預り金の仕訳【勘定科目と取引例の解説】源泉所得税の天引きや納税~簿記3級

預り金の仕訳

 こんにちは。会計的お仕事女子のあんがお送りする経理と簿記の仕訳解説シリーズ記事です。今回は経理の実務でよく出てきたり、簿記3級でよく出題される預り金の仕訳について解説していきますね。

  • 預り金とはなに?どんな勘定科目でどんな取引の時に使うの?
  • 源泉所得税などを一時的に預かったときの預り金の仕訳はどうなるの?
  • 源泉所得税を税務署に支払ったときの預り金の仕訳は?
  • 預り金の仕訳の例や練習問題、解説ってないのかな?

 などの疑問やご要望にお答えしていきますね。預り金の仕訳をマスターして、簿記3級の合格への階段を確実に一歩ずつ登っていきましょう! 

 また、経理事務の方で預り金の仕訳の例を確認したいという方も是非ご活用ください。それでは、よろしくお願いいたします。

 それでは、よろしくお願いします。

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預り金とはどんな勘定科目?

  • 預り金とは、源泉所得税などを従業員から一時的に預かったときに使う勘定科目
  • 預り金は、預かった税金を後日税務署に支払う義務なので負債の勘定科目
  • 預り金は、預かった税金を後日税務署に支払う義務なので債務

 企業は給料を支払うときに、社員の給料から源泉所得税を差し引いて支給します。これは、企業が税金を計算して一時的に社員から預かり、後日社員の代わりに税務署などに税金を支払うという制度のためです。

 いわゆる源泉所得税は給料からの天引きと呼ばれるもののうちの一つです。所得税の他に住民税や厚生年金などもあります。

 社員から一時的に預かった税金などは、税務署などに企業が代わりに後日納めなければなりません。というわけで、預り金=税務署に後日税金を支払う義務=債務=負債の勘定科目となります。

 

預り金の仕訳~取引例による練習問題と解説

 それでは、さっそく預り金の仕訳の処理を見ていきましょう。預り金の仕訳の処理は大きく次の2つになります。

  • 給料を支給する際に社員から源泉所得税などの金銭を預かったとき
  • 社員から預かった源泉所得税を税務署などに支払ったとき

 実務では社員から給与の天引きを行う際には、所得税の他に住民税や厚生年金などがありますが、簿記3級で出題されるのは源泉所得税の場合がほとんどですから、今回は源泉所得税の取引に絞ってみていきますね。

 

社員の給料から源泉所得税を一時的に預かったときの取引例と仕訳

 社員に給料を支給するときに、源泉所得税を一時的に預かった場合は、後日その税金を税務署などに支払う義務を負います。そのため、債務を表す預り金勘定(負債)の貸方に仕訳をします。

 では、実際の取引の例で仕訳を見てみます。

取引の例:給料¥200,000の支払いに際し、源泉所得税¥10,000を差し引いた¥190,000を現金で支給した。

仕訳の手順①:給料の支払いをしていますから、給料(費用)の発生です。費用の発生ですから、給料(費用)を借方に仕訳します。

(給   料)200,000(     )

仕訳の手順②:源泉所得税を¥10,000預かりましたので、預り金(負債)の増加として貸方に仕訳します。

(給   料)200,000(預 り 金) 10,000

仕訳の手順③:預り金として処理した源泉所得税を差し引いた額を現金で支給していますから、現金(資産)の減少です。資産の減少ですから、現金(資産)を貸方に仕訳します。

(給   料)200,000(預 り 金) 10,000

            (現   金)190,000

 

 仕訳は自分の分かりやすいほうから切るのが大事なポイントです。給料(費用)の発生で借方に仕訳するよりも、預り金(負債)の増加と現金(資産)の減少で貸方に仕訳をする方が分かりやすい方は、預り金(負債)の増加と現金(資産)の減少から仕訳を切りましょう。  

 

社員から預かった源泉所得税を税務署などに納付したときの取引例と仕訳

 源泉所得税などを税務署などに納付、つまり支払った場合には、預かった源泉所得税を納付する義務が消滅しますので、預り金勘定(負債)の借方に仕訳をします。

 では、こちらも取引の例で仕訳を見てみましょう。

取引の例:従業員から預かった源泉所得税¥10,000を税務署に現金で納付した。

仕訳の手順①:源泉所得税を現金で支払っていますので、現金(資産)の減少です。資産の減少ですから、現金(資産)を貸方に仕訳します。

(     )     (現   金) 10,000

仕訳の手順②:預かっていた源泉所得税を納付したので、預り金(負債)の減少です。負債の減少ですから、預り金(負債)を借方に仕訳します。

(預 り 金) 10,000 (現   金) 10,000

 

 大変重要なので何度も書きますが、仕訳は自分の分かりやすいほうから切りましょう。現金(資産)の減少で貸方に仕訳するよりも、預り金(負債)の減少で貸方に仕訳をする方が分かりやすい方は、預り金(負債)の減少から先に仕訳を切りましょう。

 また、資産や負債、費用、収益の増減で借方になるか、貸方になるのかを再確認したい方はこちらの記事をどうぞ。仕訳の基本なので大事ですよ。

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預り金の仕訳と勘定科目のまとめ

  • 預り金とは、源泉所得税などを従業員から一時的に預かったときに使う勘定科目
  • 預り金=預かった税金を後日税務署に支払う義務=債務=負債の勘定科目
  • 簿記3級では預り金は源泉所得税を給料から天引きした取引がよく出題される
  • 預り金を差し引いて給料を支給したときは預り金(負債)を貸方に仕訳する。
  • 預り金を税務署などに納税したときは、預り金(負債)を借方に仕訳して消滅させる。

 

 さて、今回は簿記3級に良く出題されるの預り金勘定について、どんな勘定科目なのか、仕訳の例と方法などについてご説明してきましたが、いかがでしたか。

 ところで、簿記資格を生かして会計や経理関係の正社員に就職するには簿記2級以上の取得が必須です。簿記2級の難易度を考えると、独学ではなく簿記3級から通信講座でしっかりと基礎固めをするのがおすすめです。また確実に簿記3級を取得したい方も通信講座を利用したほうがいいでしょう。

 私も通信講座で簿記3級と2級を取得しました。メールで質問ができたりスマホやパソコン、DVDなどで講義の動画を見れます。講義の動画は繰り返し何度も見れるので、通学講座より通信講座の方がおすすめです。

 簿記通信講座の徹底比較記事もありますので、どうぞご覧ください。

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 試験勉強頑張ってくださいね!無事に簿記3級の試験を突破して経理職としてのキャリアップを実現させてください。

 それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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