自分に感性があるかと考えてみるとき、感性とはあらかじめ備わっているものと思っている人が多いのではないでしょうか。私もそのように考えていた一人でした。個人的に短歌を作歌している関係で、「もっと感性を磨きたい」と考えたことが多々あります。
しかし、「感性を磨く」という言葉のとおり、「感性とは高めていけるもの」だと短歌を作り続け、そう感じるようになりました。
では、一体どうすれば感性を磨いていけるのでしょうか。その答えは、現在も模索中ではありますが、短歌を作歌したり、バンドでオリジナル曲の作曲や作詞をいくつかした経験をもとに、私が感じた「感性の磨き方」をご紹介していきたいと思います。
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目次
感性の磨き方
- 自分が身に付けたいと思う感性をもった方(アーティスト、作家など)を探す。
- 自分が身に付けたいと思う感性をもつ方の作品を読みまくる。
- 自分が身に付けたいと思う感性をもつ方の作品を真似して練習作品を作る。
- 自分が身に付けたいと思う感性を持つ方の作品から2次創作で作品を作る。
- 2、3、4をしている間に適宜オリジナル作品を作ってみる。
ゼロからオリジナルを作るということは、大変難しいことだと思います。ほぼ不可能に近いでしょう。できたとしても、どこかありふれた作品になってしまうことが多いと思います。
しかし、真似して作品を作ったり、2次創作をしていくうちに、その方の感性に不思議とだんだん近づいていくと考えています。実際そうだったように感じています。私も最初のうちは、自分で納得のいく短歌ができるような状態ではありませんでした。しかし、好きな歌人や詩人を見つけて作品を読んだり。真似をして作品を作ってみたり、2次創作をしていくうちに、不思議とその方の感性に近づいていけているように感じています。
まだまだ私も修行中の身ですから、自分が納得できるような作品ができることは、それほど多くはありませんが、確実に最初のころのオリジナル作品と比べると、自分のレベルアップを実感できるようにはなってきました。自画自賛のようで恥ずかしいですけどね(笑)
では、実際に私が短歌を作ったり、バンドのオリジナル曲で歌詞を書いたりしたときに読んでいた本の中から、一人の詩人をご紹介します。
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隠れた名詩人~吉原幸子~
私が短歌を作り始めたのは、もう20年ほど前になります。その割には上達していませんが…。その時に読んで、「この人の感性すごい!」と思った方の一人が吉原幸子さんです。吉原幸子さんについて簡単にご紹介いたします。
- 1932年、東京生まれ
- 代表作…詩集『オンディーヌ』(思潮社)『昼顔』(サンリオ出版)
- 代表作…エッセイ『人形嫌い』(思潮社)『花を食べる』(思潮社)
吉原幸子さんの作品は、みずみずしさと詩的な要素が入り混じっている作品が多いと思います。主に恋愛の詩が多いですが、恋愛による心の傷や甘美さも同時に表現されているところに、吉原幸子さんの詩人としての偉大さと感性の鋭さを感じます。また、生は死と表裏一体であることを意識して表現された詩が多いとも思います。
表現がとても鋭いので、最初に読まれるとちょっとびっくりするかもしれませんが、その鋭さには、何か憧れを感じずにはいられませんでした。特に私が好きな詩は『驟雨』という詩です。一度読んでみていただけると嬉しいです。
現在、彼女の『オンディーヌ』や『昼顔』などの単行本は、手に入りにくくなっていますが、『現代詩文庫56 吉原幸子詩集』(思潮社)や『吉原幸子全詩』(思潮社)などが手に入りやすく、そちらで読むことができます。『現代詩文庫56 吉原幸子詩集』(思潮社)の方が作品数も少なくまとまっていますので、手軽に読んでいただけるかと思います。
今日も長々と書いてしまいましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。自分の好みの作家や詩人、歌人を見付けることが、まずは感性を磨く最初の一歩になるかと思います。私もまだまだ修行中です。頑張りたいと思います。