【村上春樹】マイナー作品から選ぶおすすめ名作本~生きる力の補給

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クーリエ・ジャポン

 15年ほど前から私も村上春樹さんのファンになりました。読み応えのある作品ばかりで、作品数も多く、改めて昔の作品を読んでみようという方は、非常に迷うのではないかと思います。

 そこで、今回は個人的におすすめする村上春樹さんの作品を2つご紹介します。更に、普通に有名な作品から選んでもあまり面白く無いので、マイナー作品(こんなこと言ったら村上春樹さんに失礼ですけど…)の中から、あくまでも個人的な好み、独断と偏見で選ばさせていただきました。

 コアな村上春樹ファンにとってはきっと懐かしいでしょうし、最近村上春樹ファンになった方にはぜひ読んでほしい傑作です。

 よろしくお願いします。

 

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目次

おすすめ村上春樹作品は「羊を巡る冒険」と「ダンス・ダンス・ダンス」

 この2作品は連作になっています。「羊をめぐる冒険」の続きが「ダンス・ダンス・ダンス」という構成になっています。

 マイナーというほどではないかもしれませんが、村上春樹さんの代表作としては、それほど挙がってこない作品かと思います。しかし、村上春樹作品の特徴であるファンタジー性が程よい感じで味わえる作品になっていて、この2作品を読んで気に入る方は恐らく他の村上春樹作品も気に入る可能性が高いと思います。ちなみに題名は「ダンス・ダンス・ダンス」ですが、ダンスとは全く関係ありません。最後まで読めばその意味が分かりますよ。

 ファンタジー系の作品ではありますが、根底に流れるのは人間性の本質の追求です。リアリズムではなくファンタジーから人間性に迫るのも村上春樹作品の特徴と言えるでしょう。

 それでは、2作品の魅力とおすすめする点をいくつかご紹介していきますね。

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「羊をめぐる冒険」の魅力

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

 
羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

 

 「羊をめぐる冒険」は、「初期の青春三部作完結編」とも言われますので、「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」からの続編でもありますが、先の2作品と比べてもファンタジー色の強い作品になっています。

 登場人物がかなり変わっていたりと一見風変わりな感じを受けるかもしれません。文章も初期のものに入る作品なので、少々荒い感じはします。しかし、この雰囲気を受け入れられるのではあれば、かなり面白く読み進められると思います。村上春樹ファンの素質ありということです。

 個人的に感じている「羊をめぐる冒険」の魅力は、羊にまつわる謎を追っていく、ミステリー的な要素があって読みやすいところと「耳の素敵な女の子」との恋愛的要素がある部分が大きいかと思います。

 あまり詳しく書きすぎると内容が分かってしまうので、ほどほどで控えますが、どちらかと言えば閉塞感のある形で結末を迎えます。この閉塞感から続編の「ダンス・ダンス・ダンス」とつながっていくわけです。

 

 「ダンス・ダンス・ダンス」の魅力

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

 
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

 

 「ダンス・ダンス・ダンス」は「羊をめぐる冒険」から4年後の話です。舞台をほぼ同じく北海道として物語は繰り広げられます。主人公も同一人物です。かなり厚めの上下巻からなる長編小説ですが、「羊をめぐる冒険」を楽しく読み進められたのならば、ほぼ間違いなくこちらも気に入っていただけると思います。個人的には「ダンス・ダンス・ダンス」が村上春樹作品の中では一番好きです。

 「ダンス・ダンス・ダンス」にもユミヨシさんという素敵な女の子が出てきて、主人公との恋愛を繰り広げます。村上作品の主人公は大抵いつでもモテモテです。

 文章自体も初期作品の部類に入る「羊をめぐる冒険」と比べ、村上春樹さんの比喩を巧みに使った文章の魅力が多く感じられるようになっています。詩歌好きの方も楽しんで読めると思います。村上春樹作品の大きな魅力は、このように文章が詩的であるということです。「小説なのに詩のように読める」という感覚を大きく味わえるのは、この「ダンス・ダンス・ダンス」以降の作品からだと思います。

 ファンタジー要素とリアリズム要素のバランスもほどよく、読みやすさで言えば「羊をめぐる冒険」よりも「ダンス・ダンス・ダンス」の方が読みやすいでしょう。

 結末も希望がもてる開けた形で、読後感もすっきりしているかと思います。私も個人的に辛いときや頑張らなくてはいけないときにちょうど読んで、その結末から勇気や生きる力をいただいた記憶があります。

 

「羊をめぐる冒険」と「ダンス・ダンス・ダンス」どちらを先に読む?

 作品として個人的に好みなのは、断然「ダンス・ダンス・ダンス」なのですが、連作ものですので、「ダンス・ダンス・ダンス」をより楽しんで読んでいただくためにも「羊をめぐる冒険」から読んでいただくほうがおすすめです。

 ただし、読みやすさと作品としての魅力は「ダンス・ダンス・ダンス」の方が一つ上かなと思いますので、作品としてより魅力的な「ダンス・ダンス・ダンス」から先に読んで、「羊をめぐる冒険」を後回しにし、「ああ、そういう感じだったのね」と追憶しながら読むのもありかとは思います。

 このあたりは皆さんの好みで読み始めていただければよいのではないでしょうか。

 

「羊をめぐる冒険」と「ダンス・ダンス」の魅力のまとめ

  1. ファンタジーだけど本質は人間性の追求
  2. 主人公と素敵な女の子との恋愛要素
  3. 羊を中心にした謎を追うミステリー的要素
  4. 小説なのに詩を読んでいるかのように感じる文章
 
 以上、長々と書いてきましたが、あくまでも個人的な好みを書いてきましたので、ご容赦ください。このブログを通じて村上春樹ファンがさらに増えると嬉しいなと思います。最後まで読んでいただいき、ありがとうございました。
羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

 
羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

 
ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

 
ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)