差入保証金の仕訳【簿記3級】勘定科目と取引例の解説~なぜ資産?

差入保証金の仕訳

 こんにちは。会計的お仕事女子のあんがお送りする経理と簿記の仕訳解説シリーズ記事です。今回は経理の実務でよく出てきたり、簿記3級でよく出題される差入保証金の仕訳について解説していきます。

  • 差入保証金とは?
  • 差入保証金はどんな勘定科目でどんな取引の時に使うの?
  • 差入保証金の仕訳の例や練習問題、解説ってないのかな?

 などの疑問やご要望をおもちの方に向けて記事をまとめていきます。差入保証金の仕訳をマスターして、簿記3級合格へ確実に進んでいきましょう!

 また、経理事務の方で仮受金の仕訳の例を確認したいという方も是非ご活用ください。

 それでは、よろしくお願いいたします。

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差入保証金とはどんな勘定科目?なぜ資産?

  • 差入保証金とは、契約を行う約束を確実なものにするために、債務者(契約で金銭を支払う側)が債権者(契約で金銭をもらう側)に対して支払う保証金のこと。
  • 不動産を借りるときに払う敷金は差入保証金の一種。この場合、保証金を払って不動産を借りる側が債務者で、保証金を受け取る貸す側が債権者。
  • 差入保証金は敷金のように契約終了時に戻ってくるので資産の勘定科目

 「差し入れる」とは金銭を支払うという意味です。ですから「保証金を差し入れる」とは保証金を支払うという意味になります。

 そこで、簿記では保証金を差入れるときに「差入保証金」という勘定科目を使います。差入保証金の一番身近な例は、お部屋を賃貸するときに払う敷金です。敷金は差入保証金の一種です。

 つまり、敷金を支払うことで「部屋を借りて家賃を支払う契約を確実に行いますよ」という約束の証明にするような感じです。敷金は賃貸契約終了後に戻ってきます。戻ってくるということは後日金銭を受け取ることができるので、差入保証金は資産の勘定科目になります。

 「相手に保証金を支払うのに、なぜ資産になるの?」と感じる方も多いかと思いますが、敷金が後日戻ってくることと結びつけて覚えておくと分かりやすくなりますよ。

差入保証金の仕訳~取引例による練習問題と解説

 保証金を差入れたときには、差入保証金勘定(負債)の借方に記帳します。それでは、差入保証金の仕訳の処理を取引例の解説を交えながら見ていきましょう。

営業契約を結んで保証金を支払ったときの取引例と仕訳

取引の例:C社と営業契約を締結し、保証金として¥200,000を小切手を振出して支払った。

仕訳の手順①:小切手を振出しているので、当座預金(資産)の減少です。資産の減少ですから、当座預金(資産)を貸方に仕訳します。

(     )      (当座 預金)200,000

仕訳の手順②:保証金を払っているので、差入保証金(資産)の増加です。資産の増加ですから、差入保証金(資産)を借方に仕訳します。

 (差入保証金)200,000(当座 預金)200,000

 借方や貸方のどちらが右でどちらが左か迷った方には覚え方の解説記事がありますので、どうぞご覧ください。

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不動産の賃借契約を結んで敷金を支払ったときの取引例と仕訳

 次は一番一般的な不動産の賃借契約を結んで敷金(差入保証金)を支払った取引を見てみましょう。おそらく先ほどの取引例よりこちらの方が分かりやすいと思います。ちなみに賃貸とは貸す側から見た言葉で、借りる場合は賃借と言います。

取引の例:店舗を賃借し、敷金¥100,000を現金で支払った。

仕訳の手順①:現金で敷金を支払っているので、現金(資産)の減少です。資産の減少ですから、現金(資産)を貸方に仕訳します。

(     )      (現   金)100,000

仕訳の手順②:敷金は差入保証金の一種です。差入保証金(資産)が発生していますから、資産の増加として差入保証金(資産)を借方に仕訳します。

(差入保証金)100,000(現   金)100,000

 仕訳は自分の分かりやすいほうから切るのが仕訳のコツです。現金(資産)の減少で貸方に仕訳するよりも、先に差入保証金(資産)の増加で借方に仕訳をする方が分かりやすい場合は、差入保証金(資産)の増加から仕訳を切りましょう。

 資産や負債、費用、収益の増減で借方になるか、貸方になるのかを再確認したい方はこちらの記事をどうぞ。仕訳の基本ですからとっても大事ですよ。

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差入保証金の仕訳と勘定科目のまとめ

  • 差入保証金とは、契約を行う約束を確実なものにするために、債務者(契約で金銭を支払う側)が債権者(契約で金銭をもらう側)に対して支払う保証金のこと。
  • 不動産を借りるときに払う敷金は差入保証金の一種。
  • 差入保証金は敷金のように契約終了時に戻ってくるので資産の勘定科目

 さて、今回は簿記3級によく出題されるの差入保証金について、どんな勘定科目なのか、仕訳の例と処理方法などについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 ところで、簿記資格を生かして会計や経理関係の正社員に就職するには簿記2級以上の取得が必須です。簿記2級の難易度を考えると、独学ではなく簿記3級から通信講座でしっかりと基礎固めをしましょう。また確実に簿記3級を取得したい方も通信講座を利用したほうがいいでしょう。

 私も通信講座で簿記3級と2級を取得しました。メールで質問ができたりスマホやパソコン、DVDなどで講義の動画を繰り返し何度も見れますので、通学講座より通信講座の方がおすすめです。

 簿記通信講座の徹底比較記事もありますので、どうぞご覧ください。

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 簿記検定試験の勉強コツコツ頑張ってくださいね。無事に3級の試験を突破して経理・会計職としての第一歩を踏み出してください!

 それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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