【日商簿記ネット試験とは】筆記試験との違いや出題形式と傾向から対策まで

日商簿記ネット試験とは/筆記試験との違いや出題形式と傾向から対策まで

  会計的お仕事女子のあんがお送りする簿記資格シリーズ記事です。今回は新しく始まった日商簿記検定のネット試験について解説していきます。日商簿記のネット試験を受験予定の方は…

  • 日商簿記ネット試験とはどんな試験?
  • 日商簿記のネット試験と今までの統一試験(筆記試験)との違いは?
  • 日商簿記ネット試験の出題形式は?
  • 日商簿記ネット試験の日程や会場について知りたい。
  • 日商簿記ネット試験はパソコンでの試験と聞いたけど、対策法は?

 などの疑問やご要望をおもちのことと思います。始まったばかりの試験方式ですから情報がまだまだ少なくて心配ですよね。これらの疑問やご要望をおもちの方に向けて日商簿記2級ホルダーの私が記事をまとめました。

 今回の記事を参考にされて簿記ネット試験を突破し、キャリアアップや就職、転職、再就職などを果たしてください!

 それでは、よろしくお願いいたします。

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日商簿記検定ネット試験(CBT)とは~統一試験(筆記試験)との違い

 日商簿記検定のネット試験は新型コロナウイルスの感染拡大によって、試験会場の確保が難しくなってきたという背景から導入されました。第156回の統一試験(筆記試験)では、受験者の人数制限があって悔しい思いをした方も多いことと思います。

 そこで、今までの年3回の統一試験日での実施に加えて、随時受験が可能な「ネット試験(CBT)方式」を導入することになったというわけです。ネット試験により、安定的に受験機会を多くの受験希望者に提供することがネット試験実施の目的です。

 日商簿記検定のネット試験は、2020年12月14日から全国の試験会場(114カ所)で開始され、受験者は、2021年の1月現在で、すでに2万5千名を超えているそうです。

 コロナ禍で多くの人を1会場に集めることなく、感染予防に配慮して実施できる検定試験の方式として、日商簿記検定のネット試験が導入されたわけです。

 それでは、いよいよネット試験(CBT)と今までの統一試験(筆記試験)を比べながら、その違いなどについて詳しく解説していきます。

 

実施される級

  • 2級と3級 

 ネット試験の実施級は2級と3級です。おそらく、2級と3級は受験者数が多いため、感染対策の必要性が高く、ネット試験の実施に踏み切ったということなのでしょう。

 1級は今のところネット試験での実施予定は無いようです。1級は受験者数も少ないので感染予防対策がしやすいためと考えられます。

 

出題形式

  • 2級:選択式+入力式5題
  • 3級:選択式+入力式3題
  • 仕訳問題は選択式(プルダウン方式)
  • 金額や勘定科目名を入力する問題も出題。
  • 電卓と筆記用具が持ち込み可能。
  • A4の計算用紙が配られるが、試験後に回収。

 今までの統一試験(筆記試験)では大問が5題出題でしたが、ネット試験の3級は3問に減らされています。ネット試験の3級については統一試験(筆記試験)と比べて、受験者の負担が軽減される可能性が高いですね。

 また、日商簿記検定のネット試験の実施を行っているのは、CBT-Solutionsという会社です。日本商工会議所から委託を受けている形になります。

 そのCBT-Solutionsがネット試験を行うためのPCアプリの操作方法や出題の仕方についての動画を公開しています。試験エンジンというのはPCで試験を実施するためのアプリのことです。ネット試験の形式を知るのにかなり役立ちますので、どうぞご覧ください。

www.youtube.com

 動画の内容を大まかにまとまとめてみます。

  • 試験開始前に、試験会場でもらったIDとパスワードを入力。
  • 解答状況ボタンを使うと、解答済みや未解答の一覧を見ることができる。
  • 解答済み・未解答一覧から解答したい問題に一気に行くことができる。
  • 選択式の問題はマウスなどで解答を選んでクリックする。
  • テキスト入力式の問題はキーボードで文字や数値を入力。
  • ネット試験終了直後に合格か不合格かが表示される。

 ざっと見ていて気になるところは、入力式の問題はPCのキーボードでテキスト(文)や数値を入力していくところです。勘定科目や金額の入力をキーボードで行うということでしょう。ある程度PCの操作に慣れておく必要があります。

 合否がすぐに分かるのは嬉しいですね。問題ごとの正答率や正答数なども表示されますし、解答状況のレポートも印刷できます。万が一不合格でもすぐに再チャレンジの対策に取り掛かることができます。

 

試験時間

  • 3級:60分
  • 2級:90分 

 通常の統一試験(筆記試験)では試験時間は120分間です。しかし、2021年6月に実施されるの通常の統一試験(筆記試験)も、ネット試験と同じ時間に変更される予定になっています。問題数が少なくなったり、選択式の問題が入ってきたことで、解答時間が短縮されたものと考えられます。

簿記ネット試験の様子

商工会議所の検定試験

  時間が短くなった分「集中して試験に取り組むことができた」という声も聞かれますが、余裕の時間があまり取れなくなった可能性もありますので、より効率的な解答を心掛ける必要があるでしょう。

 また、PCによる入力で解答していきますので、試験時間を有効に使いきるためには、PCの操作をスムーズに行うことも重要になってきます。

 

出題範囲

  • 通常の統一試験(筆記試験)と同じ

 ネット試験の出題区分は、今までの統一試験(筆記試験)の出題区分と同じです。勉強の範囲は同じなので、勉強方法も今までと同じように行っていくとよいでしょう。

 

受験可能人数

  • 全国で月間約20,000名を予定

 自分で試験日時を選べるので、空いているところを狙っていけば統一試験(筆記試験)のように「定員になって受けられない…」ということはないはずです。

 

試験会場

  • 指定された全国のテストセンター

 商工会議所が認定したパソコンで受験できる設備があるテストセンターで受験ができます。ここが誤解が多いところなのですけど、パソコンが自宅にあるからといって、自宅で受験できるわけではありません。ご注意ください。

簿記ネット試験の様子

商工会議所の検定試験

 試験会場の数は、2020年12月のネット試験開始時点で、76都市112会場となっています。

 同様の方法でマイクロソフトオフィス・スペシャリスト(MOS)などの試験が行われていますので、そちらを受けたこのある方はイメージがわきやすいと思います。

 

受験料

  • 2級:4,720円
  • 3級:2,850円

 受験料は以上のように今までの試験と同じ金額ですが、これに加えて事務手数料550円(税込)が別途かかります。パソコンを使用するためにかかるお金が追加されたと考えていいでしょう。

 

試験日程

  • それぞれの試験会場(テストセンター)が定める日時で行う。
  • 試験会場(テストセンター)ごと試験日時は違う。
  • 定期的(毎週、毎月)に実施しているテストセンターと受験生の希望に応じて随時実施しているテストセンターがある

 試験日はテストセンターごとに独自に定められますので、受験できる日程は試験を実施するテストセンターごとに変わります。ですから、試験勉強の計画を立てて、自分で受験場所と受験日を決める必要があります。

 今まで行われたネット試験実施の様子をうかがってみると、毎月第4木曜日を「必ず試験を実施する日」に設定する、というような方式で日程を決めているテストセンターや受験希望者の数に応じて随時実施しているテストセンター、ほぼ毎日簿記ネット試験を行っているテストセンターなどがあるようです。

 とにかく、テストセンターによって簿記ネット試験の実施日時が異なりますので、試験会場と日程をよく調べておきましょう。

  ちなみに、試験日時やテストセンターの会場、空席状況などは簿記ネット試験申し込みページで確認することができます。

 簿記ネット試験申し込みページはこちらからどうぞ。

cbt-s.com

 

合格基準と合格発表の方法

  • 2級は70点以上で合格
  • 3級は70点以上で合格
  • 試験終了後、自動採点ですぐに合否判定
  • 合否の判定結果がスコアレポートとして配付される。
  • スコアレポートに記載されたQRコードからデジタル合格証を取得

 先ほども少々触れましたが、合格発表は試験終了直後に、試験を行ったPCで発表されます。試験終了後、試験システムにより自動採点し、合否を判定します。判定結果を記載したスコアレポートが配布され、合格者のみ、スコアレポート内のQRコードからデジタル合格証が取得できます。

 今までの統一試験(筆記試験)では、合格発表まで1か月弱待たされることもありましたが、合否がすぐに分かるのが嬉しいですね。

 また合格証は紙ではなく、デジタル合格証となります。試験後に配付されるスコアレポートに載っているQRコードから、自分のスマートフォン等にダウンロードする仕組みになっています。

 デジタル合格証は読み込んだスマホなどにPDFで保存されます。紙の合格証にして保管をしておきたい場合は、デジタル合格証のPDFをプリンターで印刷することになります。スマホから直接印刷してもいいですし、ご自分のPCなどにメール添付やクラウドを利用して転送し、ご自分のPCから印刷したり、PCに保存しておくこともできます。

 

日商簿記ネット試験申し込み方法

  • 日商簿記検定ネット試験申し込み専用のホームページから申し込み

 先ほどご紹介した以下の専用ページからネット試験の受験申し込みができます。

cbt-s.com

 簿記ネット試験申し込みページの画像は以下のようになっています。上のリンクをクリックするとこのページに移動します。

簿記ネット試験申し込み用ホームページ

日商簿記 | CBT-Solutions

 

初めて受験の申し込みをする場合の申し込み手順

  1. 「新規登録(初めての方)」を選ぶ。
  2. メールアドレスを入力してメールを受け取る
  3. メールに表示されているURLをクリックして基本情報入力ページへ
  4. 基本情報入力ページでIDやパスワード、氏名、住所などを入力
  5. ID・パスワードを利用してログイン
  6. 日商簿記検定受験の申込みへ進む

 という手順をたどる必要があります。申し込み方法については詳しく解説した記事を作成予定ですので、少々お待ちください。

 また、簿記ネット試験の申し込みはインターネットでのみ行っていますので、受験料の支払いにはクレジットカード決済か、コンビニ決済を選択しなければなりません。

 クレジットカードをまだお持ちでない方はこちらから無料で作れますので、どうぞご利用ください。年会費も無料ですし、Suicaもついていて便利ですよ。

 

日商簿記検定ネット試験のメリットとデメリット

メリット

  • 自分の学習ペースに合わせていつでも受験ができる。
  • 合格は不合格かの結果もすぐに分かる。
  • 短期間で何度も受験できるので受験機会が増える。

 仮に不合格になったとしても、対策をしてすぐに再受験をすることができます。自分の正答率や正答数の成績レポートがもらえますから対策もしやすいですよね。

 

デメリット

  • 解答はパソコンでの入力になるので、パソコンに慣れている必要がある。
  • 特に金額と勘定科目はキーボード入力になるので、キーボード操作に慣れておく必要がある。
  • 試験日時と試験会場を自分で決めなくてはならないので、学習ペースがマイペースになり過ぎることも。

  一番のデメリットはPCの操作に慣れておく必要があることでしょう。特にキーボード入力はPCに慣れている人とそうでない人で差が出やすいところです。PCのキーボードにある程度慣れている必要があります。日本商工会議所のページにネット試験の体験版がアップされていますので、一度試してみることをおすすめします。

 私が体験版を使ってみた感じでは、パソコンを使ってネットでお買い物ができるくらいであれば大丈夫だと思います。普段仕事や勉強でパソコンを使っている方にとっては全く問題ないでしょう。

 逆にパソコン操作に慣れている方にとっては有利になりますね。入力の速さが試験時間の確保に一役買ってくれると思います。統一試験(筆記試験)の時の電卓操作に慣れているかどうかと同じですね。

 

日商簿記検定ネット試験対策法

  • 勉強は統一試験(筆記試験)と同じように進める。
  • 模擬試験や過去問対策も同じようにしておく。
  • 商工会議所のホームページにある簿記ネット試験体験版を利用してPCの操作に慣れる。

 簿記ネット試験の2級も3級も、出題区分は今までの統一試験(筆記試験)と同じですから、勉強方法は同じように進めて大丈夫です。

 ただし、ネット試験のパソコン操作については、一度体験しておいた方がいいでしょう。日本商工会議所が簿記ネット試験体験版を無料で配付していますので、こちらを使ってみるのがいいでしょう。ご自分のパソコンにダウンロードして使います。

 簿記ネット試験の体験版はこちらから

www.kentei.ne.jp

 

日商簿記検定ネット試験の出題傾向と対策

 さて、次に今まで実施されたネット試験の過去問から出題の傾向についてみてみましょう。ちなみに、今のところネット試験の過去問は販売されていません。日本商工会議所のホームページに公表されている予想問題などからまとめてみました。

 ただし、簿記ネット試験は随時試験ですので毎回違う問題がランダムで出題されているものと推測できます。そのあたりはご了承ください。

 

日商簿記3級ネット試験の傾向と配点から考える対策

  • 第1問:仕訳15問(45点)
  • 第2問(問1と問2に分かれる):補助簿の選択問題、記入問題、勘定記入の問題、理論問題の選択問題、伝票会計の穴埋め問題、現金実査と貯蔵品の棚卸しなど (20点)
  • 第3問:精算表、財務諸表 (35点)

 3級の受験時の対策法としては、第1問と第3問の配点が大きいので、第1問と第3問に時間を割くべきです。合格点は70点以上ですから、第1問と第3問だけでも合格は可能です。第1問と第3問を先に行い、第2問は残りの時間で解くようにするといいでしょう。

 

日商簿記2級ネット試験の傾向と配点から考える対策

  • 第1問:仕訳5問(20点)
  • 第2問:個別論点の総合問題、連結会計(20点)
  • 第3問:個別財務諸表(20点)
  • 第4問:工業簿記 問1~仕訳3問、問2~個別別原価計算~標準原価計算(28点)
  • 第5問 原価差異分析、直接原価計算(12点)

 簿記2級のネット試験については、配点にあまり偏りがありません。簿記2級のネット試験も合格点は70点ですので、まずは70点クリアを考えましょう。

 第4問のみ配点が大きいのでまずはここから先に手を付けたいところですが、商業簿記と工業簿記ではそれぞれ得意不得意があると思います。

 工業簿記が得意な方は第4問から攻めるべきですが、工業簿記が苦手な方は、商業簿記の第1問、第2問、第3問から攻めて確実に60点をとり、残りの時間で工業簿記の自分が解けそうなところから手を付けるというパターンもありです。

 

日商簿記検定ネット試験対応の通信講座ってあるの?

 残念ながら簿記ネット試験対応の通信講座は今のところ無いようです。ただし、出題区分に変わりはありませんから、これまで通りに通信講座を利用しての学習は効果的だと思います。

 ただし、簿記ネット試験の体験版を使ってみるなど、パソコン操作に関する対策は自分でしておく必要がありそうです。

 

日商簿記検定ネット試験のまとめ

  • 2級と3級で実施
  • ネット試験は随時実施なので、自分に都合のよい日時を自分で選ぶ。
  • 申し込みは専用のホームページから
  • 受験料は今までの受験料+事務手数料550円
  • 試験時間は2級が90分で3級が60分
  • 出題区分に変わりはないので、勉強方法は今まで通りで大丈夫。
  • パソコン操作はネットでお買い物ができる程度で大丈夫。
  • パソコン操作が得意な人は試験時間が十分とれるので有利になりそう。
  • 日本商工会議所が配付している簿記ネット試験体験版を一度は利用する。
  • 簿記ネット試験実施後も今までの統一試験(筆記試験)は無くならない。

 さて、今回は日商簿記ネット試験についてまとめてみましたが、いかがでしたか。出題区分などに変わりはないので、今まで通りの勉強を安心して進めていただければと思います。ただし、簿記ネット試験の体験版は一度使っておいた方がいいですよ。

 

 ところで、簿記資格を生かして会計や経理の仕事に正社員として就職するには、簿記2級以上の取得が必須です。日商

簿記2級の難易度を考えると、独学ではなく簿記3級から通信講座でしっかりと基礎固めをしましょう。

また確実に日商簿記3級を取得したい方も、通信講座を利用をおすすめします。

 私も通信講座で日商簿記3級と2級を取得し、経理の正社員へ転職しました。メールで質問ができたりスマホやパソコン、DVDなどで講義の動画を見れます。講義の動画は繰り返し何度も見れるので、通学講座より通信講座の方がおすすめです。

 簿記通信講座の徹底比較記事もありますので、どうぞご覧ください。

www.music-an.com

 それでは、簿記検定の試験勉強頑張ってください。あなたが簿記検定合格を見事勝ち取り、経理正社員や会計事務所・税理士事務所職員への就職を果たしたり、経理部管理職候補へのキャリアップなどを実現させたりしてくださいね!

 それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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