当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。フィギュアスケートシーズンとなり、グランプリシリーズ観戦に夢中のあんです。観戦歴15年のフィギュアおたくのあんが、グランプリシリーズ2017NHK杯の宮原知子選手の結果と分析をお送りいたします。
日本女子フィギュアエースの宮原知子選手ですが、NHK杯が今シーズン初戦となります。左股関節疲労骨折で戦列を離れ、約11カ月ぶりに復帰した宮原知子選手ですが、結果はどうだったのでしょうか。すごく気になりますね。それでは、今回もよろしくお願いします。
宮原知子選手のプロフィール
結果分析の前に宮原知子選手のプロフィールを簡単におさらいしておきましょう。
- 生年月日:1998年3月26日
- 身長:152㎝
- 2014~2015年シーズン戦績:世界選手権2位 全日本選手権1位
- 2015~2016年シーズン戦績:GPファイナル2位 全日本選手権1位
- 2016~2017年シーズン戦績:GPファイナル2位 全日本選手権1位
小柄な選手ですが、ジャンプもしっかり跳べます。表現力が豊かな選手で演技構成点で高得点を取れる選手です。世界選手権2位、GPファイナル2位など、世界のトップレベルで争うことのできる選手です。怪我で11か月間競技からは離れ、昨シーズンの世界選手権は棄権しています。ジャンプの練習ができない時期もありました。今回のNHK杯が復帰戦となります。
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ショートプログラム結果分析
- NHK杯 技術点:31.02 演技構成点:34.03 合計:65.05
復帰戦ということもあり、昨シーズンから比べるとやや点数が下がっています。本来の力を発揮すれば合計で70点以上は確実に取れる選手です。特に技術点が本来の力と比べると物足りないでしょう。技術点で40点は越えられる力をもった選手ですので、試合勘を早く取り戻してほしいと思います。
技術点について
技術点とはジャンプやスピン、ステップなどそれぞれの技に付く点数です。難易度により基礎点があります。その基礎点に出来栄えで加点や減点がされます。
今回のNHK杯ショートプログラム、宮原知子選手の技術点は技術点:31.02でした。冒頭のジャンプは3回転ルッツ→3回転トウループの予定でしたが、コンビネーションにするトウループが2回転になってしまいました。3回転ルッツでのトウの蹴りがやや浅く、高さが足りなかったように見えました。
スピンはさすがの出来で、軸ぶれが全くなく、回転速度も速く一定で大変美しいスピンでした。
次の3回転ループはきれいに決まりましたが、ややジャンプに入る前の構えの時間が長くなっているように思います。
ステップは上下の動き、手数も多く素晴らしかったです。
最後のジャンプのダブルアクセルもきれいに決めましたが、こちらもややジャンプ前の構えの時間が長いです。復帰初戦ということもあり、ジャンプの感覚がまだ戻ってきていないように思いました。
演技構成点について
演技構成点は演技全体に付けられる点数です。大まかに言うと表現力を評価します。審判5人がそれぞれジャッジし、点数が決まります。審判1人の満点は10点で、5人の合計に係数がかけられて点数が決まります。
今回のNHK杯ショートプログラム、宮原知子選手の演技構成点は34.30でした。審判5人全てから8点以上取ることが出来ました。表現力はさすがだと思います。
フリースケーティング結果分析
- NHK杯 技術点:58.23 演技構成点:68.52 合計:126.75
昨シーズンまでの実績で考えると、フリースケーティングの合計点は140点以上は取れる力をもった選手です。やはり、まだまだ本来の出来ではないという感じがします。普通は演技構成点より技術点の方が高くなる傾向がありますから、やはりジャンプを中心とした演技の感覚がまだ本来のものではないのでしょう。
技術点について
技一つ一つに付けられる点数の合計によりはじき出されるのが技術点です。今回のNHK杯フリースケーティングでの宮原知子選手の技術点は58.23でした。
冒頭3回転ループは大変きれいに決まったと思います。次の3回転ルッツ→3回転トウループも見事に決めました。ルッツジャンプの感覚を1日で取り戻してきたのはさすがです。
単独の3回転フリップは2回転になってしまいましたが、3回転ルッツ→2回転トウループ→2回転ループのコンビネーションをしっかり決めています。3回転ルッツからトリプルのコンビネーションを跳べるのは大変素晴らしいですね。
途中のダブルアクセルはコンビネーションの予定でしたが単独になってしまいました。しかし、最後の単独予定のダブルアクセルに3回転トウループをつけてリカバリーすることができました。このあたりの冷静さは、復帰戦といえどもさすがエースといったところです。
残念なのは単独の3回転サルコウの跳びあがる方向がずれ、転倒まではしませんでしたが、大きく失敗してしまいました。2回転になってしまいましたし、着氷も乱れています。また、3回転フリップも回転しきれず2回転になりました。ややジャンプでの失敗が多かったように感じます。
演技構成点について
演技全体の表現力に対して付けられる演技構成点は68.52でした。5人の審判団が1人10点満点で点数を付け、それに係数がかけられて点数が決まります。女子のフリースケーティングの係数は1.6です。
審判団5人から全て8点以上を取っている好成績です。表情も豊かで、手の動きなども細かいところまで神経を通して動かしている感じがします。表現力は本当に見事だと思います。
体力面で完全に回復していないせいか、ジャンプ間の動きなどのつなぎの部分で動きがやや少ないように思います。今後はこの辺りが課題になるのではないでしょうか。
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グランプリファイナル進出・オリンピック代表の可能性は?
- ショートプログラム:65.05 フリースケーティング:126.75 合計:191.80
- NHK杯 総合5位
残念ながら女子フィギュアで世界で戦う一つの目安になる200点は越えることが出来ませんでした。全体的にジャンプの安定感が、まだまだ本来の調子ではなさそうです。スピンは回転も速くきれいです。ステップも美しいですが、もう少し手数は増やせそうに感じました。体力面での復調がまだ7割程度との話も聞きますので、これからプログラムの完成度を上げてくることでしょう。
フリースケーティングで基礎点が1.1倍になる後半のジャンプも、もう1つくらいは増やせそうです。シーズン中の大きな構成変更は恐らくないでしょうから、このあたりは来シーズン以降に期待といったところでしょう。
今回5位だったこともあり、シリーズ第6戦のアメリカ大会では優勝してもGPファイナル進出は、できるかどうか分からない状況です。おそらく、グランプリシリーズは調整のつもりで、12月の全日本選手権に標準を定めていることと思います。全日本選手権優勝一本でオリンピック代表を狙ってくるのではないでしょうか。それまでにジャンプの成功率やジャンプに入る前の構えの時間を短くして技術点を上げていってほしいですね。
全日本選手権一発勝負!う~ん、ドキドキしちゃいます!
オリンピック出場争いの激化
今回、宮原知子選手が200点を越えていないことで、平昌オリンピック代表枠の争いが更に熾烈になりそうです。宮原知子選手がどこまで復調してくるかにもよりますが、現時点での点数ですと、樋口新葉選手が210点台で一歩リードしています。GPシリーズ200点台の三原舞依選手、190点台の本田真凜選手や坂本花織選手にもチャンスが出てくるかもしれません。
この先、女子フィギュアのオリンピック代表枠争いから目が離せないですね。
さて、今回は怪我からの復帰戦となった、宮原知子選手のグランプリシリーズNHK杯の結果分析をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。早く本来の調子を取り戻して欲しいと思います。今後の試合を確実にこなしていって、全日本選手権での日本女子フィギュアエースの復活を期待したいですね。
それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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