宮原知子 GPシリーズアメリカ結果分析~日本女子フィギュアエース復活か?

 当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。フィギュスケート観戦歴15年のフィギュアおたくのあんです。こんにちは♪

 フィギュアスケートGPシリーズも最終のアメリカ大会が終わり、GPファイナル進出6選手も決定しました。樋口新葉選手のGPファイナル進出も左右するアメリカ大会、とってもドキドキしましたね。

 今回は、グランプリシリーズ2017アメリカの宮原知子選手の結果と分析をお送りいたします。先日のグランプリシリーズ2017NHK杯で怪我から見事に復帰しました。今回のアメリカ大会での活躍はどうだったのでしょうか。エース復活はなったのでしょうか。ものすごく楽しみですね。

 それでは、早速始めていきますね。今回もよろしくお願いします。

f:id:LukasDecember:20171126234913j:plain

SANSPO.COM(サンスポ)

 宮原知子選手のプロフィール

 結果分析の前に宮原知子選手のプロフィールを簡単におさらいしておきましょう。

  • 生年月日:1998年3月26日
  • 身長:152㎝
  • 2014~2015年シーズン戦績:世界選手権2位 全日本選手権1位
  • 2015~2016年シーズン戦績:GPファイナル2位 全日本選手権1位
  • 2016~2017年シーズン戦績:GPファイナル2位 全日本選手権1位
  • 2017~2018年シーズン戦績:GPシリーズNHK杯5位

 小柄な選手ですが、ジャンプもしっかり跳べます。表現力が豊かな選手で演技構成点で高得点を取れる選手です。個人的には彼女のレイバックスピンが大好きです!

 世界選手権2位、GPファイナル2位など、世界のトップレベルで争うことのできる選手です。怪我で11か月間競技からは離れ、昨シーズンの世界選手権は棄権しています。ジャンプの練習ができない時期もありました。前回のNHK杯が復帰初戦でした。スケートアメリカが復帰2戦目です。ドキドキ…。

スポンサーリンク

 

 グランプリシリーズ2017スケートアメリカの結果

f:id:LukasDecember:20171126172301j:plain

日刊スポーツ

  • NHK杯 SP65.05 FS:126.75 合計:191.80
  • スケートアメリカ SP:70.72 FS:143.31 合計214.03
  • GPシリーズスケートアメリカ金メダル

  NHK杯から2週間しかたっていないとは思えないほどの復調ぶりです。宮原知子選手のパーソナルベストは2016年GPファイナルの218.33です。ほぼパーソナルベストまで完成度を上げてきました。さすが激戦を戦い抜いてきた日本女子のエースです。エースの復活を心から祝福したいと思います。「宮原選手、おかえりなさい!」

ショートプログラム分析

技術点について

f:id:LukasDecember:20171126172016j:plain

朝日新聞デジタル

  • NHK杯 技術点:31.02 演技構成点:34.03 合計:65.05
  • スケートアメリカ 技術点:36.77 演技構成点:33.95 合計:70.72

 それでは、詳細を分析していきましょう。まずはショートプログラムからです。技術点とはジャンプやスピン、ステップなどそれぞれの技に付く点数です。難易度により基礎点があります。その基礎点に出来栄えで加点や減点がされます。

 宮原知子選手のスケートアメリカの技術点は36.77でした。前回より5点以上あげてきましたね。5点以上というのはほぼ3回転フリップ1回分の基礎点です。5点技術点を上げるというのは相当難しいことを実感していただけるのではないでしょうか。

 冒頭の3回転ルッツ→3回転トウループはコンビの3回転トウループがやや回り過ぎたのかステップアウトしましたが、前回のNHK杯では2回転にとどまっていたことを考えると「よくぞここまで」と感じました。3回転ルッツからのコンビは世界で争うためには必須ですので、公式戦で跳べる目処がついたのは大収穫です。

 その後のスピンの安定度やステップのエッジの深さもNHK杯の比ではありませんでした。コンビネーションスピンも軸足変え後も速度をキープする見事なスピンです。

 基礎点が1.1倍になる後半のジャンプでは、3回転ループを決めました。単独ジャンプですが、着氷後にすぐにステップに入れるところがさすがです。加点もあるでしょうし、演技構成点にもいい影響があるでしょう。

 ダブルアクセルはやや流れにのっていない感じがしましたが、ジャンプとしては成功だと思います。

 なんといっても魅力的なのはレイバックスピンです。彼女のレイバックスピンは世界一なんじゃないかなと思います。回転軸の安定、速度、フォームの美しさ、どれをとってもため息が出ます。ビールマンスピンに移行しても速度が落ちないのは本当に素晴らしいです。

演技構成点について

f:id:LukasDecember:20171127225656j:plain

時事ドットコム

  演技構成点は演技全体に付けられる点数です。主に表現力を評価します。審判5人が1人当たり10点満点で点数を付けます。その合計点に係数がかけられて点数が決まります。女子ショートの係数は0.8ですので、40点が満点になります。

 今回の宮原知子選手のショートプログラムでの演技構成点は33.95でした。前回よりやや落ちましたが、審判1人当たり8点以上の点数ですから合格でしょう。本人としてはもう少し欲しいところかもしれません。

フリースケーティングの分析

f:id:LukasDecember:20171127225407j:plain

時事ドットコム

  • NHK杯 技術点:58.23 演技構成点:68.52 合計:126.75
  • スケートアメリカ 技術点:72.23 演技構成点:71.08 合計:143.31

  フリーはショートの2倍弱の点数が出せれば実力を出し切ったと言われます。ショートが70.72でしたので、ショートの2倍を上回る点数でした。フリーは会心の出来と言っていいでしょう。特にジャンプの復活が素晴らしいですね。そのあたりは、NHK杯からの技術点と比べるとよく分かるのではないでしょうか。

 技術点について

f:id:LukasDecember:20171127225902j:plain

時事ドットコム

  技術点とはジャンプやスピン、ステップなどそれぞれの技に付く点数です。難易度により基礎点があります。その基礎点に出来栄えで加点や減点がされます。

 スケートアメリカの宮原知子選手のフリーの技術点は72.23でした。冒頭の3回転ループはやや回転不足気味でしたが、その後の3回転ルッツ→3回転トウループが見事に決まったのが大きいと思います。ショートでの失敗を繰り返さないところもさすがエースの貫禄です。

 3回転フリップは単独でしたが、回転系のステップを入れながら跳ぶなど、加点がもらえる難しい跳び方で成功させました。

 中盤のステップは本当に見事です。ステップは思わずジャンプやスピンと同じ方向に回りがちなのですが、宮原選手は反対方向にも高い速度で回るステップを踏めるところが素晴らしいと思います。演技に幅が出ますよね。このあたりも演技構成点にいい影響があると思います。

 特に注目したいのはジャンプの基礎点が1.1倍になる後半に跳んだ3回転ルッツ→2回転トウループ→2回転ループのコンビネーションが見事に決まったことです。後半にこの大技が決まるのは大きな得点源になるでしょう。 

 その後の他のジャンプも確実にこなし、高い技術点をたたき出しました。個人的には彼女のレイバックスピンにまた見惚れちゃいました!本当に溜息出ます。なんて美しいのでしょう。ちなみに下の写真がレイバックスピンです。

演技構成点について

f:id:LukasDecember:20171127225241j:plain

時事ドットコム

   演技構成点は演技全体に付けられる点数です。主に表現力を評価します。審判5人が1人当たり10点満点で点数を付けます。その合計点に係数がかけられて点数が決まります。女子フリーの係数は1.6ですので、80点が満点になります。

 宮原知子選手のスケートアメリカFSの演技構成点は71.08でした。審判1人当たり8~9点という驚くべき高得点です。やはり、表現力の高い選手は底力が違いますね!

 フィギュアスケートは音楽に合わせて演技をする競技です。宮原知子選手は音楽に合わせて演技するのが得意ですので、このあたりも演技構成点の高得点に結びついていると思います。

スポンサーリンク

 

日本女子フィギュアスケートのエース復活!

f:id:LukasDecember:20171127233520j:plain

時事ドットコム

  NHK杯は復帰初戦ということもあり、5位でしたからGPシリーズポイントランキングの6位以内に入れませんでしたので、残念ながらGPファイナルの進出は逃しました。しかし、難易度の高いルッツジャンプを武器に復活できたのは収穫が大きかったと思います。

 また、NHK杯の様子もあったので、個人的には2週間でここまで復帰できるとは正直思っていませんでした。宮原選手の演技はVTRで試聴しましたが、かつての宮原選手以上の動きが戻ってきていて、本当に嬉しいです!感動しました!

 体力のいるフリーで後半のジャンプをすべて成功させたのですから、並大抵ではないフィジカルトレーニングの努力があったことと思います。「よかったな~」と心から思いました。この勢いだとまだまだ19歳ですし、更にパーソナルベストの更新に期待できそうですね。

 また、今回宮原選手と坂本選手が頑張ったおかげで、ツルスカヤ選手を押さえ、樋口新葉選手がGPファイナル進出を果たしました。まるで、宮原知子選手と坂本花織選手が樋口新葉選手のGPファイナルへの道を作ったように見えて、これまた感無量です。ちょっと感動しすぎかな…?

 あとは平昌オリンピック代表選考の主戦場となる12月20日からの全日本選手権に向けて調整を重ねていくことになるのでしょう。スケートアメリカの様子を見るとこのまま代表争いも勝ち取りそうな勢いですね。

 

 さて、今回は日本女子フィギュアスケートのエース復活をかけた宮原知子選手のグランプリシリーズスケートアメリカの結果分析をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。見事金メダルを勝ち取り、復活を果たしました!やった~!

 でも、戦いはこれからが本番です。全日本選手権まではまだ日がありますので、体調を整えて万全の態勢で全日本選手権に臨んでもらいたいと思います。

 それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

<その他の女子フィギュア関連記事です>

www.music-an.com

www.music-an.co

www.music-an.com