商品券と他店商品券の仕訳【勘定科目と取引例の解説】簿記1級

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  当ブログにお越しいただきありがとうございます。会計的お仕事女子のあんがお送りする経理と簿記の仕訳解説シリーズ記事です。今回は簿記1級で扱う商品売買のうち、商品券と他店商品券の仕訳について解説していきます。

  • 商品券や他店商品券とはどんな勘定科目?
  • 商品券を発行したときの仕訳はどうなるの?
  • 商品券で代金を受け取ったときの仕訳は?
  • 他店で発行された商品券で代金を受け取ったときの仕訳はどうするの?
  • 商品券や他店商品券の仕訳の例や練習問題、解説ってないのかな?

 などの疑問やご要望にお答えしていきます。商品券と他店商品券は似ていますが仕訳は異なりますので、しっかり区別できるようにしてください。

 今回も仕訳を切りまくりますので、商品券や他店商品券の仕訳をマスターして、簿記1級の合格へと着実に進んでいきましょう!

 また、経理事務の方で商品券や他店商品券の仕訳の例を確認したいという方も是非ご活用ください。それでは、よろしくお願いいたします。

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商品券とはどんな勘定科目?

  • 自分の店で発行した商品券は商品を引き渡す義務
  • 後日商品を引き渡す義務なので、商品券は負債の勘定科目

  デパートなどは商品を販売する以外に商品券を発行します。デパートのサービスカウンターなどでそのデパートの商品券を買うことができますよね。

 デパートなどが商品券を発行すると、発行した商品券の金額の分だけ後日商品を引き渡さなければならなくなります。後日商品を引き渡す義務なので商品券は負債の勘定科目になります。

 

商品券の仕訳~練習問題と解説

 先ほど書いたように商品券を発行すると後日商品を引き渡す義務が発生するので負債の増加となります。ですから、商品券勘定(負債)の貸方に記帳します。商品券を売って現金などを得られますが売上ではなく負債の増加です。間違いやすいので気を付けましょう。

 また、自分の店で発行した商品券と他店が発行した商品券では仕訳の処理が違います。まずは自分の店で発行した商品券の仕訳を見ていきます。

商品券を発行したときの取引例と仕訳

 では、実際の取引の例で仕訳を見て見ましょう。

取引の例:商品券¥30,000を発行し、現金を受け取った。

仕訳の手順①:現金を受け取っていますから、現金(資産)の増加として現金勘所と金額を借方に仕訳します。

(現   金) 30,000 (     )

仕訳の手順②:しつこいようですが、商品券の発行は後日商品を引き渡す義務の増加です。後日商品を引き渡す義務は負債ですから、商品券(負債)の増加として貸方に仕訳します。

(現   金) 30,000 (商 品 券) 30,000

 

商品代金として当店発行商品券を受け取ったときの取引例と仕訳

 商品を販売し、その代金として自分の店で発行した商品券を受け取ったときには、後日商品を引き渡す義務が消滅する仕訳を行います。つまり商品券勘定(負債)を減らす仕訳をすることになります。

取引の例:商品¥50,000を売り上げ、代金は当店発行の商品券¥30,000と現金¥20,000を受け取った。

仕訳の手順①:商品を売り上げたので、まずは売上(収益)の発生として売上勘定と金額を貸方に記帳しましょう。

(     )     (売   上) 50,000

仕訳の手順②:実際に商品を引き渡したことで、後日商品を引き渡す義務(商品券¥30,000)が消滅します。商品券(負債)を減少させるため借方に記帳します。

(商 品 券) 30,000 (売   上) 50,000

仕訳の手順③:売上¥50,000のうち、¥20,000を現金で受け取っていますから、現金(資産)の増加として借方に記帳して仕訳の完成です。

(商 品 券) 30,000 (売   上) 50,000

(現   金) 20,000

 

 商品券と似たものにプリペイドカードなどもありますが、簿記3級の出題範囲にはなっていません。商品券やプリペイドカードが売れても現金などは手に入りますが、負債が増えるだけです。商品券だけをたくさん売っても直ぐには売上に結びつきませんので会計的にはあまり好ましくない感じがしますね。

 

他店商品券とはどんな勘定科目?

  • 他店で発行された商品券を扱ったときに用いる勘定科目
  • 他店商品券は後日換金できる。
  • 後日換金して代金を受け取る権利なので他店商品券は資産の勘定科目。

  呼び方が商品券と似ているので、他店商品券の仕訳も一度に学習してしまいましょう。加盟百貨店の共通商品券のように、自分のお店と連盟する他のデパートなどが発行する商品券を販売代金として受け取る場合があります。JCBギフトカードなどが思い浮かぶと思います。実際の取引ではこちらの方が取り扱いは多いですね。

 他店が発行した商品券は後で商品券を現金などに交換、つまり買い取ってもらえる権利なので資産になります。つまり現金などと似た扱いになります。他店商品券の方が感覚的に分かりやすいですね。

 

他店商品券の仕訳~練習問題と解説

 商品の販売代金を他店が発行した商品券で受け取ったときは、後日他店にその商品券を買い取ってもらえる権利となりますから、他店商品券勘定(資産)のに記帳することになります。

商品代金として他店商品券を受け取ったときの取引例と仕訳

  それでは、こちらも実際の取引の例で仕訳を見ていきましょう。

取引の例:商品¥70,000を売り上げ、代金は他店発行の商品券¥40,000と現金¥30,000を受け取った。

仕訳の手順①:売上(収益)の発生なので売上勘定と金額を貸方に記帳します。

(     )     (売   上) 70,000

仕訳の手順②:他店商品券で売り上げたので、後日商品券を他店に買い取ってもらえることになります。ですから、他店商品券は資産の増加として借方に記帳します。

(他店商品券) 40,000 (売   上) 70,000

仕訳の手順③:残りの代金¥30,000を現金で受け取っているので、現金(資産)の増加として借方に記帳して仕訳の完成です。

(他店商品券) 40,000 (売   上) 70,000

(現   金) 30,000

 

他店商品券を精算したときの取引例と仕訳

 自分のお店(当店)が他店商品券をもっているのと反対に、他店が当店発行の商品券をもっている場合も考えられます。

 このような場合、お互いの商品券を交換し、差額は現金などで精算します。ちょっとややこしいので、箇条書きでまとめてみます。

  1. 他店商品券(資産)を渡すので減少→貸方に記帳
  2. 当店の商品券(負債)を回収し商品引き渡し義務消滅→借方に記帳
  3. 差額は現金(資産)で処理

  では、こちらも取引の例で見ていきましょう。

取引の例:当店保有の他店商品券¥30,000と他店保有の当店発行商品券¥20,000を交換し、差額を現金で受け取った。

仕訳の手順①:まず他店商品券(資産)を引き渡したので資産の減少として貸方に記帳します。

(     )     (他店商品券) 30,000

仕訳の手順②:次に当店発行商品券(負債)を回収したので借方に記帳します。

(商 品 券) 20,000 (他店商品券) 30,000

仕訳の手順②: 更に差額を現金(資産)で受け取っていますので資産の増加として借方に記帳します。

(商 品 券) 20,000 (他店商品券) 30,000

(現   金) 10,000

 

商品券と他店商品券の仕訳と勘定科目のまとめ

  • 当店発行商品券は商品券という勘定科目を用いる。
  • 商品券は商品を後日引き渡す義務なので負債の勘定科目。
  • 他店商品券は自分以外の企業が発行した商品券を扱うときの勘定科目。
  • 他店商品券は換金して後日代金を受け取れる権利なので資産の勘定科目。
  • 当店発行商品券と他店商品券の交換は打ち消し仕訳

 

 さて、今回は簿記1級の商品売買の仕訳として、商品券と他店商品券の仕訳についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。他店商品券の仕訳は現金の仕訳に近いのでイメージしやすいですが、商品券の仕訳と他店商品券の精算が少々ややこしいですね。何度か確認してください。

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 それでは、試験勉強頑張ってくださいね!無事に簿記1級の試験を突破して会計職でのキャリアップを実現させてください!

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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