こんにちは。会計的お仕事女子のあんがお送りする、簿記・経理・会計シリーズ記事です。簿記について調べている方はきっと…
- 就職や転職のために簿記を取得しようと考えているんだけど…簿記とは何かを分かりやすく簡単に説明してほしい。
- 簿記とはいったいどんなことをするの?
- 簿記と聞いたら経理のイメージだけど、税務や給与計算との違いは何?
などとお悩みのことと思います。資格を取る決断をする前に情報はたくさんほしいですよね。このお悩みを解決するように記事をまとめていきます。
会計的お仕事女子のあんはもちろん簿記資格持っていますよ。日商簿記2級ですけどね。もちろん私は日商簿記3級も2級も一発合格でした!すいません、自慢です(;^_^A
でもその分、私の体験に基づいた信頼性の高い情報をご提供できると考えています。経理のお仕事での体験から得たことなどをもとに詳しく解説していきますね。
この記事をもとに簿記資格の受験計画を立てて合格を勝ち取り、就職や転職活動を有利に進めていきましょう!
簿記とは何か?~分かりやすく簡単にまとめると…
まずは簡単に短くまとめて、簿記とは何かについてお話していきます。企業は利益を得るために、商品を売ったり買ったり、商品を売るために必要な備品を買ったりと、様々な活動をしています。
簿記とは、このような企業の日々の活動を、一定のルールに従って整理し、帳簿に記入していくことです。
この帳簿をもとに、損益計算書や貸借対照表といった「財務諸表」という帳簿を作ります。この「財務諸表」を用いて株主や取引先、銀行などへ自身の企業の状態を報告するのが簿記の最終的な役割です。
後ほど詳しく解説していきますが、この簿記の役割は主に商業簿記という簿記の種類が担うことになります。
商業簿記と工業簿記
次に、商業簿記と工業簿記についてお話していきます。簿記には大きく分けて2つの種類があります。それが商業簿記と工業簿記です。
- 商業簿記は企業の経済活動を記録して帳簿を作成し経営状況を明らかにする。
- 工業簿記は製品を作るときに材料費や人件費から製品の原価を計算する。
おおまかに説明すると以上のような違いがあります。商業簿記は小売業やサービスを提供するサービス業などで主に用いられ、工業簿記は製品を生産する工場やメーカーなどで用いられるというわけです。
日商簿記検定の試験範囲では簿記3級は商業簿記のみ、簿記2級以上は商業簿記と工業簿記の両方が出題されます。
商業簿記の役割と仕事
- 帳簿に企業活動を記録していく。
- 帳簿を整理して会社の資産や借金、売上、利益などの状態を明らかにする。
- 明らかにした財務状況から経営戦略を立てる。
簿記の第一の役割は、商業企業の活動を帳簿に記録することです。商業企業の活動ですから具体的には売上や仕入れはもちろんのこと、会社の建物を作ったり、店舗や土地を購入したり、営業に必要な車を買ったりなど、お金がかかわる様々な企業の活動を帳簿に記録し整理していきます。
企業活動を帳簿に整理していくことで、その会社の体力、いわゆる財務状況が明らかになります。資産がどれくらいあったりとか、利益がどれくらいあるとかということです。財務状況が明らかになっていないと、経営戦略を立てることができません。
「今期はどのくらい設備投資をしようか」とか、「社員の昇給はどうしよう?」ということを簿記で明らかになった財務状況をもとに決めるということです。このように、簿記は会社の経営上でも重要な位置を占めるお仕事となります。
単式簿記と複式簿記の違い
- 単式簿記は一般的な家計簿と同じ
- 複式簿記は取引の要素を分解して記録する
簿記資格で言われる簿記とは複式簿記のことを言います。一般的な家計簿は収入と支出のみを記録しますが、複式簿記では取引の要素をいくつかに分解して記録します。このことを仕訳と言います。
例えば100万円の収入があった場合、複式簿記では収入欄に+100万円となるだけです。しかし複式簿記ではその100万円の収入が現金なのか、掛けによるものなのか、手形によるものなのか、小切手によるものなのかまで記録していきます。
複式簿記ではなぜこのような記録方法が必要なのか解説した記事もありますので、よかったらご覧ください。
簿記と税務の違い
簿記とよく似た仕事として比べられるものに税務というのがあります。どちらも企業のお金に関係のある仕事で密接に関わり合っていますが、違いがありますので解説しておきますね。
- 簿記は企業活動を帳簿に記録して財務状況を明らかにすること。
- 税務とは簿記で明らかになった財務状況をもとにして支払う税金を計算すること。
会社の経理担当者が帳簿付けを行って決算書を作り会社の財務状況を明らかにします。こちらが簿記の仕事です。
そして、簿記によって明らかになった財務状況をもとにして税理士が支払うべき税金を計算します。この税金を計算する仕事の方が税務です。
税金を計算するための決算書は簿記の作業で作られますから、経理担当者が簿記の仕事を正確に行っていないと、税理士は正しく税金の額を計算できません。また、税率には1年間の収益の額やその他様々な条件によって変わります。
さらに、企業が買ったものを経費としてどの程度の割合で計上していいかどうか(按分といいます)の判断も税理士はできなければなりません。また、ある支出が経費として認められるかどうかも税理士は判断しなくてはいけません。簿記が出来たからと言ってすぐに税務が出来るようにならないのはこのためです。
しかし、税務の仕事と簿記の仕事には違いがありますが、密接に関係しています。そのため、簿記が出来なければ税務は出来ません。ですから、税理士の資格試験には簿記論という必修科目があります。
簿記と給与計算の違い
また、企業内でお金を扱う経理の仕事として似ているものの一つに給与計算があります。よく混同されるのですが、簿記と給与計算は実は全く別の仕事です。
- 給与計算は社会保険料や所得税を計算して、社員の給料を計算する仕事。
- 簿記は企業活動を帳簿に記録して財務状況を明らかにする決算書を作るのが仕事。
以上のような違いがあります。給与計算の資格は簿記ではなく「給与計算実務能力検定」という独立した民間資格があります。
経理職への就職で給与計算をしたいと考えている方は、簿記だけでなく「給与計算実務能力検定」の取得も視野に入れておきましょう。給与の計算は社会保険料の計算などもしなければいけませんから、将来的には社会保険労務士という国家資格にもつながる資格です。
簿記資格を取得して経理職を目指す方は将来的に簿記の延長上にある会計士や税理士に近い仕事を目指すのか、給与計算を主に行って社会保険労務士的な仕事を目指すのか、漠然とでいいので考えておくとよいでしょう。
簿記で作る帳簿の種類~財務諸表
それではここからは、簿記で作成する企業の財務状況を明らかにする帳簿について解説していきます。
簿記で作る財務状況を明らかにするための帳簿は財務諸表と呼ばれます。財務諸表には主に損益計算書と貸借対照表の2種類があります。
損益計算書
企業が1年間でどれだけのもうけを出したか分かるようにするのが、損益計算書という帳簿です。決算の時に作ります。
企業がどれだけ儲かっているか、逆にどれだけの損失があるのか、その企業の1年間の経営状態を明らかにする書類です。よく新聞で純利益とか営業利益とかの言葉が出てきますが、この純利益や営業利益は損益計算書を作ることで求められます。
貸借対照表
企業が持っている資産や借金の量が分かるようにするための書類を貸借対照表と言います。企業の財務状態を明らかにするための書類です。これも決算の時に作ります。
その企業が持っている土地や建物などの資産の額、逆に抱えている借金の額などが記載されます。その企業の基礎体力を見ることができる書類です。
主な帳簿は上記の「損益計算書」と「貸借対照表」の2つですが、日々の取引の記録や、月末締めのため、決算の準備のために作る帳簿などはもっとたくさんあります。損益計算書や貸借対照表、その他の書類についてはとても重要なので、別の機会にもっと詳しくご紹介しますね。
財務諸表を作る時期
損益計算書や貸借対照表などの財務諸表は1年ごとに作成します。ちなみにこの1年間を「会計期間」と言います。
1年のスタートを「期首」終わりを「期末」と呼びます。スタートから終わりまでの期間を「期中」と言います。「期首」と「期末」は基本的にはその企業が自由に決めることができます。
簿記3級では1月1日~12月31日を会計期間として固定し、試験されていましたが、新傾向の採用で簿記3級の試験範囲が小規模株式会社となりました。
小規模株式会社なので会計期間は簿記3級でも簿記2級と同じくその会社が自由に決められることになりました。簿記2級の出題範囲では、以前通り会計期間はその会社が自由に決められることになっています。
つまり、簿記3級も簿記2級も会計期間については同じ扱いということです。
ちなみに、日本の企業では会計期間を4月1日~3月31日としているところがほとんどですから、簿記2級、3級ともに会計期間は4月1日~3月31日として出題されることが多いです。
簿記とは何か?【分かりやすく簡単に】のまとめ
- 簿記とは、企業の日々の活動を一定のルールに従って整理し、帳簿に記入していくこと。
- 帳簿を整理していくことで企業の資産や借金、売上、利益などの経営状態を明らかにすることが簿記の最終目標
- 商業簿記で作る主な帳簿は損益計算書と貸借対照表であり「財務諸表」と呼ばれる。
- 「財務諸表」を作ることで、その企業の経営状態が分かる。
- 簿記で作る帳簿は複式簿記と言われ、簿記特有のルールで記帳される。
- 簿記には商業簿記と工業簿記があり、簿記と言われるときに一般的に差すのは商業簿記のこと。
- 簿記で帳簿を作成しなければ税金の計算は出来ない。
- 簿記と給与計算は別の仕事。
さて、今回は簿記とは何かを簡単に分かりやすくまとめてみましたがいかがでしたか。今回の記事で簿記資格に興味がわいてきて「ぜひ、簿記の資格で就職や転職したい。」とお考えになった方は、簿記資格取得の前に、簿記でどんな求人があるのかきちんと調べておきましょう。
転職サイトなどに登録して、簿記3級や2級保持者の求人情報を探っておくのです。最近は人手不足なので簿記2級を持っていれば経理未経験でも正社員に内定という例も珍しくありません。
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この記事がみなさんの就職や転職の計画づくりに役立つと共に、簿記資格取得の参考となれば幸いです。キャリアアップのために、先ずは日商簿記3級の試験取得を目指してみてはいかがでしょうか?
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。