株式会社の増資【簿記3級】新株発行の仕訳と取引例の解説

株式会社の増資と新株発行の仕訳

　こんにちは。会計的お仕事女子のあんがお送りする簿記3級の検定用語解説シリーズ記事です。今回は簿記3級でよく出題される株式会社の増資、新株発行について解説していきます。

　などの疑問やご要望をおもちの方に向けて記事をまとめていきます。株式会社の増資（新株発行）について理解して、簿記3級合格への階段を確実に登っていきましょう！

　それでは、よろしくお願いいたします。

　増資による資金調達は、新株発行によって行われます。新株発行による資金調達の利点は、借入金などと違って返済義務が無いところにあります。

　新しい株式を発行し株主に買い取ってもらうことで資本金を増加させ、資金調達をするので、借入金などのように返済義務が発生しないというわけです。

　ただし、株式を新たに発行するので手続きに手間がかかります。また、新株発行により株主構成が変化し株主総会での議決権に影響が出る可能性もあるので注意が必要です。新株発行をして増資をするのは、企業規模が大きくなるほど難しくなると言っていいでしょう。

　ちなみに、株主構成の変化を避けるため、すでに自社の株式を持っている人にだけ新株を発行することを株主割当増資と言います。また、ある特定の企業や投資家だけに新株を発行することを第三者割当増資と言います。

　増資の時に行う新株発行の仕訳と株式会社設立時の株式発行の仕訳は基本的には同じ処理になりますから、株式会社設立時の処理について確認したい方はこちらの記事をどうぞご覧ください。

　新株発行により発行された新しい株式を株主が買い取り、払い込まれたお金などは資本金とします。

　新株発行（増資）は株式会社設立時の株式発行と基本的には同じ仕訳になります。資本金を資本金勘定（資本）の貸方に記帳して仕訳をします。

　それでは、実際の取引の例で仕訳を見ていきましょう。

取引の例：京都株式会社は、増資に際し、株式600株を1株当たり￥1,000で発行し、金額の払い込みを受け、これを当座預金とした。

仕訳の手順①：まずは払込金額の計算から行います。

払込金額＝600株×￥1,000＝￥600,000となります。

仕訳の手順②：払い込みは全額当座預金に預けられていますから、当座預金（資産）の増加です。資産の増加ですから、当座預金（資産）を借方に仕訳します。

（当座　預金）600,000（　　　　　）

仕訳の手順③：当座預金への払い込みは新株発行に対するものです。新株発行の払い込みは資本金（資本）の増加として記帳します。資本の増加ですから資本金（資本）を貸方に記帳して仕訳します。

（当座　預金）600,000（資　本　金）600,000

　仕訳は自分の分かりやすいほうから切るのがポイントです。当座預金（資産）の増加で借方に仕訳するよりも、先に資本金（資本）の増加で貸方に仕訳をする方が分かりやすい場合は、資本金（資本）の増加から仕訳を切りましょう。

　資産や負債、費用、収益の増減で借方になるか、貸方になるのかをあらためて確認したい方はこちらの記事をご覧ください。仕訳の基本ですから大変重要です。

　さて、今回は簿記3級によく出題される株式会社の増資と新株発行の仕訳について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

　ところで、簿記資格を生かして会計や経理関係の正社員に就職するには簿記2級以上の取得が必須です。簿記2級の難易度を考えると、独学ではなく簿記3級から通信講座でしっかりと基礎固めをしましょう。また確実に簿記3級を取得したい方も通信講座を利用したほうがいいでしょう。

　私も通信講座で簿記3級と2級を取得しました。メールで質問ができたりスマホやパソコン、DVDなどで講義の動画を繰り返し何度も見れますので、通学講座より通信講座の方がおすすめです。

　簿記通信講座の徹底比較記事もありますので、どうぞご覧ください。

　簿記3級検定試験の勉強コツコツ頑張ってくださいね。無事に3級の試験を突破して経理・会計職デビューされることを祈っています。

　それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。