勘定口座への転記・記入【簿記3級】仕訳の次はこれ!【練習問題と解説】

勘定口座への転記

    こんにちは。会計的お仕事女子のあんがお送りする簿記3級シリーズ記事です。簿記3級を学習していると…

  • 勘定(勘定口座)への転記・記入とはなに?
  • 勘定(勘定口座)の転記の仕方が難しくて分からない…分かりやすく解説してほしい。
  • 勘定(勘定口座)への転記・記入の練習をしたいので練習問題はないかな?

 などのような疑問をもつかと思います。勘定への転記・記入は仕訳をマスターしたらその次に身に付けたい簿記の作業です。

 しかも、勘定への転記・記入は簿記3級の最終目標である貸借対照表と損益計算書の作成まで関係していく作業ですので、大変重要になってきます。

 勘定の転記・記入をしっかりとマスターして、簿記3級合格へ一歩近づきましょう!

    それでは、よろしくお願いします。

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勘定(勘定口座)とは

  勘定(勘定口座)とは簿記で使用する勘定科目ごとに、それぞれに取引の仕訳で発生した金額をまとめていくものです。勘定(勘定口座)では+と-の代わりに記入の位置を左右に分けて増減を記録します。簿記では左側を借方、右側を貸方と言います。

 また勘定(勘定口座)はその形から別名でT勘定(ティーかんじょう)と呼ばれることもあります。文章だけだと分かりにくいので、下の図をご覧ください。線の部分がTに見えますよね。

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 上記のように、現金勘定では現金が増えたときは借方(左)に金額が記入され、現金が減ったときには貸方(右)に金額が記入されます。後ほど勘定への転記の方法のところで詳しく解説しますね。

 T勘定は勘定科目の種類全てに用意されると思ってください。簿記3級の試験では一部分のみ抜粋されて出題されることが多いです。このT勘定は簿記3級の学習中盤で出てくる「総勘定元帳」という帳簿への記入の仕方や、「試算表」「精算表」などの作成で活躍します。

 

勘定(勘定口座)への転記・記入とは

  • 勘定(勘定口座)に仕訳の金額を借方(左)・貸方(右)に書き写していくこと

 勘定(勘定口座)への転記とは、先ほど説明した勘定科目ごとにある勘定(勘定口座)に仕訳の金額を写して記入してくことを言います。仕訳を勘定(勘定口座)に転記していくてまとめていくことで、勘定科目ごとの金額が把握できます。例えば現金勘定なら、現金がいくら増減したかが分かります。増減が分かれば残高も自然と求められますよね。

 勘定(勘定口座)への転記は資産や負債、収益や損失がどのくらいになったのかを知るために必要な作業になるのです。

 

勘定(勘定口座)への転記・記入の方法

勘定(勘定口座)へ転記・記入するときのきまり

  • 借方(左)に仕訳されたもの→その勘定の借方(左)に記入
  • 貸方(右)に仕訳されたもの→その勘定の貸方(右)に記入

 つまり、仕訳と同じ方向へ金額を転記しなさいということです。同じ方向に金額を写すだけなので、簡単ですよね。

 例えば、現金勘定で考えてみましょう。

  • 現金が増え、借方に仕訳→現金勘定の借方に転記
  • 現金が減り、貸方に仕訳→現金勘定の貸方に転記

 という感じです。言葉の説明だけだと感覚がつかみにくいので、実際の勘定(勘定口座)への転記の方法を図解して見ていきましょう。

 

勘定(勘定口座)への転記・記入の手順の図解

①まずは金額だけ転記

 7月9日に商品を売上げ、現金300円を受け取ったという仕訳で、転記の手順を見てみましょう。

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  ご覧のように、仕訳の借方(左)の現金は、現金勘定の借方(左)に金額の300だけを転記します。また仕訳の貸方(右)の売上は、売上勘定の貸方(右)に金額の300だけを転記するというわけです。

 

②相手の勘定科目と日付を記入

  金額を転記したら、取引の日付と相手となった勘定科目を転記します。

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 簡単にまとめますと、勘定口座へ転記するのは

  • 金額
  • 日付け
  • 相手の勘定科目

の3つとなります。転記の手順自体はそんなに複雑ではありませんね。簿記は仕訳や転記など、1つ1つの作業の手順は簡単ですが、作業量が多いというのが特徴の1つだったりします。

 

勘定(勘定口座)の合計と残高について

 以上のようにして転記を行っていくと、各勘定(勘定口座)ごとに現金や借入金、売上、仕入などの合計と残高を把握することができます。現金や借入金がどれだけ残っているかや売上がどれだけあったかということが分かるというわけです。こちらも図解で見てみましょう。最初は現金勘定を見てみます。

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  現金勘定は資産なので、借方で現金の増加、貸方で現金の減少を表します。この場合は借方の方が多いので、現金が残っていることになりますね。

 残っている現金の量は…

  • 借方合計-貸方合計=借方残高(現金の残高

 の式で計算し、求めることができます。逆に貸方合計の方が多ければ現金がマイナスということになりますが、現金がマイナスというのは簿記上はちょっとあり得ないですね。

 次に、借入金勘定で見てみます。

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 借入金勘定は負債なので、借方で借入金の減少、貸方で借入金の増加を表します。この場合は貸方の方が多いので、借入金が残っている、つまり借金があるということになりますね。

 残っている借入金の量は…

  • 貸方合計-借方合計=貸方残高(借入金の残高)

 の式で計算し、求めることができます。借入金の場合も借方合計の方が多ければ借入金がマイナスということになりますが、借入金がマイナスというのも簿記上はイレギュラーの場合がほとんどです。

 

勘定(勘定口座)への転記・記入の実務での流れ

 最後に勘定(勘定口座)への転記を簿記の実務でいったいどのタイミングで行うのか確認しておきましょう。どのような流れになっているのか把握しておくと、勘定(勘定口座)への転記がどうして必要なのか分かっていいですよ。

 企業では取引が発生したら仕訳を行って勘定口座へ転記していきます。

  1. 取引発生
  2. 仕訳帳に取引を仕訳して記入
  3. 仕訳帳から総勘定元帳に転記(勘定口座への転記はここで!)
  4. 月末に試算表を作成してチェック

 仕訳帳から総勘定元帳に仕訳を転記するときに勘定(勘定口座)への転記を行います。総勘定元帳には各勘定科目ごとに勘定口座が用意されているからです。

 転記する取引が発生するごとに総勘定元帳に転記することが多いので、勘定(勘定口座)への転記は実務では頻繁に行うことになりますね。

 さて、今回は簿記3級の学習の基本として、勘定への転記についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。勘定への転記は配点の多い残高試算表や損益計算書、貸借対照表の作成が出題される第5問でよく使います。仕訳がしっかりできるようになったら、勘定への転記も練習しておきましょう。

 実務ではこの一連の流れを会計ソフトなどを用いて行うことがほとんどです。

 

 ところで、簿記資格を生かして会計や経理関係の仕事に就くには簿記2級以上の取得が必須です。簿記2級の難易度を考えると、独学ではなく簿記3級から通信講座でしっかりと基礎固めをするのがおすすめです。また確実に簿記3級を取得したい方も通信講座を利用したほうがいいでしょう。

 私も通信講座で簿記3級と2級を取得しました。メールで質問ができたりスマホやパソコン、DVDなどで講義の動画を見れます。講義の動画は繰り返し何度も見れるので、通学講座より通信講座の方がおすすめです。

 簿記通信講座の徹底比較記事もありますので、どうぞご覧ください。

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 それでは、試験勉強頑張ってくださいね!無事に簿記3級の試験を突破して会計職への道に一歩踏み出してください。

 今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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