当ブログにお越しいただきありがとうございます。会計的お仕事女子のあんがお送りする簿記3級シリーズ記事です。今回は簿記3級でよく出題される、手形貸付金の仕訳について練習問題を解きながら解説していきます。
- 手形貸付金とは何？
- 現金を貸して、代わりに約束手形を受け取ったときの仕訳は？
- 手形貸付金で利息を受け取ったときの仕訳はどうするの？
- 手形貸付金に関する仕訳の練習問題や解説はないのかな？
などの疑問やご要望にお応えしていきます。手形貸付金に関する仕訳をマスターし、簿記3級合格へさらに一歩近づいていきましょう！
それでは、よろしくお願いします。
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手形貸付金とは何？
- 金銭を貸したときに借用書ではなく手形を受け取った場合に用いる。
- 貸付金と区別するために手形貸付金という勘定科目を使う。
- 後日貸した金銭を受け取れるので、手形貸付金は資産
企業活動をしていると、得意先などに金銭を貸し付ける場合があります。金銭を貸し付ける場合、通常は金銭を貸した証明として借用書を受け取ります。借用書の代わりに約束手形などを用いる場合があります。
この場合には、通常の貸付金と区別するために、手形貸付金勘定を用います。手形貸付金は後日貸した金銭を受け取る権利なので債権です。債権ですから手形貸付金は資産になります。
お金を貸したときに、貸した相手から手形を受け取っておけば、手形の満期日に確実にお金を返してもらうことができます。お金を返してもらう約束の証明として手形を受け取るというわけです。
また、債権という言葉は、経済関連のニュースでもよく出てくる言葉です。ビジネスパーソンとしては覚えておくべき言葉の1つです。
債権や債務の意味を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
手形貸付金の仕訳と練習問題
では、いよいよ手形貸付金の仕訳について問題を解きながらご説明していきます。手形貸付金の仕訳のポイントは、問題では手形貸付金という言葉は出てこないというところとです。また利息を受け取った場合は受取利息（収益）という勘定科目を使います。
- お金を貸して手形を受け取った＝手形貸付金（資産）で仕訳
- 利息を受け取ったら受取利息（収益）の発生
手形を受け取るので、思わず受取手形勘定を使いたくなりますが、手形貸付金勘定を使って仕訳をしてください。間違いやすいので注意です！
金銭を貸し付けて手形を受け取ったときの例題と仕訳
それでは、実際の取引の例題をみてみましょう。
取引の例：山口商店に対して￥80,000を貸し付け、同額の約束手形を受け取った。なお、貸付金は小切手を振り出して渡した。
仕訳の手順①：小切手を振り出して貸し付けていますから、当座預金（資産）が減少します。資産の減少ですから貸方に当座預金を仕訳します。
（ ） （当座 預金）80,000
仕訳の手順②：次に￥80,000を貸し付けた証明として約束手形を受け取っています。受取手形（資産）の増加として仕訳したくなりますがそれは間違いです。あくまでも貸付金ですから手形貸付金（資産）の増加として借方に仕訳をしましょう。
（手形貸付金）80,000 （当座 預金）80,000
仕訳は自分が分かりやすいほうから切るのがポイントです。当座預金（資産）の減少で貸方に仕訳するより、先に手形貸付金（資産）の増加で借方に仕訳する方が分かりやすいときは、手形貸付金（資産）の方から仕訳しましょう。
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金銭を貸し付けて手形と利息を受け取ったときの例題と仕訳
それでは、次に手形貸付金と利息の仕訳を同時に行う場合を見てみます。
取引の例：山口商店に￥70,000を貸し付け、同店振出しの約束手形を受け取った。なお利息￥1,000を差し引いた額を小切手を振り出して渡した。
仕訳の手順①：小切手を振り出して貸し付けていますから、当座預金（資産）が減少します。資産の減少ですから貸方に当座預金を仕訳します。
このとき、利息を差し引いた額を振出していますので、利息の分を差し引いて受取利息（収益）の発生として貸方に仕訳します。当座預金と受取利息の合計額が貸し付けた金額になるようにしましょう。受け取る利息の額をあらかじめ引いて貸し付け、利息を受け取ったのと同じ扱いにするということです。
（ ） （当座 預金）69,000
（受取 利息） 1,000
仕訳の手順②：次に金銭を貸し付けた証明として約束手形を受け取っています。貸し付けた金額を手形貸付金（資産）の増加として借方に仕訳をしましょう。
（手形貸付金）70,000 （当座 預金）69,000
（受取 利息） 1,000
とっても大事なポイントなのでしつこく書きますが、仕訳は自分が分かりやすいほうから切るのがポイントです。最初に当座預金（資産）の減少と受取利息（収益）の発生で貸方に仕訳するより、先に手形貸付金（資産）の増加で借方に仕訳する方が分かりやすいときは、手形貸付金（資産）の方から仕訳しましょう。
今回の場合は受取利息（収益）の発生の処理が少々ややこしいので、手形貸付金（資産）の発生で借方から仕訳をする方が間違えにくいかもしれません。何度か自分で仕訳を切る練習をして、仕訳を切るやりやすい順番を決めておくといいでしょう。
また、借方と貸方の金額が釣り合っているかも仕訳後に再確認してください。受取利息の仕訳処理が合っているかどうかの確かめができます。
さらに、資産や負債、費用、収益の増減で借方になるか、貸方になるのかを再確認したい方はこちらの記事をどうぞ。仕訳の基本なのですごく大事です！
手形貸付金の仕訳のまとめ
- 手形貸付金は金銭を貸したときに手形を受け取った場合に用いる。
- 借用書を用いる貸付金と区別するために手形貸付金勘定を使う。
- 後日貸した金銭を受け取れるので、手形貸付金は資産
- 後日貸した金銭を受け取れる権利なので、手形貸付金は債権
- 金銭を貸して手形を受け取ったときは手形貸付金（資産）を借方に仕訳
- 手形貸付金と受取利息の仕訳を同時に行うときは、受取利息を貸し付ける現金（資産）などから差し引く場合がある。
- 受取利息の処理を同時に行うときは借方と貸方の金額の釣り合いを確認。
さて、今回は簿記検定でよく出題される手形貸付金の取引の仕訳についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ところで、簿記資格を生かして会計や経理の仕事に正社員として就職するには、簿記2級以上の取得が必須です。
簿記2級の難易度を考えると、独学ではなく簿記3級から通信講座でしっかりと基礎固めをしましょう。
また確実に簿記3級を取得したい方も、通信講座を利用をおすすめします。
私も通信講座で簿記3級と2級を取得し、経理の正社員へ転職しました。メールで質問ができたりスマホやパソコン、DVDなどで講義の動画を見れます。講義の動画は繰り返し何度も見れるので、通学講座より通信講座の方がおすすめです。
簿記通信講座の徹底比較記事もありますので、どうぞご覧ください。
それでは、簿記検定の試験勉強頑張ってくださいね！見事に簿記3級の試験を突破することを祈っております。そして、ぜひ簿記2級まで取得して経理の正社員としての就職を実現させてください！
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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