2017年7月28日(金)に映画『君の膵臓をたべたい』が公開されました。それに先立ちつ形で、7月26日(水)に主題歌の「himawari」が発売されています。あのモンスターバンド、Mr.Childrenによる主題歌です。
これに合わせて、『君の膵臓をたべたい』の予告が「himawari」音源版で公開されていますので、まずは、こちらをご覧いただければと思います。映画のストーリーを感じながら、裏で鳴っている「himawari」をじっくり聴いてみてほしいと思います。
上から目線で「ごめんなさい」ですが、Mr.Childrenは相変わらずよい歌を作りますね。主題歌「himawari」の魅力が映画の魅力を更に加速させて、思わず予告編だけで泣いてしまいそうです。
ところで、この主題歌、題名が「himawari」なんですけれども、個人的に向日葵という花がもつイメージの宿命みたいのものについて感じるところがあるので、書いていきたいと思います。
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主題歌の題名を「himawari」としたところに驚いた私
この予告編を初めて見たときに、「ああ…主題歌はミスチルなんだな。相変わらずいい声してるし、感動的なメロディーだな。なんて題名なんだろう?」と思いながら、テロップを確認するために何度か再生してみました。
そして、びっくりしたのです。主題歌の題名が「himawari」ということに。向日葵の花は、すごく明るいイメージがありますよね。夏に太陽に向かって咲く花という印象もあるかと思います。すごく前向きな感じがするのではないでしょうか。ちなみに、向日葵の花言葉を調べてみました。
向日葵の花言葉
- 「あこがれ」
- 「あなただけを見つめる」
- 「熱愛」
- 「情熱」
以上などが主な向日葵の花言葉だそうです。花のイメージ通りの言葉が並んでいるかと思います。しかし、私が主題歌の題名が「himawari」だと知って驚いたのは、この前向きな花言葉とは全く正反対のことから考えたことでした。
向日葵がもつ別のイメージ
実は向日葵ですが、短歌でよく取り挙げられる花でもあります。しかし、短歌として詠まれるときの向日葵は、先ほどの前向きなイメージとはちょっと違うときがあるのです。次の短歌をお読みください。
向日葵は枯れつつ花を捧げをり父の墓標はわれより低し
~寺山修司「チエホフ祭」
短歌の解釈なので、いろいろな意見があることはあえて承知の上で書きたいと思います。この短歌で歌われている向日葵は何かの例えだと言われています。何の例えだと思いますか?向日葵は父の墓標に花をささげています。しかも枯れた向日葵です。
向日葵は大輪を咲かせた後、首を下にもたげます。そして枯れていくのです。ここから想像していくと、向日葵は人間の頭、つまり生首の例えであると考えることができるのではないでしょうか。この短歌だけでなく、短歌の世界では向日葵は死の象徴として使われるときがままあるのです。
向日葵のもつ負のイメージと主題歌の「himawari」
私が『君の膵臓をたべたい』の主題歌がMr.Childrenの「himawari」と知ったときに驚いところはここです。短歌の世界で、ときに死の象徴として使われる向日葵が、あまりに今回の映画のイメージと重なり過ぎてびっくりしたのです。
明るいものはときに明るすぎて、その正反対の暗闇を際立たせるときがあります。今回の「himawari」も、正にそんな感じなのではないでしょうか。「himawari」の中にこんな歌詞が出てきます。
暗がりで咲いている向日葵
嵐が去った後の陽だまり
~Mr.Children「himawari」~
明るいイメージの向日葵を、あえて暗がりの中に置き、その向日葵の持つ明るさを強調しているような気がします。そして暗に持つ向日葵の死のイメージがあぶりだされているような気がするのです。桜井さんは非常に歌詞で対比を感動的に使われるアーティストだなと改めて思います。
今回の映画『君の膵臓をたべたい』の主題歌にこの題名「himawari」をもってきたのも恐らく対比を意識したのかなと思うのですけれども、向日葵が裏にもっている死のイメージを桜井さんが意識されたとするならば、その感覚の鋭さに改めて驚きを隠せません。
25年という大変長期間の活動歴であるにもかかわらず、いつまでの色褪せない楽曲を作り続けることのできる桜井さんの感性の鋭さにとても驚きました。いつまでもビックアーティストであり続けられるMr.Childrenのすごさを垣間見たような気がします。
今回、このMr.Childrenによる主題歌「himawari」の楽曲入りの予告を見て、映画を見に行きたくなってしまいました。近いうちに必ず見に行ってきたいと思います。
さて、今日は『君の膵臓をたべたい』の予告編を見て、思わずMr.Childrenの魅力を語りたくなってしまい、勢いだけで記事を書いてみてしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
『君の膵臓をたべたい』の本編の感想もいずれ記事にしてみたいと考えていますので、楽しみにしていてください。今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。