当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。元合唱部のあんがお送りする合唱曲シリーズ記事です。今回は中学校の合唱コンクールの合唱曲として人気の高い『HEIWAの鐘』(平和の鐘)の1曲のみを徹底解説していきます!
- 合唱コンクールで『HEIWAの鐘』(平和の鐘)を歌うことになったんだけど、優勝をねらいたい!
- 『HEIWAの鐘』(平和の鐘)を合唱コンクールで歌うんだけど、なかなか上手く合唱できなくて…歌い方のコツやポイントが知りたい!
- 『HEIWAの鐘』(平和の鐘)の合唱指導をすることになったんだけど、コツやポイントは?
などのようなお悩みを解決するよう記事をまとめていきます。『HEIWAの鐘』(平和の鐘)の概要や歌い方のポイント、コツなどについて詳しくご紹介していきますね。
『HEIWAの鐘』(平和の鐘)を素敵な合唱に仕上げて、最高の合唱コンクールを実現させてくださいね!
それでは、よろしくお願いします。
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合唱曲『HEIWAの鐘』(平和の鐘)の概要
- 作詞・作曲:仲里幸広
- 合唱形式:同声二部合唱版と混声三部合唱版、混声四部合唱版が存在
- 中学校の合唱コンクールでよく歌われる合唱曲です。
合唱曲『HEIWAの鐘』(平和の鐘)は、シンガーソングライターの仲里幸広さんが作詞・作曲した曲が基になっている合唱曲です。
2000年の九州・沖縄サミットで紹介されて以来注目を集めた曲です。その後、白石哲也さんの編曲により合唱曲としても歌われるようになりました。2005年度には高等学校の音楽の教科書にも採用されています。
よく『平和の鐘』と漢字で表記されることがありますが『HEIWAの鐘』のように平和の部分はローマ字で表記するのが正式版です。
小学校では同声二部版、中学校では混声三部版が、高等学校では混声四部版がよく歌われます。
大変勢いのある曲調の合唱曲ですが、『HEIWAの鐘』(平和の鐘)という題名の通り戦争と平和をテーマにした曲になっています。その勢いのある曲調が表す通り、戦争の悲惨さよりも、平和の力に焦点をあてて合唱の歌詞や世界観が作られています。
また、勢いのある曲調になっていますが、ハモリ部分の多い曲です。勢いに任せ過ぎて音を外さないように気を付けなければならない合唱曲になっています。ハーモニーと勢いと声量重視の合唱曲です。体力勝負の合唱曲と言ってもいいでしょう。かなり体育会系の合唱曲です。特に男声パートの声量が仕上がりの成否を分けます。
曲調の変化はあまりありませんが、掛け合いも適度に入っているので、難易度は普通よりちょっと難しいぐらいだと思ってください。また、パワーのある合唱曲ですので、課題曲がしっとりした合唱曲の場合、『HEIWAの鐘』(平和の鐘)を自由曲として選ぶと対比が効いてインパクトが出せるのでいいと思います。
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合唱曲『HEIWAの鐘』(平和の鐘)の歌い方のコツとポイント
今回は中学校の合唱コンクール向けに、混声三部合唱編の『HEIWAの鐘』(平和の鐘)の歌い方のコツやポイントについて解説していきますね。高等学校で歌われるの混声四部合唱編の参考にも充分なりますので、混声四部合唱編を合唱する方も、是非最後までお読みください。
1番:前奏直後のコツとポイント
鐘の音を表すような勢いのあるピアノの前奏が4小節続いた後に「LALALA」で歌い出します。歌い出しから声量を出していく曲ですので、前奏を聴きながら気持ちを盛り上げていくと共に、ブレス(息継ぎ)をしっかりとっておていて、最初の声をはっきりと出せるようにしておきましょう。
特に「LALALA」の部分は後に続くAメロより強めに歌う感じで声を出してください。最初から一気に盛り上げていきます。
ソプラノ、アルト、男声パートが出だしからいきなりハモりでスタートしますので、頭部分の音取りに要注意です。ハモリはユニゾンからハモリに分かれるよりも、最初から別の音になる方が難しいので十分にパート練習をしておきましょう。
♩=120とまずまず速いテンポですので、ブレス(息継ぎ)のタイミングが難しくなってきます。素早く深いブレスが出来るようにして、できるだけ一息で多くの小節を歌いきれるようにしましょう。そうしないと、最後のに伸ばす全音符の部分をしっかり4拍伸ばせなくなるので要注意です。
1番:Aメロのコツとポイント
「よみがえれあの時代(とき)へ」からが1番のAメロになります。Aメロは全パートユニゾンですから声量コントロールに意識を集中しましょう。出だしの「LALALA」の勢いを保ったまま十分な声量を保ち、歌い続けてください。声量を保ち続けるためには、ブレス(息継ぎ)をしっかりと取るのが重要です。
またこの部分はリズムにしっかりと乗るのも大切です。付点8分音符と16分音符のシンコペーション部分のリズムを外さないように気を付けてください。「よみがえれ」「みがえーれ」の「タンタータタタ」の部分などがそれにあたります。
Aメロは声量コントロールとリズム取りの意識を高くもって歌いましょう。
1番:Bメロ前半のコツとポイント
「脅かすことでしか」の歌詞の部分からが1番のBメロになります。Aメロと比べると少しだけ曲調が落ち着いた感じになります。
男声パートはハミングでBメロが始まります。このハミングをきれいに決めると落ち着いた曲調を演出できます。2分音符でのハミングですが、ハミング部分は切れ目が出ないように一息で歌いきるようにしてください。また、ハミングは主旋律を引き立てる役目を持ちますので、声量を上げすぎないように気を付けましょう。
男声パートはハミングの後少し高めの音でハモりを担当します。ハミングとハモリが交互にやってくる感じです。低い音でハミングしているのでいきなり高い音になると地声になりやすいですが、きれいな裏声でハモリが出来るように気を付けてください。
またBメロの男声パートのハモリは同じ音を歌い続けます。同じ音を出し続けるのは簡単なように思いますが、同じ高さの音を出し続けていると音が下がっていきやすいので注意です。
Bメロは男声パートが合唱の仕上がりを左右します。男声パートのみなさんはBメロ部分の練習に力を入れるといいでしょう。男子のみなさん頑張って!
1番:Bメロ後半のコツとポイント
「いつか 自由な空が」の歌詞の部分からがBメロの後半です。Bメロの後半は男声パートの主旋律から始まります。前半も男声パートので注意事項が多かったように、Bメロ部分の合唱のポイントは男声パートが握っていますので頑張りましょう!男子の皆さん、気合入れて練習してください!
掛け合いはリズムがそれほど難しくなく、他のパートと重なる部分もあまりないので合わせるのには苦労しないと思います。その分他のパートをしっかり聞いてタイミングぴったりで入れるようにしましょう。他のパートを聴きながら歌えるようになると、合唱の完成度がかなり上がっていくので挑戦してみてください。
「幸せ贈るだろう」の部分で全パート合流です。男声パートがかなり高い声でハモります。とても目立ちますし、決まるとハーモニー感がぐっとアップします。男声パートのみなさんは出所ですから気合入れてくださいね。
主旋律の女声パートを食ってしまうぐらいの声量でちょうどいい感じです。男声パートは裏声のきれいな発声で、かつ声量大きめでハモれるように頑張ってください。
また「幸せ贈るだろう」の部分は次のサビへ向けて盛り上げてつなげられるよう、クレッシェンドで声量を大きくしながら歌ってください。
1番:サビのコツとポイント
「僕らの生まれた この地球(ほし)に」の歌詞の部分からが1番のサビになります。強弱記号はフォルテです。声量を最大開放して、思いっきり盛り上げてください。
掛け合いは無く、全パート同じリズムで歌いますから、音取りと声量と全体の一体感をもたせることに意識を集中して歌ってくださいね。
出だしから全パート別の音とで歌い出しますので、出だしの音取りは少々難しくなります。ソプラノは高いミの♭、アルトはラの♭、男声パートはドです。この音を一発で取れるようにパート練習で力を入れておいてください。
勢いのある曲調のまま最後まで歌い続けます。声量が落ちないようブレス(息継ぎ)を素早く深く出来るように気を付けてください。サビでは「僕らの生まれた この地球(ほし)に 奇跡を起こしてみないか」などのように4小節をブレス(息継ぎ)なしで一息で歌います。途中にブレス(息継ぎ)を挟むと失速した感じになってしまうので、4小節一息で歌えるように練習してください。
サビのラスト「君の胸に響くよ」の「よ」は8拍伸ばします。8拍は♩=120でもかなり長いですが、ここをしっかり伸ばせると聴き手にもかなりのインパクトを与えられますので頑張りどころです。
「平和の鐘は」の直前か直後で素早く深いブレス(息継ぎ)をとっておき、サビラストの8拍伸ばしに備えてください。出来れば「平和の鐘は」の直前でブレス(息継ぎ)を取り、「平和の鐘は 君の胸に響くよ」を一息で歌いたいところですが、これはかなりきついと思います。
そこで、合唱者の技量に応じて「平和の鐘は」の直後、「君の」の直後など、最初のうちはブレス(息継ぎ)のポイントを増やしておいて、少しずつブレス(息継ぎ)の回数を減らしていくように練習するのがコツになります。
まずは、ラストの8拍を声量をたもったまましっかり伸ばし切っ歌えるようにしてください。
このサビの部分は作詞者が一番伝えたいメッセージ性の高い部分です。そのため、掛け合いを使わずに全パート同じリズムの旋律で合唱する編曲になっています。全パートのタイミングがバッチリそろうと迫力満点です!歌詞もしっかり聴き手に伝わるようにハキハキ発声してください。
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2番:Aメロのコツとポイント
「唄い踊り助け合った」からが2番のAメロになります。基本的には1番のAメロと歌い方のコツやポイントは同じですので、2番で特に気を付けてほしい部分に絞って解説をしていきます。
まず「踊り助け合った」の部分のリズムが1番と少々違います。特に「踊り」の部分が早口になります。また「助け合った」の部分も1番とはリズムが違いますので、この部分をしっかり区別して歌えるように気を付けましょう。このような部分が2番のAメロにはいくつかあります。1番とのリズムの区別をしっかりと付けておきましょう。「誇る島の魂を」の「島の」の部分もそれにあたります。
1番よりもリズムが細かく速い部分がいくつか出てきますので、1番よりも口をしっかりと開けてハキハキと歌うイメージで合唱してください。
2番:Bメロ前半~後半のコツとポイント
「銃声が鳴り響き 海や大地が砕け散る」からが2番のBメロ前半部分となります。こちらも基本的には1番のBメロ前半とコツやポイントは同じですので、特に気を付けて欲しいところだけを解説します。曲調はAメロよりやや落ち着いた感じになりますので、ほんの少しだけ声量を抑えるようにしましょう。
2番のBメロ前半も1番のBメロ前半とは旋律が似ていてもややリズムの違う部分があります。「銃声が」の「じゅう」は一度に発声する感じですし、「砕け散る」の部分も1番とは旋律もやや異なりますしリズムも少々違います。
このような部分をしっかりと押さえておきましょう。1番を歌えるようになったからと言って油断せず、1番と2番の旋律の微妙な違いもしっかり歌えるように練習をしておいてください。
「フェンスを飛び越えて」の部分は男声パートがぐっと前に出るように声量を上げましょう。ハモり感が倍増して鳥肌ものですよ。本当にフェンスを飛び越えちゃいそうな勢いで!主旋律の女声パートを食ってしまうつもりで気合入れて歌ってください。
Bメロ後半も1番とほぼ変わりません。男声パートが重要になってきますので男子の皆さん練習頑張ってくださいね。
また、『HEIWAの鐘』の合唱曲の歌詞の内容は後半になるにつれて平和の力を意識した内容になっていきます。後半の方が合唱曲のメッセージ性として重要になってくるとういわけです。前半の勢いを衰えさせることなく、後半へ向けてどんどん力強くなっていくイメージをもち続けて合唱してください。
2番:サビ~Bメロ後半のコツとポイント
「僕らの生まれたこの地球(ほし)に」からが2番のサビになります。歌詞も1番と同じですし、コツやポイントは同じです。
ただし、サビを1回歌った後にBメロ後半の旋律に一度戻ります。Bメロ後半の旋律に戻ったときは一度声量をほんの少しだけ抑えておきましょう。この後にもう一度サビを繰り返します。ラストサビが一番盛り上がるように、布石を打っておくのです。
繰り返しの多い曲ですから、単調にならないようにしなければなりません。そのためにはボリュームコントロールで合唱曲にメリハリを付けるというわけです。
ただし、勢い勝負の合唱曲ですから声量の抑えすぎには気を付けてください。あくまでもほんのちょっとだけです。
2番:ラストサビのコツとポイント
ラストサビの歌詞も「僕らの生まれたこの地球(ほし)に」となっています。同じ歌詞と旋律の繰り返しです。しかもラストサビは2回繰り返しになります。2回目の繰り返しが一番声量が大きくなり盛り上がるようにしてください。
ただし、先ほどから何回も書いているように『HEIWAの鐘』という合唱曲は勢い勝負の合唱曲です。特にサビの部分ですから下手に声量を抑えようとしないほうがいいと思います。
では、どうすればいいのかというと、2回目のサビを歌う時に1回目よりさらに大きくなるようにするしかありません。最大声量を超えるつもりで魂を込めてください!
もちろん「君の胸に響くよ」の「よ」は8拍しっかり伸ばし切ってくださいね!う~ん…こうして書くと結構鬼のような合唱曲(;^_^A
この合唱曲では息切れしないことが一番重要です。素早く深いブレス(息継ぎ)をしっかりとって、勢いをたもったまま歌い続けてください。ちなみに私がいた合唱部では『HEIWAの鐘』の合唱練習をすると肺活量が上がるという言い伝えがありました。そのくらい声量を要求される合唱曲になります。
ラストは冒頭部分の「LALALA」に戻ります。ここはほんの少しだけ声量を抑えますが、ラストの「LA」の8拍はしっかり伸ばし切るとともに、ややクレッシェンド気味に少しずつ伸ばしながら声量を少しずつ大きくしていってラストを飾ってください。
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合唱曲『HEIWAの鐘』(平和の鐘)ピアノ伴奏のコツとポイント
まずは前奏です。鐘の音を象徴するような2分音符のコード弾きになっていますが、これはしっかりと打鍵しましょう。鐘の音のように響くよう、タッチは強めを意識してください。
右手は難しくありませんが左手の8分音符と4分音符のシンコペーション的な部分が結構速くて難しいと思います。しかし、この左手のベース音が伴奏に勢いを付け曲調を決めますので、左手の伴奏はテンポをキープし、リズムを正確に弾けるように練習してください。
このことは『HEIWAの鐘』のピアノ伴奏全体にも言えることです。左手のオクターブの動きなどが多く出てきます。左手が弱くなると伴奏の印象が薄くなりすぎますので、左手もタッチを強めに弾くよう意識して伴奏してください。左手だけでの伴奏練習の時間も多めに取った方がいいでしょう。
伴奏の曲調で変化が付くのはBメロ部分です。Bメロ前半はレガート気味に、Bメロ後半の部分はスタッカート気味に弾くといい雰囲気が出せると思います。
ピアノ経験者でしたらそれほど難しい伴奏ではないと思いますが、ダンパーペダルに頼り過ぎないように気を付けてください。ダンパーペダルを踏みっぱなしにしてしまうと歯切れが悪くなります。小刻みなダンパーペダル操作をするよう心掛けて演奏してみてください。
さて、今回は中学校の合唱コンクールなどで人気の高い合唱曲『HEIWAの鐘』(平和の鐘)について徹底解説してきましたがいかがでしたでしょうか。歌っていて気持ちのいい合唱曲ですので、歌い切った後はきっと良い爽快感がありますよ。
ぜひ練習を頑張って、感動的で躍動的な歌声を合唱コンクールで披露し、合唱が作り出す一体感を味わってくれればと思います。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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