こんにちは。作曲の仕方についてのシリーズ6作目です。今回はセブンスコード(7thコード)使い方のコツについてお話していきます。作曲をしていると…
- 曲にコードを付けても同様みたいになってしまう…。
- 曲にコードを付けてみたんだけど、どうすればもっといい感じになるのかな?
- 曲のコード進行にセブンスコードを入れたいんだけど、どうすればいいの?
というような悩みにぶち当たる方思います。今回はセブンスコードを使って、この壁を乗り越える作曲についての記事です。先日、調の中の「ドレミファソラシド」の音だけを使って出来る3和音のダイアトニックコードについてお話しましたが、今回はその応用編となります。
前回までの記事では3和音(トライアド)のみのダイアトニックコードについてご紹介しましたが、今回はその3和音(トライアド)のコード進行にどのようにして4和音(セブンスコード)を混ぜてコード進行を作っていくか、ということを中心にお話します。
少々理論的な話が入ってきますので、だんだん難しい話になってきますが、出来る限り分かりやすくなるように今回もハ長調(Cメジャースケール)に限ってお話を進めていきますね。
スポンサーリンク
- 作曲のときにおさえておきたいコツ
- ダイアトニックセブンスコード
- セブンスコードの使い方のコツ
- コード進行にセブンスコードを使う使い方の具体例
- セブンスコードの使い方のコツまとめ
- 作曲の仕方関連人気記事!
スポンサーリンク
作曲のときにおさえておきたいコツ
前回の復習として、まずは簡単にまとめておきたいと思います。
- ハ長調(Cメジャースケール)の曲では基本的には「ドレミファソラシド」と聞こえる音しか使われないことが多い。(例外はあります)
- ハ長調の曲(Cメジャースケール)では、C、Dm、Em、F、G、Am、Bm♭5のダイアトニックコードだけで基礎的な曲は作ることができる。
- ハ長調の曲(Cメジャースケール)ではメロディーはドから始まってドで終わることがほとんどである。
- ハ長調の曲(Cメジャースケール)では、コード進行はCから始まってCで終わることがほとんどである。
前回までの記事を詳しくお読みになりたい方は、こちらからどうぞ。続けて読めるようにリンクが貼ってあります。
スポンサーリンク
ダイアトニックセブンスコード
前回の記事では、3和音(トライアド)のダイアトニックコードを使ってコード進行を作り、それをもとにしてメロディーを作るというところまで行きました。ここまで出来るようになってくると、和音の響きに少し物足りなさを感じてくるかもしれません。
「曲をさらにカッコよくしたい!」となったときに活躍してくるのが4和音(セブンスコード)なのです。4和音でもダイアトニックコードができますので、まずはそちらを見ていきましょう。
ハ長調で主に使われるダイアトニックセブンスコードです。ハ長調ではこのセブンスコードだけでも十分に曲調に変化を付けることができますし、ハ長調の曲のほとんどは、このハ長調のダイアトニックコードだけで作ることができます。
上段がハ長調(Cメジャーキー)のときの3和音(トライアド)のダイアトニックコードです。下段はハ長調(Cメジャーキー)のときの4和音(セブンスコード)のダイアトニックコードです。比べてみるとお気づきになるかと思うのですけれども、4和音のダイアトニック7thコードは、3和音(トライアド)のダイアトニックコードの上に鍵盤1つ分飛ばして音を重ねただけです。重ねるときはハ長調で使われているドレミファソラシドだけを使うという決まりをお忘れなく。
譜面だけだとイメージがわきにくいので、鍵盤でも見ていきたいと思います。
CM7
CM7はCメジャーセブンスと読みます。Mは大文字です。m(マイナー)ではないので、気を付けてください。C(ドミソ)の上に鍵盤1つ飛ばしてシを付け足した形になります。
Dm7
Dm7はDマイナーセブンスと読みます。Dm(レファラ)の上に鍵盤1つ飛ばしてドを付け足した形になります。
Em7
Em7はEマイナーセブンスと読みます。Em(ミソシ)の上に鍵盤1つ飛ばしてレを付け足した形になります。
FM7
FM7はFメジャーセブンスと読みます。こちらもMは大文字です。m(マイナー)ではないので、気を付けてください。F(ファラド)の上に鍵盤1つ飛ばしてミを付け足した形になります。
G7
G7はGセブンスと読みます。正式にはGドミナントセブンスといいますが、Gセブンスと言う方がほとんどです。G(ソシレ)の上に鍵盤1つ飛ばしてファを付け足した形になります。
Am7
Am7はAマイナーセブンスと読みます。Am(ラドミ)の上に鍵盤1つ飛ばしてソを付け足した形になります。
Bm7♭5
Bm7♭5はBマイナーセブンフラットファイブと読みます。Bm♭5(シレファ)の上に鍵盤1つ飛ばしてラを付け足した形になります。
こうして見てみると、4和音(7thコード)も基本は3和音(トライアド)からなっていることが分かるかと思います。ですから、まずは3和音(トライアド)のダイアトニックコードをしっかりと覚えてしまうのがとても大事です。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
セブンスコードの使い方のコツ
では、ダイアトニックコードの種類の確認はここまでにしておいて、ここからはセブンスコードの使い方のコツについて詳しくご説明していきます。
コード進行でセブンスコード使う簡単な使い方
セブンスコードの使い方で一番簡単なのは次のような使い方です。
- 3和音(トライアド)のダイアトニックコードだけでコード進行を作る。
- その一部を4和音(セブンスコード)のダイアトニックコードに交換する。
3和音(トライアド)のコード進行は割と簡単にできますので、簡単にできるトライアドのコード進行を先に作って、一部のコードをセブンスコードに交換するという方法です。一気に全部4和音(セブンスコード)を使ってコード進行を作ろうとすると難しくなるので、この方法がおすすめです。
4和音(セブンスコード)は3和音(トライアド)に比べて不安定です。コード進行全てをセブンスコードで作ろうとすると、その不安定さが影響してちょっと難しくなってしまいます。そこで次のような使い方をお勧めします。ここからの話はちょっと理論の話が入ってきます。少々難しくなるので理論が苦手な方は太文字だけ読んで飛ばしてください。
ダイアトニックセブンスコードは、3和音(トライアド)の上に1音重ねただけですから、基本的には重ねる前の3和音(トライアド)と交換が可能です。しかし、交換のしやすさはコードによって違います。
例えば、
- C→CM7…交換がやや難しい。
- Dm→Dm7…とても交換しやすい。
- Em→Em7…交換しやすい。
- F→FM7…とても交換しやすい。
- G→G7…交換が難しい。
- Am→Am7…とても交換しやすい。
- Bm♭5→Bm7♭5…まあまあ交換しやすい。
トライアドと交換しやすいセブンスコード
以上のように、平行移動のような感じで交換できます。ただし、気を付けてほしいのが、交換しやすいコードと交換するのが難しいコードがあるのです。交換しやすいコードはDm7とEm7、FM7、Am7です。
ちょっと思い出していただくと、Dm7とFM7の2つのコードは、サブドミナントと呼ばれる、ちょっとだけ不安定なコードです。この2つのコードは上に1つ音を重ねてもコードの安定感があまり変わりません。なぜ変わらないのかというとDm7はレの上に乗っかる3つの和音だけ見るとFになります。Dm7もサブドミナントですし、Fもサブドミナントなので役割もあまり変わりません。
またFM7はファの上に乗る3つの和音はAmでこちらはトニックと安定系のコードです。安定系が乗っかるので使い勝手はあまり変わらないという感じになります。ちょっと難しい話になりましたね。
Am7は上に乗るコードがCでトニックの安定系です。もとになるAmもトニックの安定系ですからAm7も交換しやいコードです。Em7は元からトニックですから安定感があるので、上に乗るGがドミナントでも割と交換しやすいです。
難しい理論はさておき、ハ長調ではDm7とEm7、FM7、Am7は交換しやすいとだけ覚えておいてもかなり使えると思います。
トライアドと交換が難しいセブンスコード
逆に交換が難しいのはCM7とG7です。Cはハ長調(Cメジャースケール)の曲の初めに使うことが多いです。曲の最初は安定していた方がやはりコード進行は作りやすくなります。曲の出だしに使うコードは、より安定感のある3和音(トライアド)のCままにしておいた方が扱いやすいでしょう。CM7の中味を分解してみると、ドの上にCと同じトニックのEmが乗るので、コードの性質自体はほぼ同じです。安定感はあるコードなので、慣れてきて上手に使えると曲をカッコ良くできるコードの1つではあります。
また、G7は分解すると、ソの上にこれまた不安定なドミナントのBm♭5が乗る形になってしまします。Gもドミナント、ソの上に乗るBm♭5もドミナントなのでより不安定になってしまいます。不安定は安定を求めるので、うまく使うと鳥肌ものなのですが、使いどころは難しいコードだと思います。
こちらも難しい理論は後回しにして、ハ長調ではCM7とG7は交換が難しいと覚えておいても差し支えないと思います。Bm7♭5についてはコード進行に組み入れるのがちょっと難しいコードなので、今回は割愛させてください。
コード進行にセブンスコードを使う使い方の具体例
では、ここからは実際にセブンスコードをトライアドと入れ替えて使う使い方について具体例で詳しくご紹介していきます。
最初に3和音(トライアド)でコード進行を作った具体例
まずは3和音(トライアド)のダイアトニックコードでコード進行を作ってみました。ハ長調なので最初は必ずCです。曲の構成のことを考えて、4分の4拍子の8小節単位で作ってみました。
楽譜の画像が小さくてすいません…。とりあえず、楽器がある人は弾いてみることをお勧めします。自動伴奏用のアプリなどでも構いません。実際に聴いてみると大分イメージがつかめると思います。コードの流れがスムーズになるように、コードの構成音は変えずに音の高さを変えています。以前ちょっとだけお話した転回形というものです。ややこしくなるのでベース音(ルート)は省略しました。
ギターだと転回形はあまり意識しなくてもなんとかなるので、ギターの方が楽かもしれませんが、コード感はピアノの方がはっきり感じ取りやすいと思います。
トライアドをセブンスコードに交換する使い方の具体例
それでは上記のコード進行で、セブンスコードにしやすいところを交換していきましょう。まず、Cは変えないことは再確認しておきます。何度も言いますが、曲の最初は3和音(トライアド)の方が、私たち初心者には扱いやすいです。
セブンスコードに換えるとしたら、先ほどの4つをまずは試してみてください。そうです。DmをDm7に、EmをEm7に、FをFM7に、AmをAm7に換えてみましょう。換えてみたら実際に演奏するか、機械で再生してみてください。私だったら、まずはこんな感じにしてみたいと思います。
<入れ替え前>
<入れ替え後>
入れ替えたところは赤文字にしてみました。どうですか?かなり雰囲気が変わって大人っぽくなったのではないでしょうか。5小節目のAmは、4小節単位で見ると、出だしに相当するので、Am7に換えずに、より安定感のある3和音(トライアド)のAmのままにしてあります。
また、コード間のつながりをよくするために、転回形などはもっと工夫の余地があると思いますのでいろいろと試してみてください。ギターだと転回形はあまり関係ないことが多いですけどね。
スポンサーリンク
セブンスコードの使い方のコツまとめ
- トライアドのダイアトニックコードでコード進行を作る。
- DmをDm7に、EmをEm7に、FをFM7に、AmをAm7に換えてみる。
- 慣れてきたらそれ以外のダイアトニック7thコードも混ぜてみる。
セブンスコードを最初から使ってコード進行を作ろうとすると、中々難しいので、このように最初のうちは3和音(トライアド)のダイアトニックコードだけでコード進行を先に作ったのちに、一部分をダイアトニックセブンスコードに換えて作ってみるのがおすすめです。
どこをセブンスコードに変更するかだけでも、かなりのパターンがあると思います。色々なパターンを試してみてください。セブンスコードが混ざったコード進行をもとにしてメロディーを考えると、トライアドだけのときとは思い付くメロディーも雰囲気が変わってくると思います。
また、このトライアドを後からセブンスコードに換える方法に慣れてくると、最初からセブンスコードを混ぜてコード進行を作れるようになってくるはずです。またCM7やG7、Bm7 ♭5も上手に使えるようになってくると思います。頑張ってみてください。
さて、今日はセブンスコードを使ったコード進行の作り方について書いてきましたがいかがでしたでしょうか。基本となるのはやはり3和音(トライアド)のダイアトニックコードです。トライアドでコード進行が作れるようになると、今回の方法でセブンスコードも上手に使えるようになってくるかと思いますので、まずはトライアドのダイアトニックコードをしっかりと覚えるようにしてください。
また、こちらの本はライトノベル形式で主人公の女の子が作曲方法を友達から学んでいくという珍しい作曲入門書です。物語を読んでいるうちに自然と作曲法が身に付きます。とても読みやすいのでいいですよ!
もうちょっと突っ込んで理論的なことを知りたい方にはこちらがおすすめです。
絶対わかる!コード理論(2) ダイアトニックコードのすべて [新装版]
- 作者: 北川祐
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2006/01/26
- メディア: 単行本
- クリック: 18回
- この商品を含むブログを見る
今回の記事がみなさんの作曲活動に、少しでも役立てるのであれば幸いです。それでは、今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
作曲の仕方関連人気記事!