短歌の例【有名な現代の傑作!】中学生・高校生や大人向けお手本15首

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 当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。シリーズで続けていた短歌の作り方の連載記事ですが、今回で6回目となりました。今回は…

  • 宿題で短歌を作ることになったんだけど、ちょうどいい例はないかな?
  • 有名な短歌でお手本になるような短歌はないのかな?
  • 現代の有名な短歌の例を読んでお手本にしたい!

 などと感じている中学生・高校生のみなさんにちょうどいいお手本や例になる現代の短歌を10首ご紹介します。もちろん大人の方もよい参考になりますよ。

 お手本にするには現代の短歌の方が言葉遣いも現在のものとほぼ同じで使いやすいと思います。

 短歌作りが上手になるためには、よい短歌の例にたくさん触れることが大事です。自分がお手本にしたいような好きな短歌の例を見付けるのは短歌上達の近道でもあります。

 よい短歌の例にたくさん触れて、上手に短歌を作れるようになってくださいね!短歌作りは決して難しくはないので、慣れてくるとNHK短歌などでの投稿入選も果たせます!あなたの短歌がテレビで紹介される日も近いかも。

 それでは、よろしくお願いいたします。

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現代の短歌の例~有名な女性歌人の傑作~恋愛編

俵万智さんの短歌の例

寄せ返す波のしぐさの優しさにいつ言われてもいいさようなら

 

思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ

 

落ちてきた雨を見上げてそのままの形でふいに、唇が欲し

 

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

 

たっぷりと君に抱かれているようなグリンのセーター着て冬になる

 

潮風に君のにおいがふいに舞う 抱き寄せられて貝殻になる

 

約束のない一日を過ごすため一人で遊ぶ「待ち人ごっこ」

 

          ~『サラダ記念日』 

  俵万智さんの短歌は、身近なものから発想を得ているものが多く、作歌の参考にしやすい短歌が多いと思います。言葉も口語(普段の話し言葉)で書かれていて分かりやすいです。文語(古典の様な言葉)が苦手な方にもちょうどよいのではないでしょうか。読んで意味が分かりやすいのでお手本にしやすいと思います。ちょっと多めに引用しておきますね。

 分かりやすい言葉を使っていますが、取り上げている題材は、普段気が付かなかったようなところに焦点を当てているものが多く、細やかな感性を磨きたい方にも、ちょうどいいのではないでしょうか。

 俵万智さんについてもっと知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

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今野寿美さんの短歌の例

どうしてもつかめなかった風中の白き羽毛のやうなひとこと

          ~『花絆』

 

冬ごもりふたり重ぬる時のほか殖えゆくもののあらば教へよ

 

だまし絵に騙されてゐるいつときが思ひのほかの今日のしあはせ

          ~『星刈り』

 今野寿美さんは「りとむ」という短歌結社を創設した方です。1952年生まれと、経歴実力ともに大御所に入るような歌人かと思います。少々文語が入りますが、今野寿美さんも割合に分かりやすい言葉で表現される方なので、お手本にちょうど良いと思い、引用させていただきました。

 引用させていただいた短歌の例からも感じられますが、優しさと透明感を基にすることで人生の残酷さを際立たせるような短歌が多いように思います。

 また、恋人の言葉を「白き羽毛」に例えたり、時を重ねるとと体を重ねるをかけて表現したり、恋人とのやり取りを「だまし絵」に例えたりと、別の物に例えて表現する比喩に大変優れた歌人でもあります。短歌そのものだけでなく感性も「お手本にしたいな」と感じる歌人の一人です。

 

現代の短歌の例~有名な男性歌人の傑作

佐佐木幸綱さんの短歌の例

君は信じるぎんぎんぎらぎら人間の原点はかがやくという嘘を

          ~『直立せよ一行の詩』

 

俺は帰るぞ俺の明日へ 黄金の疲れに眠る友よおやすみ

 

噴き出ずる花の林に炎えて立つ一本の幹、お前を抱く

          ~『夏の鏡』

 佐佐木幸綱さんは先ほどご紹介した俵万智さんの師匠に当たる方です。勢いの感じられる歌が多いことで有名です。また、1938年生まれとこちらも超大御所の方なのですが、同じ時代の歌人たちと比べて口語を使用する短歌が割合に多いと思います。そのため、直球勝負で力強く伝わってくる短歌が多く、文語を使用する他の大御所勢と比べても読みやすい短歌が多いと思います。門下の俵万智さんもそのあたりの影響を受けているのかもしれませんね。

 

寺山修司さんの短歌の例

一本の樫の木やさしそのなかに血は立ったまま眠れるものを

          ~『血と麦』

 

生命線ひそかに変へむためにわが抽斗にある 一本の釘

          ~『田園に死す』

  以前の記事でご紹介した寺山修司さんの短歌です。ご紹介している短歌は、社会批判よりも自分の心情を詠んだのではないかなというものを選んでみました。そのほうが自分で作るときの参考にしやすいはずです。短歌は文字数が短いので、社会批判的な短歌を作るのはちょっと難しくなります。

 こうして見てみると、他の歌人の方々とは違う感性をもっている方の様な気がします。静かに抱いた強い決意のようなものが感じられるのではないでしょうか。「血は立ったまま眠れる」という表現や釘で生命線を自分で変えるという感性もちょと過激で独特な感じがします。「血」を題材にしたところに、民族性などの社会性も感じますね。

 

 今回ご紹介させていただいた短歌は、全てこの本に載っています。また、多くの歌人の短歌が抜粋して掲載されているので、参考にしたい短歌を探すのにとても便利です。よろしかったらどうぞ。

現代の短歌 (講談社学術文庫)

現代の短歌 (講談社学術文庫)

 

 

 さて、今回は有名な現代歌人の方の作品からお手本にしやすそうな現代の短歌の例を選んでご紹介してみましたがいかがでしたでしょうか。

 特に俵万智さんの短歌は語句も分かりやすいので参考にしやすいと思います。難しい言葉は使っていないけれど表現や題材がありきたりになっていないところに俵万智さんのすごさを感じます。

 今回ご紹介した中に気に入った短歌がありましたら、是非同じ歌人の違う短歌も読んでみてください。それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 ところで、今回の記事を読んで短歌作りに興味をもった方は、ココナラ でプチ歌人デビューしてみませんか?ココナラ なら自分で作った短歌を気軽に出品することができますよ!

 

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