みなさんこんにちは。今日も当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。フィギュアスケート観戦歴15年のフィギュアおたく、あんがお送りするフィギュアスケートシリーズ記事です。今回は、フィギュアスケートのジャンプでもかなり難しいとされるルッツジャンプについて主に解説したいと思います。
ルッツジャンプ、実はかなりエグいジャンプです。詳しく見て行くと跳べるのが奇跡的に思えるくらいなのです。それでは、早速始めていきますね。今回もよろしくお願いします。
各ジャンプの難易度
まずは、ルッツジャンプの難しさをより実感していただくために、その他のジャンプのついても簡単に見ておきましょう。最初は各ジャンプを難易度順に並べてみます。
- トゥループ→サルコウ→ループ→フリップ→ルッツ→アクセル
左側が一番易しく、右側が一番難しいとされます。ただし、アクセルジャンプは半回転多いので、他のジャンプとはちょっと別物です。
トリプルアクセルで有名な浅田真央選手は、ルッツジャンプが苦手でした。女子で唯一4回転を跳ぶことに成功した安藤美姫選手はトウループより、サルコウの方が得意だったようです。成功させた4回転もサルコウでした。
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各ジャンプの簡単な解説
一般的な反時計回り(左回転)のジャンプで説明します。まれに、他の選手とは逆回転の時計回り(右回り)のジャンプをする選手もいますが、その場合は足の左右が入れ替わります。
ちなみにアクセルジャンプ以外は全部後ろ向きで跳びます。アクセルジャンプは前向きに跳びます。着氷は全てのジャンプが右足になります。
トウループ
- 後ろ向きに跳ぶ。
- 左足によるトウ(つま先)でリンクを蹴って跳ぶ
- 軸足は右足。
- コンビネーションの2回目に入れられることが多い。
サルコウ
- 後ろ向きに跳ぶ。
- 軸足の左足のエッジのみで跳ぶ。
- 右足トウの蹴りはない。
- 右足がやや後ろに残るような構えで入ることが多い。
ループ
- 後ろ向きに跳ぶ
- 軸足の右足のエッジのみで跳ぶ
- 左足トウの蹴りはない。
- コンビネーションの2回目や3回目に入ることが多い。
フリップ
- 後ろ向きに跳ぶ。
- 右足によるトウでリンクを蹴って跳ぶ
- 軸足は左足で回転内側のエッジに乗る。
ルッツ
- 後ろ向きに跳ぶ。
- 右足によるトウ(つま先)でリンクを蹴って跳ぶ
- 軸足は左足で回転外側のエッジに乗る。
アクセル
- 前向きに跳んで後ろ向きに着氷。
- 軸足の左足で跳ぶ。
- 右足は振って勢いを付ける。
ざっとですが以上のような感じです。全て覚えるのはちょっと大変ですので、
- トウの蹴りが入るのはトウループとフリップ、ルッツ
- トウの蹴りがないのはループとサルコウ
- 前向きに跳ぶのは半回転多いアクセルだけ
この3つを覚えるだけでもかなり判定できるようになってくると思います。また、着氷は必ず右足ですので、コンビネーションの2回目以降のジャンプは右軸足になるトウループかループになることがほとんどです。
ルッツジャンプの難しさ
さて、ざっとジャンプの種類を見てきたところで、いよいよ本題のルッツの難しさについて解説していきます。
ジャンプの種類を見比べると、フリップとルッツがとても似ていることにお気づきになるかと思います。フリップとルッツは軸足と蹴り足が一緒です。そのため、この2つのジャンプの判定はちょっと難しいです。違いは左軸足が内エッジでフリップ、外エッジでルッツとなります。
この軸足が外エッジというのがルッツのエグさの核心です。ここだけはちょっと図解してみたいと思います。
本田真凜選手のルッツジャンプを参考にさせていいただきたいと思います。右足が大きく振り出されて、トウで蹴る準備態勢に入っています。注目は左軸足の角度です。外エッジに乗るために左側に傾いているのがお分かりになるのではないでしょうか。
ルッツジャンプの踏切り直前の画像です。更に左軸足が左側に傾いているのが分かると思います。この傾きで離陸するのですから、大変難しいというのがお分かりになると思います。
更に、略図で図解していきます。
略図では上から見てみました。ジャンプ後の回転は一般的には反時計回り(左回り)ですので、跳び出しは後ろから見ると右側に跳ぶことになります。
しかし、ルッツジャンプの場合、軸足の左足は外エッジに乗らなければなりません。右側に跳び出すのに反対側の左エッジに乗らなければならないのです。
実際に右回り(反時計回り)でジャンプして見るとわかると思うのですけれども、何も考えずに普通に跳んだら右に跳ぶのですから右に体重がかかると思います。ルッツジャンプは、そこを左のエッジに乗せなさいというのです。まったく自然なジャンプの動きではないことが実感できるのではないでしょうか。
また回転方向と反対側の外エッジに乗ることになるので、ジャンプ前の滑走方向もジャンプ方向の右側の反対側、つまり左側方向に滑走していなければなりません。カウンタージャンプのような形になります。
ここがルッツジャンプの最大のエグさです。まだ右足のトウの蹴りがある分だけましですが、右足のトウに頼りすぎると左軸足が内側のエッジ、つまり右側のエッジに思わず乗ってしまい、フリップジャンプのようになってしまいます。こうなってしまうとルッツジャンプとは判定されず、正式にフリップとも認められないので、かなりの減点となります。
ちなみにアクセルジャンプは前から跳ぶので、ルッツの難しさとはまた別の難しさがあります。ジャンプ後の重心バランスの取り方などが難しいのですが、こちらの解説はまた別の機会に譲りたいと思います。
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世界で戦うために必要なルッツジャンプ
このような不自然な姿勢で跳び出しを要求されるルッツジャンプですが、多回転で跳べる選手がかなり増えてきました。
4回転ルッツを跳ぶ主な男子選手
まずは、ネイサンチェンでしょう。4回転ルッツ→3回転トウループのコンビネーションを跳ぶことが出来ます。現在のフィギュアスケートで成功している最大難度のジャンプです。しかもほぼ確実に成功させてきます。恐ろしい…(;^_^A
技術が売りの中国の金博洋も4回転ルッツ→3回転トウループのコンビネーションを跳ぶことが出来ます。
また、我らが羽生選手も単独ですが4回転ルッツを跳べるようになりました。しかし、まだまだ確実性はあまり高くないように思います。現時点では、コンビネーションにはまだ組み込めていないようです。
今後、男子フィギュアの世界トップ争いをする選手たちは、4回転ルッツ→3回転トウループを求められるようになるでしょう。
女子フィギュアでの3回転ルッツについて
3回転ルッツは女子選手では世界で戦うためには必須です。特に基礎点の高い3回転ルッツ→3回転トウループが確実に跳べることが重要になってきました。このコンビネーションの基礎点は半回転多い単独のトリプルアクセルより高くなっています。
トリプルアクセルが跳べるよりも、まずは、3回転ルッツ→3回転トウループを跳べる方が大事なのです。そのため、世界トップで争う女子選手の多くは単独の3回転ルッツはもちろんですが、3回転ルッツ→3回転トウループのコンビネーションを跳べる選手が多くなってきました。
日本女子フィギュアでは、今シーズン現時点では3回転ルッツ→3回転トウループのコンビネーションの成功率は樋口新葉選手が高いです。本田真凜選手はカナダ大会SPで挑戦しましたが、残念ながら成功しませんでした。
強豪ロシア勢のザキトワも確実に3回転ルッツ→3回転トウループのコンビネーションを決めてきます。
女子フィギュアの場合世界でトップ争いをするためには、3回転ルッツ→3回転トウループのコンビネーションは必須と言えるでしょう。
さて、今回はフィギュアスケートのジャンプの解説をしてきましたがいかがでしたでしょうか。ちょっとマニアックすぎたかな…。でもルッツジャンプの難しさが少しでも伝わるといいなと感じています。そうすると、フィギュア選手のすごさが実感できると思いますので。
是非、ジャンプの判定も出来るようになって、TVの解説の人と一緒に「4回転ルッツ!」とか叫んでみるといいですよ。そうすると更にフィギュア観戦が楽しくなると思います。凄くおすすめです!
もちろん私も毎回TVの解説者と一緒に叫んで観戦しています!「4回転サルコウ!」とか♪
それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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