空から降りてくるものたち

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世界初!ベーシックインカム実証実験~何もしなくてもお金もらっていいの?~

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 最近、また気になるニュースを発見したので、ちょっとご紹介したいと思います。 下にリンクを貼ってみますね。

 

www3.nhk.or.jp

 

ベーシックインカムとは

 上記の記事を簡単にまとめますと、ベーシックインカムという制度のお話です。ベーシックインカムとは、社会保障制度の一種です。しかし、他の社会保障制度と大きく異なる点が一つあります。

 

 それは、「全ての人に一律に毎月定額のお金を支給する」ということです。

 

 これは、ちょっとびっくりしますよね。現行の社会保障制度で代表的なのは老後の公的年金でしょうけれども、こちらは、現役時代に支払った金額によって、もらえる金額が異なります。

 また、生活保護や障害者年金などもありますが、こちらは申請によって審査され、だれでももらえるというものではありません。また、障害者年金は、障害の程度によってもらえる金額も異なります。失業手当も会社に雇用され、雇用保険を一定期間払っていなければ支給要件を満たせません。

 今までの例から考えると、ちょっとびっくりするような制度案です。

 

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世界初!フィンランドでベーシックインカム実証実験

 しかも、このベーシックインカム、机上の空論ではありません。上記の記事によりますと、なんとフィンランドで、世界初の実証実験がされているというのです。簡単にまとめてみます。

ベーシックインカムの実証実験の概要

  • 毎月約7万円(560ユーロ)もらえる。※2017年8月の円相場から
  • 2017年から2年間試行実施
  • 対象者は25歳から58歳の失業者から無作為で2000人

 フィンランドと言えば、手厚い社会保障で有名な国でもありますが、高い税率でも有名です。ちなみにフィンランドの消費税率は現在24%だそうです。

 対象者は全国の25歳から58歳の失業者のうち2000人だそうですので、全国民が対象という訳ではありません。本来のベーシックインカムとは違い、一種の失業手当のような形での実証実験のスタートとなっています。失業と貧困の解消に狙いを絞っての実証実験のようです。

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フィンランドで実証実験がされた背景

 フィンランドは、先ほど述べました通り、高福祉国家で有名です。しかし、この高福祉制度を今後維持できるかどうか、という分岐点にどうやら立たされているらしいのです。

 数年前までは、「フィンランドは学費も、医療費も無料でいいな」とか能天気に思っていました。専門家の間でも「日本もフィンランドのような高福祉国家を目指すべきだ」というような意見もあり、どこか憧れのまなざしをもっていたような気がします。しかし、事情が変わってきているようです。

 フィンランドが現在まで高福祉国家であることができたのは、フィンランドという国の特殊な事情があると個人的には考えます。フィンランドの人口は約500万人です。日本でいうと北海道と同じくらいですね。そこにかつて、バケモノみたいな会社がありました。ノキアという携帯電話の会社です。ノキアという会社、日本ではあまり有名ではありませんが、この会社はかつて世界の携帯電話市場を席巻していました。

 人口500万人そこそこの国にある会社が、世界の携帯電話市場で幅を利かせていたとなると、その法人税の莫大さは想像がつくかと思います。しかし、ノキアはスマートフォン事業は軌道に乗らず、appleなどに先を越されてしまうことになったそうです。

 その結果、ノキアはマイクロソフトに買収され、マイクロソフトの傘下に入ることになってしまいました。このあたりの背景もベーシックインカムの実証事件を後押しする材料として無視できなかったのではないかと個人的には感じています。

 

ベーシックインカムの効果と課題

 では、ベーシックインカムの効果や課題について個人的に考えたことをまとめてみたいと思います。

  • 毎月一定額のお金がもらえるので、生活に安心感が出る。
  • 制度の簡素化により人件費の削減が期待できる。
  • 他の社会保障制度と並行して行うかどうか。
  • 金額を労働意欲を阻害しない程度に設定するのが難しそう。

生活への安心感

 1つ目の生活への安心感というのは、実証実験中のフィンランドでも実際に効果として表れているそうです。失業者が月7万円もらえることにより、生活の目処が立ち、再就職への意欲へとつながった例が、先ほどの記事にも出ています。フィンランドは失業率が8.8%と割合高めです。そのあたりも実証実験に踏み出した背景となっているようです。

 

社会保障制度の簡素化による人件費削減

 2つ目の人件費削減ですが、これはベーシックインカム導入によって、他の社会保障制度が簡素化や廃止された場合に考えられるメリットでしょう。失業手当や老後の年金制度や生活保護、障害や年金などがベーシックインカムにより簡素化されたり廃止になる可能性はあるかと思います。それにより事務手続きの手間が省ければ、公務員の人員削減にもつなげられるでしょう。

 

他の社会保障制度との関係

 3つ目の他の社会保障制度との関係をどうするかという点は、日本で導入する場合は特によく考えなければならないと思います。フィンランドでは医療費は無料ですが、日本の場合は健康保険制度による補填式になっています。

 初めから無料であればベーシックインカムの金額調整だけで済みますが、日本で導入するとなると、健康保険制度を維持するかどうかということから議論しなくてはならないでしょう。お金を配っておいて健康保険のために再徴収というのもなんだか不自然な気もしますしね。

 

受給金額の設定 

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 4つ目の「毎月の金額をいくらにするか」という点が一番の導入時のポイントになるかと思います。金額が多すぎれば労働意欲が低下します。「最低限の生活ができれば働かなくてもいいや」と考える人はもちろんいると思います。金額が少なすぎれば社会保障としての機能を果たせず、経済的な効果も期待できないただのばらまきに終わってしまいます。

 フィンランドは消費税率も高いので物価も、もちろん高いです。普通のコーラは500mlで3.9ユーロ(約500円)だそうです…。そのあたりを考えると、もし日本で導入するのであれば、もっと低い金額になる可能性は高そうです。

 日本で1人当たり7万円もらえれば、結婚すれば最低限の生活はできてしまいます。他の社会保障制度との関係も考えると、この金額の設定というのはフィンランドよりも難しくなりそうです。。失業者に狙いを絞った実証実験になっているということも、この点の運用の難しさを考えると適切と言えるのではないでしょうか。

 

 

 社会保障や社会インフラの整備の役割が、富の再分配という役割をもっていることも考えると、非常にダイレクトで分かりやすい制度であるなとも思います。日本で導入するのであれば、解決しなければならない課題がフィンランドより多そうですが、先行事例としてフィンランドの実証実験は注目に値すると思います。今後のフィンランドのベーシックインカムの行方が気になるところです。

 さて、今日は新しい社会保障制度であるベーシックインカムについて考えてみましたがいかがでしたでしょうか。今日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書)

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