株式会社の設立と開業【簿記3級】株式発行の仕訳と取引例の解説

株式会社の設立と開業

 こんにちは。会計的お仕事女子のあんがお送りする簿記3級の検定用語解説シリーズ記事です。今回は簿記3級でよく出題される株式会社の設立と開業について解説していきます。

  • 株式会社を設立・開業するときはどんなことをするの?
  • 株式会社を設立するときの株式発行とは?きまりはあるの?
  • 株式会社を設立・開業するときにはどんな仕訳をするのかな?
  • 株式会社設立・開業のときに行う株式発行の取引例や仕訳問題の解説をしてほしい。

 などの疑問やご要望をおもちの方に向けて記事をまとめていきます。株式会社の設立と開業について理解して、簿記3級合格へまた一歩踏み出しましょう!

 それでは、よろしくお願いいたします。

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株式会社を設立するときには株式を発行する

  • 株式会社を設立するときには、資本金を集めるために株式を発行する。
  • 発行した株式を株主に買い取ってもらうことで出資を受ける。
  • 出資は通常はお金(金銭出資)で行いますが、お金以外の財産(土地など)も認められている。

 株式会社を作ることを株式会社の設立と言います。株式会社を設立するとき、その元手となるお金は株式を発行してそれを買い取ってもらうことで集めます。株式を買い取ってもらって集めたお金のことは資本金と言います。また、株式を買い取ってくれた人や団体、企業のことは株主と言います。

 個人事業主の場合、資本金は自分の資金を元入れすることで増やすことができますが、株式会社の場合、資本金を増やすには株式を発行して買い取ってもらうわなければなりません。ちなみに、株式を買い取って資本金を出すことは出資と言います。

 

株式会社設立時の株式発行数ときまり

  • 株式会社設立時には、発行することができる株式数をあらかじめ決めておき、定款(会社の基本的なきまり)に記載する。
  • このあらかじめ決めておく株式発行限度数のことを「発行可能株式総数」という。
  • 全ての株式を会社設立時に発行する必要はない。
  • 会社設立後、営業を開始してから会社の財政基盤強化のために残りの株式を発行することも可能。
  • 会社設立後、営業を開始してから株式を発行することを「増資」または「新株発行」という。

 

株式会社設立時の株式発行の仕訳~取引例による練習問題と解説

 株式を発行して株主が買い取り、払い込まれたお金や財産は資本金とします。資本金を資本金勘定(資本)の貸方に記帳して仕訳をします。

  それでは、実際の取引の例で仕訳を見ていきましょう。

取引の例:山口株式会社は、会社設立に際し、株式500株を1株当たり¥1,000で発行し、金額の払い込みを受け、これを当座預金とした。

仕訳の手順①:まずは払込金額の計算から行います。

払込金額=500株×¥1,000=¥500,000となります。

仕訳の手順②:払い込みは全額当座預金に預けられていますから、当座預金(資産)の増加です。資産の増加ですから、当座預金(資産)を借方に仕訳します。

(当座 預金)500,000(     )

仕訳の手順③:当座預金への払い込みは株式発行に対するものです。株式発行の払い込みは資本金(資本)の増加として記帳します。資本の増加ですから資本金(資本)を貸方に記帳して仕訳します。

(当座 預金)500,000(資 本 金)500,000

 仕訳は自分の分かりやすいほうから切るのがポイントです。当座預金(資産)の増加で借方に仕訳するよりも、先に資本金(資本)の増加で貸方に仕訳をする方が分かりやすい場合は、資本金(資本)の増加から仕訳を切りましょう。

 資産や負債、費用、収益の増減で借方になるか、貸方になるのかをあらためて確認したい方はこちらの記事をご覧ください。仕訳の基本ですから大変重要です。

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株式会社の設立と株式発行の仕訳のまとめ

  • 株式会社を設立するときには、資本金を集めるために株式を発行する。
  • 株式会社設立時には、発行することができる株式数をあらかじめ決めておかなければならない。
  • このあらかじめ決めておかなければならない株式発行限度数のことを「発行可能株式総数」という。
  • 全ての株式を会社設立時に発行する必要はなく、営業開始後に追加で発行することもできる。
  • 会社設立後、営業を開始してから株式を追加発行することを「増資」または「新株発行」という。
  • 株式を発行したときには資本金勘定の貸方に記帳して仕訳をする。

 さて、今回は簿記3級によく出題される株式会社の設立と開業と株式発行の仕訳について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

 ところで、簿記資格を生かして会計や経理関係の正社員に就職するには簿記2級以上の取得が必須です。簿記2級の難易度を考えると、独学ではなく簿記3級から通信講座でしっかりと基礎固めをしましょう。また確実に簿記3級を取得したい方も通信講座を利用したほうがいいでしょう。

 私も通信講座で簿記3級と2級を取得しました。メールで質問ができたりスマホやパソコン、DVDなどで講義の動画を繰り返し何度も見れますので、通学講座より通信講座の方がおすすめです。

 簿記通信講座の徹底比較記事もありますので、どうぞご覧ください。

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 簿記3級検定試験の勉強コツコツ頑張ってくださいね。無事に3級の試験を突破して経理・会計職デビューされることを祈っています。

 それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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