本田真凜~GPシリーズ中国FS結果分析~オリンピック代表の望みは?

 フィギュア観戦オタク歴15年のあんがお送りするフィギュアスケートシリーズです。今日も本田真凜選手の記事です。11月4日に行われた、グランプリシリーズ2017中国大会の本田真凜選手のフリースケーティングの様子を詳細分析したいと思います。

 それでは、今回もよろしくお願いします。

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日刊スポーツ

 

 ショートプログラム 点数の結果と分析

 先日記事を書きましたので、詳細はこちらをご覧ください。

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  簡単にまとめますと、ロシア大会でのショートプログラムのような硬さはとれ、本来の本田真凜選手らしく、伸び伸びと演技できていました。冒頭の3回転ルッツ→3回転トウループを3回転フリップ→3回転トウループと難易度を下げましたが、3回転トウループが回転不足でダウングレードとなったようです。

 しかし、全てのジャンプで構えの時間が少なく、ステップの後すぐにジャンプできている点が素晴らしかったと思います。

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フリースケーティング 点数の結果と分析

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朝日新聞デジタル

 

  • カナダ大会 技術点:64.73 演技構成点:60.91 合計:125.64
  • 中 国大会 技術点:66.84 演技構成点:64.58 合計:131.42    

  ショートとフリー合計で198.32で総合5位となりました。惜しくも200点台は越えられませんでしたが、フリーを130点以上でまとめたのは、評価が出来ると思います。

 前回のカナダ大会からも6点近く点数を上げてきています。今シーズンのパーソナルベストにかなり近い点数でしたしね。よく頑張ったのではないでしょうか。

 

 技術点の分析

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産経ニュース

 

 技術点とはジャンプやスピン、ステップなどそれぞれの技に付く点数です。難易度により基礎点があります。その基礎点に出来栄えで加点や減点がされます。

 冒頭の3回転ルッツはきれいに跳べましたが着氷がやや後ろに体重がかかっていたように思います。本人が予想した以上に回り過ぎたのかもしれません。

 続くコンビネーションが3回転フリップ→3回転トウループのところ2回転フリップ→

 3回転トウループとなってしまいました。冒頭の3回転ルッツが回り過ぎたので、すこし加減しすぎたのかもと感じました。

 点数が1.1倍になる後半のジャンプは全てきれいに跳べましたね。3連続コンビネーションの3回転フリップ→2回転トウループ→2回転ループも見事でした。個人的には点数の高いルッツからのコンビネーションジャンプが無いので、どこかに入れて演技全体の難易度を上げ、技術点の底上げをしたいとこです。

 コンビネーションジャンプもよかったですが、単独で跳んだ3回転サルコウ、3回転ループ、3回転フリップはすべてステップ直後からの難しい跳び方をしていて見事だと思います。本田真凜選手のすごいところは、ジャンプ直前の構えの時間が短いところですね。

 特に最後の3回転フリップは当初の予定ではダブルアクセルだったようです。前半の3回転フリップ→3回転トウループの失敗を受けて柔軟に対応し、3回転フリップに難易度を上げて得点を補ってきました。このあたりの冷静さはさすがでした。

 

演技構成点の分析

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日刊スポーツ

 演技構成点は演技全体に付けられる点数です。大雑把に言いますと表現力を評価します。審判5人がそれぞれジャッジし、点数が決まります。演技構成点は5人の審判が10点満点で点数を付け、それに演技時間の長さにより係数がかけられて点が決まります。ちなみに女子フィギュアフリーの係数は1.6です。満点でも80点ということになりますね。

 演技構成点は前回カナダ大会より約4点ほど上げてきています。審判団5人中4人が8点以上残り1人は7点台です。ベテランのトゥクタミシュワを上回る点数でしたので、ひとまず合格だと思います。

 欲を言えば67点台まで上げていきたいです。楽曲の「トゥーランドット」が少し表現力を出すのには難しい曲かもしれません。全体的にゆったりとした曲なので、メリハリを更に付けられるようになるといいと思います。

 特に後半のジャンプが連続する部分では、ジャンプ直前にステップは入れられていましたが、ジャンプに気持ちが行っているせいか、ジャンプとジャンプのつなぎの部分で手の演技などによる表現が少なかったり小さかったように思います。全日本選手権までの課題となるのではないでしょうか。

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本田真凜がオリンピックに出場するためには

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日刊スポーツ

  • ショートプログラム:66.90 フリースケーティング:131.42 合計:198.32
  • 総合5位

  フリーでも130点越えと健闘しましたが、総合での点数は190点台にとどまりました。本田真凜選手はGPシリーズは2戦すべて終えましたので、これ以上日本選手権までに世界大会でシーズンベストを上げることはできません。GPシリーズ初戦のカナダ大会で出遅れたこともあり、GPファイナル出場は残念ながら果たせないでしょう。

 となると、可能性を残すのは全日本選手権優勝です。ショートプログラムで難易度を下げたコンビネーションを元に戻し3回転ルッツ→3回転トウループを入れて高得点を狙っていく必要がありそうです。

 また、フリーでもルッツからのコンビネーションがありませんので、どこかで難易度の高いルッツからのコンビネーションを入れて技術点を上げていきたいところです。

 何度も書いていますが、ジャンプ直前の待ち時間が無く、ステップ直後にジャンプを跳べるのが本田真凜選手の武器だと思います。なかなか出来ることではないので、演技全体の難易度を上げて、技術点の底上げをしていってほしいと思います。

 また、今シーズンGPシリーズデビューの若い選手ですから、プログラムの完成度を上げていけば演技構成点はまだまだ上がるでしょう。特にフリー後半のジャンプとジャンプのつなぎの部分の表現力を上げていくことが課題になるかと思います。今後の成長に期待ですね。

 

 

 さて、今回もフィギュアスケートシリーズとして本田真凜選手にスポットを当てて記事を書いてみましたがいかがでしたでしょうか?GPシリーズは残念な結果となり、本田真凜選手がオリンピック代表枠に入るためには、今回の中国大会2位の樋口新葉選手やエース宮原知子選手を押しのけて1位になることが必要になります。

 かなり壁は高いでしょうが、まだ日がありますので、全日本選手権までにプログラムの完成度を上げて臨んでほしいと思います。ジャンプの加点をもらうという点では、かななりレベルの高い選手だと思いますので、他の要素の底上げに期待しましょう。次世代エース候補として是非、実力を更に伸ばしていってほしいと思います。

 真凜ちゃん頑張って!

 それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

    次回は中国大会で大活躍した樋口新葉選手の記事の予定です。次もよろしくお願いします。

 

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