 経理部などの管理部門の管理職を目指すなら日商簿記1級まで
簿記取得を目指す方は、就職で生かしたいわけですから、何級までとればいいというのは気になりますよね。正直言って経理などと関係のない職種を目指すのであれば、日商簿記3級で十分かと思います。日商簿記3級だけでも財務諸表などは読めるようになりますからね。
ただし、経理や会計事務所、税理士事務所などを目指す方は日商簿記2級が求人条件になるところが多いですから、最低でも日商簿記2級までは取得しておきましょう。その後経理部門の管理職へのキャリアアップを考えている方は日商簿記1級や、税理士試験の科目合格まで視野に入れておいた方がいいでしょう。
ところで、簿記資格取得の前に就職活動の準備として、あらかじめ何級の日商簿記資格をもっていることが就職の条件になるかなど、現在のリアルタイムな求人動向を調べておきたい方はリクナビNEXTやミイダスというサイトがおすすめです。
私も現在の経理正社員への就職活動をするときに使いました。登録は無料ですので使っておかないと損ですよ。
就職や転職のとき簿記資格のアピールの仕方
- 簿記資格を取得したことは熱意の表れとしてアピール
- 資格を取得したことで会計知識があるということは控えめに
- 会計知識や経理の業務については先輩方から学んでいくという姿勢を見せる
簿記資格を取得して就職や転職活動をするときに、気を付けなければならないのが簿記資格のアピールの仕方です。
資格をとった側から考えると、資格のある分、簿記や会計に関する知識があることを主張したいですが、これはかえって逆効果になることが多いです。簿記資格の取得は、あくまでも経理分野や会計分野に興味が高いということと、そのことへの熱意の表れとしてアピールしましょう。
採用する側から考えると、たいした経験もないのに知識だけひけらかす人はあまり採用したくありませんよね。同じような会計処理でも、会社によってどう処理するか、採取的な結果は同じでも、細かい部分や手順については多少の違いはあるものです。そのときに「簿記資格ではこうなっているからこうすべき!」と主張する方は、周りとの協調性やコミュニケーション能力について疑問をもたれます。
先輩方の中には簿記資格は持っていなくても、実務経験を積んでいく中で専門的な会計知識を積み上げていった方々も多くいるはずです。そのような方々から見れば、簿記資格を持っていることをアピールしすぎるのは「こいつ生意気だな」と思われる原因を作ってしまいます。
簿記資格の取得は、あくまでも計部門や会計分野への熱意の表れとしてアピールし、採用後に先輩方から学んでいくという謙虚な姿勢を見せましょう。
簿記検定が想定している企業規模から有利になる就職・転職先を考える
では、簿記の資格がどのような規模の企業に求められるのかをご紹介していきたいと思います。日商簿記は1級、2級、3級とありますが、それぞれの簿記の資格がどの程度の企業規模を想定しているかを先ずは知っておきましょう。
そうすることで、自分が就職や転職したい企業の規模から、簿記を何級まで取っておいた方がいいのかの予想することができます。
日商簿記3級は小規模株式会社
日商簿記3級が想定している企業規模は小規模の株式会社です。以前は走的事業規模は個人事業主でしたが実務重視の新傾向が採用され、個人事業主から小規模株式会社へと変更になりました。
小規模株式会社なので、仕訳という日常的なお金に関する企業活動の記録と簡単な決算書類の作成がメインとなります。
簿記3級での出題科目は商業簿記の1科目だけになっています。
日商簿記2級は中規模株式企業
簿記2級は中規模企業での経理業務を想定しています。また、簿記2級には簿記3級の学習内容に加えて、株式に関する業務や連結決算時の業務などについての学習が加わります。更に、簿記3級との大きな違いに、工業簿記という分野が入ってきます。
工業簿記は製造メーカーが製品を作るときの原価計算をするものです。原価が分かると利益もはっきりしますよね。簿記2級の原価計算はそれほど難しくないですが、簿記2級の試験を突破するときにも、この原価計算が出来るかどうかが大きなポイントとなります。
製造業への就職希望で原価計算などをする仕事に就きたいと考えている方は簿記2級を取得しておいて損はないはずです。
また先ほど少し触れたように、新傾向の問題として、簿記2級でも1級対象であった連結決算の分野が一部降りてきました。中規模の企業でもグループ企業化しているところもありますしね。実務重視の傾向がより強まったと言えるでしょう。はっきり言って簿記2級は問題がかなり難しくなってきています。
簿記2級の想定企業規模が中規模の株式会社ですから、簿記を生かしてある程度大きな企業の経理正社員への就職や転職を考えるなら簿記2級まで取得しておくことをおすすめします。簿記2級まで取得するなら、独学より通信講座を利用して簿記3級からしっかり基礎固めをしたほうがいいですよ。
簿記2級の難易度を甘く見てはいけません。しかし、計画的に学習を続け、継続的に努力できる方ならほぼ確実に取得できる資格でもあります。
簿記の通信講座の徹底比較記事もありますのでどうぞご覧ください。
日商簿記1級は東証1部上場のような大企業
簿記1級になると想定する企業は上場企業のような大企業です。簿記2級までの決算処理は基本的に1社内のみでの決算業務か簡単な連結決算の知識が一部問われる程度ですが、簿記1級になると、グループ会社全体の決算処理を行う連結決算業務に関する問題も本格的に入ってきます。
子会社を多く持つ企業などの経理業務が対象となってくるわけです。簿記1級の出題科目は、商業簿記・工業簿記・会計学・原価計算の4科目です。2級とは比べものにならないほど難しい内容になってきます。
また、外貨換算会計と言って、海外の企業との取引も視野に入れた問題も出題されます。簿記1級だと企業規模がかなり大きくなりますね。
東証一部上場企業など、大企業の経理正社員への就職を狙っている方は、簿記1級まで取得しておくとかなり安心だと思います。
日商簿記3級で就職・転職できる仕事
- 中小企業の経理補助職
- 大企業の経理補助職(派遣社員)
日商簿記3級は小規模株式会社を想定していますので、中小企業の経理への就職や転職が考えられます。
ただし、日商簿記3級で大企業への経理補助職に就職するには派遣社員での就職となる求人がほとんどです。実際にリクナビNEXTなどで経理の就職求人を調べてみると、簿記3級で募集しているのは派遣の就職求人が多いのが分かるはずです。
しかし、経理などの会計職は実務で経験を積んでいった方が重宝されます。会計のお仕事はいつも試験のように決まったことばかりではありませんからね。イレギュラーももちろん発生します。そのようなときの対応を学ぶには資格を持ちつつ現場で経験を積むことも大切です。
ですから、簿記3級をとって派遣で就職して実務経験を積み、簿記2級を取得してから正社員として就職するというのはいい転職方法なのです。派遣社員であれば簿記3級でも大企業への就職が狙えますからね。
日商簿記3級所持が条件で経理未経験OKの求人例
それでは、日商簿記3級保持が条件で、経理未経験歓迎という求人例を見てみましょう。
仕事内容
- 入出金管理
- 月次決算
- ファイリング
- 電話・来客応対など
勤務条件
- 勤務地:関西
- 勤務時間:08 : 50 ~ 17 : 30(残業月10~15時間程度)
- 時給:1,200円 月収約20万円(直接雇用後年収約330万円、賞与あり)
- 雇用形態:紹介予定派遣
- 各種手当:通勤手当、時間外手当
- 各種保険:健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険
- 休日:土日祝
日商簿記3級所持条件の派遣ですと、このような感じの求人が多いです。業務は経理としてはそれほど負担の多くない内容になっています。紹介予定派遣ですので、派遣期間を一定期間経たのち、勤務成績次第で正社員へ登用されます。
ちなみに、各種手当や社会保険は派遣期間中は派遣会社のものになっています。正式に直接雇用になった後は雇用された会社からの各種手当と保険になります。
残業もそれほど多くないので、働きながら日商簿記2級などの上位資格を目指すにはちょうどいい業務量だと思います。更に負担を減らしたいのであれば紹介予定派遣でなく一般派遣の求人を選ぶといいでしょう。
日商簿記3級から派遣社員で就職して経理の実務経験を積み、キャリアアップを考えている方は、テンプスタッフという派遣会社がいいですよ。テンプスタッフのいいところは…
- 約7,000企業から10,000件の求人数。
- 求人企業は大手からベンチャーまでと幅広く、職種も豊富。
- 未経験からチャレンジできる仕事も多数。
- 健康保険、厚生年金、雇用保険など各種の社会保険制度あり。
- 健康診断や有給休暇制度もある。
- スキルに不安がある方や、スキルアップを図りたい方のために実務に即したオリジナル講座も開催。
などと、経理未経験者に嬉しいメリットが多いのが特徴です。最大手の派遣会社で求人数も多いですから、登録しておけば派遣先を探すのには困らないでしょう。
また、経理事務に絞って好条件の求人を探している方は、マイナビスタッフという派遣会社もおすすめです。マイナビスタッフの特徴は…
- マイナビ転職などマイナビが長年かけて開拓してきた、大手・有名・優良企業のお仕事が多数。
- 経験豊富なキャリアアドバイザーが転職活動をサポートしてくれる。
- 事務系の求人が40%以上と、経理事務を考える方に最適。
- 労災保険、雇用保険、社会保険、有給休暇などが充実している。
- 求人数は約2500~3000件程度
となっています。一番のメリットは、転職や就職業界最大手の強みを生かした大手企業への太いつながりです。経理などの事務系の仕事で大手企業への派遣をねらう方は絶対に登録しておくべきです。
唯一のデメリットは求人数が少ないところでしょう。最大手のテンプスタッフの求人数は約7,000~10,000件ほどとなっています。好条件や自分に合った派遣先を見つけるためには、テンプスタッフと併用して登録しておくのがベストです。
ちなみに、経理事務に派遣で就職するメリットやデメリットについてまとめた記事がありますので、良かったらご覧ください。
日商簿記2級で就職・転職できる仕事
- 中小企業の経理や会計職(正社員)
- グループ企業化していない大企業の経理職(正社員)
- 税理士や公認会計士の会計事務所(正社員)
簿記2級の想定している企業規模は中規模中小企業です。ですから、中小企業の経理職への就職を狙っていくといいでしょう。
ただし、就職や転職では実務経験者の方が優遇されますから、簿記3級を取って派遣で実務経験を積んでおくのはやはり必要かなと思います。
しかし、転職サイトに登録して調べてみると、未経験歓迎で簿記2級をもっていれば経理職(正社員)への応募はOKという企業があるのも事実です。
なかでも特に、グループ企業化はしておらず、知名度がそれほど高くないが、販売や製造のシェアが高い中規模~大企業の正社員経理職はおすすめです。グループ企業化していないので、連結決算業務がそれほど煩雑ではありませんから簿記2級でも対応可能です。また、このような企業は本業の経営状態が良好な場合が多いですから、就職や転職先としてはかなりおすすめとなります。
また、日商簿記2級所持の条件でよく就職や転職の求人を見かけるのが、税理士や公認会計士の事務所の会計事務です。税理士事務所や会計事務所へは日商簿記2級を持っていれば未経験で会計補助職として就職できるところがけっこうあります。
簿記は税理士や公認会計士への登竜門でもありますから、最終的に税理士や公認会計士を目指す方は税理士事務所や会計事務所に就職や転職するのもいいでしょう。
実務経験を積みながら税理士や公認会計士を目指すことができます。ただし、税理士と公認会計士の試験はかなり難関ですから、覚悟は必要です。
ちなみに、私の上司は税理士事務所から転職してきた方です。他の会社の経理仲間に聞いても、上司は税理士事務所や会計事務所出身というパターンが多いです。
経理事務員として将来経理部長などの管理職を目指すなら、税理士事務所や会計事務所に就職するのもおすすめです。
日商簿記2級所持が条件で経理未経験OKの求人例~一般企業編
それでは、日商簿記2級保持が条件で、経理未経験歓迎、一般企業の正社員という求人例を見てみましょう。
仕事内容
- 原価計算
- 月次~年次決算
- 経費の仕訳・清算
- 出納管理・記帳業務
- レポート資料作成
- 給与計算業務
※入社直後は上記の業務のうち1つを担当し、その後拡大。
勤務条件
- 勤務地:関東
- 勤務時間:08 : 00 ~ 16 : 45(残業月20時間程度)
- 年収:300~500万円
- 雇用形態:正社員
- 賞与:年2回
- 各種手当:通勤手当、扶養手当、時間外手当
- 各種保険:健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険
- 休日:週休2日制、夏季休暇、年末年始休暇
日商簿記2級所持条件で、一般企業で経理未経験からの正社員への就職の場合は、年収は400万円あたりの求人が多いです。しかし、ご覧のようにバリバリ働く感じではありません。残業が少ない求人が多いのが特徴になります。
特に「年収よりも自分の時間が大事」という方は一般企業の経理正社員への就職を目指すのがいいでしょう。
日商簿記2級所持が条件で経理未経験OKの求人例~会計・税理士事務所編
次に、日商簿記2級保持が条件で、経理未経験歓迎、会計・税理士事務所の正社員の求人例を見てみましょう。
仕事内容
- 税務会計業務全般
- 税理士補助記帳
- 会計データの入力
- 会計事務所での仕事の流れを把握後、先輩社員などと同行しながら顧客訪問
勤務条件
- 勤務地:関東
- 勤務時間:9 : 00 ~ 18 : 00(残業月40時間程度)
- 年収:400~600万円
- 雇用形態:正社員
- 賞与:年2回
- 各種手当:通勤手当、扶養手当、時間外手当、資格手当
- 各種保険:健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険
- 休日:完全週休2日制、年末年始休暇、有給休暇、慶弔休暇
雇用条件
- 試用期間3か月
- 職務経験不問
- 日商簿記2級必須
こちらの求人例も一般的な転職サイトのものです。先ほどの一般企業経理事務よりも残業時間が多くなっています。また、顧客の訪問業務もありますので一般企業経理事務よりも忙しくなるでしょう。
その分、その企業の会計コンサル的な業務や決算業務などに多数かかわれるので、経験はより多く積むことができます。
将来は経理部長などの管理職転職を目指すなど「自分の時間よりもキャリアップを優先したい」という方は、会計事務所や税理士事務所への就職を目指すといいでしょう。試用期間はありますが、職務経験不問というところが多いのも、会計事務所や税理士事務所の求人の特徴の一つです。
一般的な求人サイトの求人例を見てきましたが、日商簿記2級以上を既にお持ちの方や、これから日商簿記2級以上を取得予定の方で「一般的な求人サイトよりもっとよい条件の求人を探したい」という方はマイナビエージェントという転職エージェントがおすすめです。
一般的な転職サイトと違い、転職エージェントは担当者が公開されていない求人から自分の条件に合うよりよい求人を探して提案してくれます。マイナビエージェントの特徴は…
- 業界大手の安心感と求人数の多さ
- 自分で求人を探さなくても自分に合った求人を提案してくれる。
- 経理を中心とした管理部門の専任チームがある
- 経理業務を理解した専任チームが経理特有の転職時期やアピールポイントなどをサポートしてくれる
といった大手の強みと専任チームによる職種特化エージェントの両方のいい面を持っているところです。
大手の強みを生かし求人数も多いので、経理未経験者にも親身に対応してくれます。日商簿記2級で経理(正社員)の就職や転職を考えている方は、登録必須の転職エージェントです。
日商簿記3級・2級取得後に正社員を目指す就職、転職計画の例
では次に、一般的な就職や転職活動で、日商簿記3級と2級取得後のキャリアップ計画の代表的な例を見てみましょう。
- 簿記3級を取って派遣社員の経理として就職
- 実務経験を積みながら簿記2級を取得して正社員に転職
- または簿記2級まで取得してから税理士事務所や会計事務所、派遣社員の経理で実務経験を積む
- その後一般企業の経理職へ正社員として転職
- さらに税理士資格を取得して税理士事務所に就職、または独立
税理士事務所や会計事務所に就職するメリットは、経理や会計関係の仕事しか扱わないところです。特に帳簿整理だけでなく決算業務に多く関わることができますから、かなり経理職としての実力が上がります。
ただし、会計事務所や税理士事務所は激務のところが多いので、実務経験を積むためにある程度の期間だけと割り切って就職したほうがよいでしょう。しかし、税理士事務所で頑張れるようならば、税理士資格を取得して独立を目指したり、企業の経理部長などへの管理職転職という道も開けてきます。
時間的に余裕をもちながら実務経験を積みたいのであれば、派遣社員での就職の方がいいと思います。私の場合は日商簿記3級取得後に派遣社員で経理の仕事に就職し、仕事をしながら日商簿記2級を取得。その後、規模が大きめの企業の経理正社員へ転職という道を進みました。
大学生が就職活動で日商簿記2級を生かしたい場合
また大学生の方の就職活動のために簿記検定取得を考えている方で、ある程度大きな規模の企業への就職活動を考えている方も、日商簿記2級まで取得しておくべきです。大企業の中には新卒採用後の社員全員に日商簿記2級取得を義務付けている企業もあるぐらいです。
就職前に日商簿記2級を取っておいたというのは就職活動で熱意もアピールできますし、就職後の将来のことを考えて日商簿記2級を取っておいたことを強調すれば、誠実性や計画性もアピールできるでしょう。特に、就職後に総務や経理などの管理部門に配属されたいと考えている大学生は日商簿記2級以上の取得は必須です。
日商簿記1級で就職・転職できる仕事
- 上場企業の会計職や将来の会計管理職候補
- 税理士を目指し独立開業への第1歩
日商簿記1級資格保持者を対象とした就職や転職求人の多くは、上場企業の経理職や会計職になります。
しかし、ここでも就職・転職には実務経験を求められることが多いです。特に日商簿記1級所持の場合は、子会社を持つ大企業が求人をしていることが多いですから、連結決算処理の実務経験がある方が重宝されます。
日商簿記2級まで取り、中小企業や会計事務所、税理士事務所で経験を積んでいきながら日商簿記1級を取得。その後、子会社もあるような中小企業で連結決算の実務経験もして大企業への転職を目指すというのが理想的な転職やキャリアアップ計画になるでしょう。
さらに、日商簿記1級は税理士試験の受験要件にもなっています。(大学の専攻によっては例外あり)税理士になり独立を目指す方は、日商簿記1級までの取得も視野に入れておきましょう。
日商簿記1級所持が条件の求人例
それでは、日商簿記1級保持が条件の求人例を見てみましょう。
企業規模
- JASDAQ上場
役職
- 主任・係長級
仕事内容
- 主計業務(月次、年次)
- 連結決算
- 税務申告
- 開示資料作成
- 監査法人対応経理(決算業務)
勤務条件
- 勤務地:東京都23区内
- 勤務時間:9 : 00 ~ 18 : 00(残業月30時間未満)
- 年収:600~800万円
- 雇用形態:正社員
- 賞与:年2回
- 各種手当:通勤手当、扶養手当、時間外手当
- 各種保険:健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険
- 福利厚生:寮、社宅、家賃、住宅補助
- 休日:完全週休2日制(土・日)、夏季休暇、年末年始休暇、有給休暇、慶弔休暇、産休育休
仕事の内容も連結決算や税務申告、監査法人対応など、日商簿記2級保持者の求人と比べてもかなり、日商簿記1級保持者が条件となる求人は専門性が高くなってくるのが分かるかと思います。その分、役職は主任・係長級です。将来の管理職候補ということになるでしょう。
年収も600~800万円とかなり高いですよね。企業規模もJASDAQ上場企業となっています。経験者優遇の求人となっていますが、日商簿記1級保持者であれば未経験も求人に応募可能というところも見逃せません。
日商簿記1級の資格としての魅力が分かる求人内容だと思います。
日商簿記1級をすでにお持ちの方や経理実務経験のある方は、先ほどもご紹介したマイナビエージェントという転職エージェントがおすすめです。求人数の多さという大手の強みと会計・管理部門転職の専任チームのある転職エージェントですから、日商簿記1級保持者や経理実務経験者のように、専門性の高い転職要望にもスムーズに対応してくれます。
マイナビという大手の強みもあって求人数も多いので、日商簿記1級所持者で経理(正社員)の就職や転職を考えている方は、絶対に登録しておくべき転職エージェントです。
また、経理職への就職は年齢が上がってくると実務経験無しでは厳しくなってきますが、「簿記1級をもっていれば、未経験で多少年齢が高くても派遣でなら就職先に困らない」とも言われています。難関資格ではありますが、定年後の再就職を考えている方は簿記1級まで目指してみるのも手です。
以上のように実務経験者が重宝される経理職ですが、未経験でもOKという求人も一定数は必ずあります。先ずは日商簿記3級や2級を取得して就職や転職活動に備えましょう。
また、先ほど少々お話したように転職サイトなどに登録して、求人情報を探っておくのも大事です。私はリクナビNEXTというサイトを利用しました。リクナビNEXTのいいところは…
- 転職求人サイト最大手の膨大な求人数
- リクナビNEXTだけの限定求人が約85%
- スカウト登録することで、企業や転職エージェントから直接オファーが届く。
- グッドポイント診断で、自分の強みを分析できる。
以上のような特徴があります。誰もが知っている転職求人サイト最大手の圧倒的な求人数により、地域・職種を問わずあらゆる転職希望の方にマッチする求人を探すことができます。
また、転職した人の約8割がリクナビNEXTを利用していたという実績も魅力的です。
さらに、スカウト登録では日商簿記検定をもっていることや、経理などの職務経歴も登録することができますから、自分のスキルを活かせる企業からオファーを受けることができます。簿記検定を生かした就職や転職の計画を立てるのにはちょうどいいサイトです。
グッドポイント診断で自己分析もできますから「自分にどんな求人の可能性があるのか」「簿記の資格を持っているとどんな求人があるのか」などを知りたい方にもぴったりですよ。登録は無料です。
さらに、転職サイトは最低でも2つは登録しておきましょう。転職サイトによって扱う求人の種類が違うことがあるからです。
さらに、どうせいくつか登録するなら、運営方針の違う転職サイトを登録した方がいいです。なぜかというと、その方が違った種類のサービスや転職サポートを受けられるからです。
私がもう1つだけ転職サイトをおすすめするなら、ミイダスで決まりです。ミイダスのいいところは…
- コンピテンシー(行動特性)診断で、自分の職務適性を知ることができる。
- 自分の性格の特徴、ストレス要因になるものが分かる。
- 自分と相性の良い上司・部下のタイプなどが分かる。
- 転職別、年齢別、学歴別の年収データ(200万人以上)を全て公開。
- 比較したい人(属性)と自分の年収を比較することができる。
- 17万人の転職実績データから、自分の市場価値を分析。
- 登録はミイダスの質問に答えるだけで職務経歴書、履歴書の作成、カウンセリング等が一切不要で簡単。
- 送られてくるオファーは面接が確約している。
などのようになっています。ミイダスはリクナビNEXTと比べて自己分析に特化している転職サイトになっています。
「今の仕事の自分に合っているのかな?」「他にもっと自分に合う仕事があるのでは?」と考えている方には特におすすめです。
また転職成功者のデータを公開しているのも魅力的です。例えば、日商簿記2級所持者がどんな転職に成功したのかを調べることもできますよ。さらに、オファーはすべて面接確約というのも嬉しいですね。登録はもちろん無料です。
簿記で就職・転職できる仕事のまとめ
- 就職や転職で生かせる簿記は日商簿記だけ
- 派遣社員での就職や転職なら簿記3級でOK
- 日商簿記を生かして正社員として就職や転職をするなら2級以上が必須。
- 日商簿記2級で正社員として就職や転職できるのは中小企業の経理職や会計事務所、税理士事務所など
- 日商簿記1級で就職や転職できるのは大手企業の経理職
- 日商簿記1級は税理士試験の受験資格でもある(例外あり)
- 経理への就職は基本的には実務経験重視。派遣社員からのキャリアアップも視野に入れる。
- 日商簿記2級を持っていれば、未経験でも経理への就職や転職のチャンスあり。
- ミイダスやリクナビNEXTなどで求人情報のチェックも忘れずに。
さて、今回は日商簿記の資格をとったら就職や転職にどのように生かせるのか、まとめてきましたがいかがでしたでしょうか。資格を持っていると自分の自信にも繋がりますし、就職や転職活動の方向性もしっかりと決まってよいですよ。
大事なことなので何度も書きますが、簿記で正社員での就職や転職を考えている方は簿記2級までの取得が必須です。
簿記2級まで取得するなら、難易度を考えると簿記3級から通信講座を利用して基礎固めをするほうが結果的には近道です。私もオンライン通信講座で簿記2級まで取得しました。
簿記資格の通信講座徹底比較記事もありますのでどうぞご覧ください。
みなさんが簿記の資格を取得して無事に就職や転職を果たし、会計職として順調にキャリアアップされていくことを祈っております。私も同じ会計職仲間が増えるのはとても嬉しいです。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。