空から降りてくるものたち

音楽や文学、お仕事、ブログ運営などの雑記ブログです。思付いたことを、そのまま書いているような感じですが、よろしくお願いします。

働き方改革が実現し、長時間労働が解消されるために本当に必要なこと

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 働き方改革が安倍晋三内閣により声高に叫ばれ、その実現に向けて国会で法案の審議などがされております。そんな中、気になるニュースを見つけました。NHKから出されたものですが、リンクが切れたので簡単に要約しますと、以前、「働き方改革推進会議」で話し合いがもたれた「残業時間を繁忙期に限り100時間までとし、年間合計720時間とするという法案」と、かつて「日本版ホワイトカラーエグゼプション」と呼ばれていた、「成果に対して定額の報酬を支払う代わりに、残業代は払いません」という一種の裁量労働制である「高度プロフェッショナル制度」の法案を抱き合わせて国会に提出するというものです。
 

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残業時間総量規制と高度プロフェッショナル制度の法案一本化について

 長時間労働にあえぐ労働者の一人として、この記事を読んで感じたことを率直に書いてみたいと思います。

残業時間総量規制について

 私、個人的に好きで長時間労働をしているわけではありません。仕事が早く終わるのならば早く帰りたいのが本音です。その点から考えて、「残業時間総量規制」については基本的に賛成です。繁忙期に限り100時間という例外が付くにしても、年間で720時間に収まるというのは、本当に実現できるのであれば嬉しいと思います。

 個人的な話で申し訳ないのですが、私の残業時間は、繁忙期で160時間です。年間通しても1000時間は軽く超えています。繁忙期でないときも、60~80時間は残業していますので。しかも、うちの会社かなりブラックなのでほとんどサビ残です…。

 しかし、この残業時間、「残業時間総量規制」が導入されたからといって、果たして削減可能なのかどうかは、現状の職場を考えるとかなり疑問です。残業したくないからと言って早めに仕事を片付けると、次の仕事が降ってきますから。

 おそらく総量規制が入れば、それを守るために、持ち帰り仕事が増えるのではないかと思います。個人的には、会社で仕事をするより、自宅で仕事をした方がリラックスして出来るので、「少しはましかな…」とは思いますけれども。

 

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高度プロフェッショナル制度について

 次に、「高度プロフェッショナル制度」について考えてみます。今の自分の現状にこの「高度プロフェッショナル制度」が導入されるとどうなるのでしょうか?サビ残だらけで、法律違反の状態が、晴れて合法となります。

 今のところ、対象となる労働者は、「研究開発や金融、コンサルタントといった高度な専門的知識を必要とする業務に就く年収1075万円以上の労働者」とされています。私、残念ながらこんなにもらっていませんよ…。という訳で対象外となるのですけれども、ちょっと続きがあるのです。実は、新しい労働基準法の法案原文に「適用年収条件1075万円」という金額が定められるわけではありません。

 

「年間平均給与額の3倍を上回る水準として厚生労働省令で定める額」

~改正労働基法案原文~

 

 大事な部分だけ抜粋しました。1075万円とは書かれずに「年間平均給与額の3倍」という定めになっているのです。年収1075万円を超える労働者は、全体の3%と言われていますので、今のところ私の様な一般労働者には関係ないような気もします。平均年収の3倍程度とされているので、経済状況により平均年収が下がってくると、対象者の年収も下がる可能性はあります。

 

結局は自民党は経団連を支持母体とした政党である

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 では、本当に「残業の総量規制が導入されて楽になるのでは?」と安心していていいのでしょうか。ここで忘れてならないのが、政権与党である自民党の支持母体の1つに経団連があるということです。ご存知の方がほとんどでしょうが、経団連とはざっくり言うと、大企業の経営者による連合団体です。

 2006年ごろ「ホワイトカラー・エグゼンプション」が厚生労働省で検討されていたときには、政府案では対象者は「年収900万円以上」とされていました。しかし、経団連からは「500万円にできないか」といった基準の引き下げが要望されたのです。もちろん多くの批判を世論から受け、法案は実現しませんでした。

 しかし、この経緯を考えると「年収1075万円」であるとして法案を成立させたのち、経団連が自民党を通して政府に働きかけ、年収要件を下げさせようとするのは容易に想像がつくかと思います。

  かつて労働改革と称して派遣社員という制度が導入されました。これももちろん、経営者側に有利で労働者側に不利な制度です。この制度も導入後、派遣対象業種の拡大が行われましたよね。同じような方法がとられ「高度プロフェッショナル制度」でも年収要件が下がっていく可能性はあるのではないかと感じてしまいます。総量規制と抱き合わせというのがまた…ずるい。

 

本当に必要なのは残業をしなくても済むような社会構造

 本当に働き方改革が実現されて、残業時間が下がり、労働効率が上がっていくために必要なのは 「高度プロフェッショナル制度」ではないと私は思います。本当にしなければならないのは、労働基準法の厳正な適用なのではないでしょうか。

 労働基準法の第37条には「時間外・休日及び深夜の割増賃金」について書かれています。抜粋すると以下の通りです。

 

使用者が、労働時間を延長し、または休日に労働させた場合においては、その時間またはその日の労働については、通常の労働時間または労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率(延長した労働時間の労働については2割5分、休日の労働については3割5分)以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

~労働基準法第37条~

 

 週40時間以上の労働については、本俸を1時間あたりに直した賃金の1.25倍、休日出勤については1.35倍を支払わなければならないのです。しかし、この法律を違反したときの罰則は、「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」という、労働者側から見ると信じられないほど軽微なものだと思います。

 

 過労死が重大な社会問題となり、過重労働の影響で自殺者もでるような状況の中、この罰則は、はっきり言って甘いと思います。労働基準法に違反した場合、企業生命が危うくなるぐらいのリスクがないといけないと個人的には感じています。そうしなければ企業は本気で労働基準法を守ろうとはしないでしょう。リスクがあって初めて企業はそれをマネジメントする意欲を出してくると思います。労働基準法の罰則規定を大きく見直すことで、企業側が本気で長時間労働問題について取り組み、社会的な構造が変革され、根本的な解決へつながるのではないでしょうか。

 

 

 今日は、いつもと雰囲気を変えて、真面目な話をしてみましたがいかがでしたでしょうか。長時間労働は本当に切実な問題だと思います。労働者の端くれとして、心から何とかしてほしいと思っています。思い付いたことを率直に書いてみただけなので、論に未熟なところもあると思います。ご容赦いただければと思います。また、政治的な話なので、賛否両論もあるかと思います。たくさんのコメントをいただければ幸いです。よろしくお願い致します。

 今日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。